長旅を終えてやっとベルリンに到着しました。
今日からドイツ視察が始まります。
私が顧問として関わらせていただいているSOA 一般社団法人スペシャルワンクルー主催のドイツセミナーです。
ペット業界に関わる重鎮の先生方やこれからのペット業界を支える若手と共に、ドイツのペットと人の共生事情を探ってきます。
(写真 部屋がベルリンのテレビ塔前)
特にドイツのペットビジネスを含めてドイツがどれだけペットと人の共生社会実現に向けて、さまざまな法整備を整え、日常の暮らしの中にペットとの自然な暮らしを取り入れているかをじっくり学んでまいります。
今回の私のテーマは「人中心のエゴ的な世の中から抜け出すためのヒントを探る」というものです。
もう限界にきている人間のエゴ追求社会。
これがだめだと思っているはずなのに、そこに突き進む一部の国々。
どうしたらそこを抜けているのかという発想を得たいと思います。
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さて、昨日は機内でかなり久しぶりに映画を観ました。
そのうちの一本が、気になっていた「レンタルファミリー」。
(写真 ぴあ レンタル・ファミリーロケ地紹介より)
(同映画の紹介より)
東京で暮らす落ちぶれた俳優フィリップは、日本での生活に居心地の良さを感じながらも、本来の自分自身を見失いかけていた。そんな中、“レンタル家族”として他人の人生の中で“仮の”役割を演じる仕事に出会い、想像もしなかった人生の一部を体験する。そこで見つける、生きる喜びとは?
(以上ここまで抜粋)
アカデミー賞俳優主演で、柄本明さんも出演されていて、私はとても興味深く観ました。
と言うのも、以前、レンタルなんもしない人さんに出会い、ほんとになんもしないである勉強会にいてもらったことがあるのですが、その時に「こういう世の中のスキマが存在している」ということを感じたからです。
スキマと書きましたがこれこそ実態というか、本丸かもしれません。
この映画では、さまざまな家族の「レンタル」がとりあげられています。
結婚式の新郎をレンタル。
お受験用に父親をレンタル。
会社で上司に怒られるための練習(?)のレンタル。
有名俳優の生涯をまとめあげるための記者をレンタルなど。
いろんなケースがでてきます。
しかしそのいずれも、何をしたいのだが、それをするには何かピースが足りない。
だからその足りない部分をレンタルしてカバーするというものです。
その相手の子どもに本当の父親だと思わせてやること自体に、「そんな嘘をついていいのか」という批判もあるようですが、本人たち(特に母親)にとっては人生をかけた大勝負。
お受験で勝ち抜くためには、とにかく父親が必要。
でも別れたか何かで父親がいない。
お受験の面接には両親面接が必須の学校がある(実際にかなりの割合であるのですが)ので、そこで父親がいない、もしくは仕事で来れなければお受験には落ちる確率がかなり高まります。
だから練習して、子どもにも本当の父親だと信じ込ませて、お受験に臨む・・・というストーリーがあります。
その途中での本人の葛藤、子どもの反抗、母親の苦悩、そのまわりの人たちの心情。
さまざまなものが動き、変わっていきます。
まあ言ってみれば日本特有の「体裁を整える」というものです。
体裁を特に気にしない海外では、奇異に映るかもしれません。
それことフェイクだ、そんな嘘の状況を作ること自体ナンセンスという話がでるのもわかります。
しかし、日本はこの体裁を保ちながら生きてきた国民でもあるかもしれません。
相手の機嫌を損ねないように、形を整えて、その場をなんとかとりつくろって、世の中のある意味ステレオタイプの常識、こうあるべき論など。
お受験はその典型かもしれません。
シングルマザーで子どもの幸せだけをとにかく祈る母親にしたら、相手は誰でもなんでもいいのです。とにかく子供が、理想の学校にはいってくれさえすれば、これからなんとか彼女が幸せに生きてい行ける可能性が高まる(と感じている)のです。
だからレンタルファミリーが役に立つわけです。
なるほどなあ、と考えさせられることばかりでした。
体裁ばかりを整えていいことはないですが、日本という社会ではこうしたことが本当に求められる場面が多いというのもひとつの独特なカルチャーです。
そして驚いたのが、この映画の元になった、実在するレンタルファミリー会社が存在したことです。
それがここ。
ファミリーロマンスという会社。
会社概要・企業情報|株式会社ファミリーロマンス — 代行サービスの運営会社
年間5000~6000件の依頼があるそうですでに20年の実績がある最大手企業です。
映画では俳優さんのような方が登録されていましたが、こちらでは素人の方々が5000人くらい登録されていて、さまざまなファミリーレンタルの要望に応えているそうです。
事例にも「父親レンタル」の多いこと。もちろん子どものレンタルもあるし、おじーちゃんレンタル、彼女彼氏レンタルなどもあります。
まさに生活者の必要なスキマを埋めてくれるサービス。
利用者にとっては必死のパッチです。
そんなことまでして とまわりは思うかもしれないけど、20年間毎年5000件以上の依頼があり続けるというのは、もはや日本にはこのサービスがないと成り立たない・・・ほど、さまざまな悩みや課題が家庭の中に渦巻いていると言ってもいいかもれません。
だから成立するのです。
人はそれだけ毎日、なんらかの悩みをもって生活している。
それがなくならない限り存在するビジネス。
それがファミリービジネスというものが存在している理由でしょう。
この映画、そんなこれからの日本を考える上でも必見だと私は思います。
人中心のこの世の中で成立しているこのビジネス。
ドイツでは必要ないと言い切れるか。
そんなことも考えながらドイツ各地をまわります。
今日も心のスキマを埋めていけるいける!!

