学究社が展開する東京の進学塾「ena」(エナ) が大胆な合宿を企画していると聞きました。
enaはもともと東京の西部地区の有名中学受験塾として少しずつ力をつけてきた塾です。
伸びたのは公立の中高一貫校に強い塾というアピールをして、次々と成果を上げて行ったあたりから、校舎も増えて、東京で広く知られる塾の一つになりました。
今では小学校受験、中学受験、高校受験、大学受験までをカバーする、総合型の塾になっています。
(写真 ena HPより抜粋)
そのenaが打ち出しているのが今年の夏合宿。
なんと、22泊23日という合宿です。
「必勝22泊23日合宿」という名の特別夏合宿。
8月2〜24日に開催するそうです。
静岡県内の合宿施設で寝泊まりしてもらい、毎日12時間の勉強時間を確保するというもの。
通常の勉強時間の7か月分程度をこの合宿で集中してやるらしい。
施設内にテレビなし。
スマホ持ち込み禁止。
保護者は様子をネットで中継する「授業参観」も視聴可能です。
ただ現地に行って一緒ではないらしい。
あくまでも子どもたちだけの合宿。
これはなかなかハードな合宿です。
今までは2024年の10泊11日が最長だったそうです。
しかし今回はその倍の長さ。
宿泊費や食費、交通費などすべて含んだ合宿費用は50万円程度。
すべて含んでいるとは言え、一泊2万円以上ですから、なかなかの高さです。
それでも、同時期開催の他のコースの参加者も含めて1000人を超える合宿所の定員に達する見込みだそうです。
まさに今の東京の受験熱の高さ、特に中学受験への親御さんたちの熱い思いがそのまま表れたカタチです。
高校無償化やさまざまな子育て支援を背景に、子どもへの教育投資は今まで以上に増えていると思います。
学校で浮いたお金を塾や習い事にまわす家庭も多いと思います。
それがこのような高額の長期合宿企画につながっています。
子どもはイヤかもしれませんが、親にしてみたら、20日間も子供を預かってくれて勉強させてくれる合宿は最高でしょう。
さみしいのを我慢すれば、子どもは合宿で毎日勉強してくれる。
勉強しろと言う必要もない。
気になればネットで様子を見れる。
自分たちはその間、仕事や夏休みもとれる。
子どもの学びと自分たちの自由を確保できる長期間合宿。
とてもいい企画を考えたものだと思いました。
みんながみんな中学受験をしていくという状況は異常ですが、そうしたい親の気持ちも分かります。
一方で、受験で子どもとの時間が持てないまま、大人になってしまい、「あの時、子どもと旅行しておけばよかった」と嘆く親も少なくありません。
何が一番大切なのか。
自分たちの考えを明確にしておかないといけません。
結局、子どもが小さい時には親があれこれ決めるわけです。
子どもの選択権はあまりありません。
親が単に、流れでやってしまうのだけは避けないといけません。
何をするのが子どもたちにとってベターなのか。
未来を想像する親の思考力が試されています。
合宿にぶちこんで無理やり勉強させるか。
伸び伸びと夏を楽しませるか。
親子で一緒の時間を過ごしながらも、子どもに勉強させるか。
今日も親力を鍛えていけるいける!!