私は今年追いかけているテーマの一つは「ヒーリングフィクション」。
心を癒してくれるような小説 がもともとの意味ですが、心癒される体験、ほっとできる場所、そのようなことを人工的に作り出しているようなところも含めて、あちこち行っております。
先日、目白の椿山荘で、講演をする機会があり行ってきました。
椿山荘と言えば、ラグジュアリー感あふれる大きな庭園が広がるバンケットや宿泊棟ががある施設です。
会場も素晴らしく、椅子もテーブルも素晴らしい。
そしてなにより講演準備段階でのホテルスタッフのサポートが素晴らしい。
事細かに事前のセッティングをしてくれました。
特にこだわってくれたのがボリューム。
映像を3分ほど流す場面があったので、それを事前に確認してくれて、どの程度の音量がいいかを確認してくれました。
あわせて、スライドのサイズにあわせて画面を調整してくれたり、映像時の照明を落とすためどのタイミングでそのページがくるのか、どのページで講演が終わるのか。
など、本当に細部にわたる確認をしてくれました。
ここまで講演会場のスタッフで確認してもらったことは今までありません。
さすが椿山荘だと感心しました。
講演後にすこし会場の外の廊下にいると、
「このあと4時10分から、お庭で椿山荘名物の雲海ショーが行われます」
とのことでした。
私は今まで見たことがなかったため、施設の中の上のほうからその様子を眺めてみることにしました。
その廊下から見るとこんなに素敵な桜の景色が見れました。
その視線をすこし右にずらすと、庭の中心のあたりがもくもくとしてきて、あっという間に雲海が出来上がりました。
私はイメージ的に、もっと上の方までもくもくくるのかと思っていたので、ああ、こんな感じなんだ!! というものだったのですが、庭に降りてみている方は相当すごい光景だったようです。雲に飲み込まれてしまうような感じ。
他の方と一緒に見ていると「夜の雲海もいいですよ」と教えてくれました。
この日は私は夜までいれなかったので、椿山荘のHPで夜の光景を拝見することにしました。
するとそこには本当にいろいろな場所で見た雲海写真が掲載されていました。
この雲海、東京雲海と言うのだそうです。
朝7時、22時には大雲海。
8時から21時台までは雲海のショーとなっていました。
しかも各時間帯 2回ずつ、10分、40分と行われています。
こんなに定期的に行われる企画だったのですね。
これは椿山荘の一番商品と言えるイベントです。
私が見たのは雲海でしたので、想像していたものより小さい感じだったのは仕方ないものだったようです。
しかし大雲海になると、驚くような雲海が広がるようでした。
たとえばこんなインスタの写真が紹介されていました。
(写真 takuchan_jb23 インスタ写真より 椿山荘HPから)
すごい。
ここまでくるとちょっと誰かに知らせたくなります。
まさに自然界で見るような雲海の中にいるような気分になります。
素晴らしい。
よく考えてみると、ただ霧のようなものが庭に出現するだけなのですが、その様子が本当に幻想的なので、いわば庭を活かしたイリュージョンです。
もともとある庭を活かして、それを強みにした一大企画にしたのです。
そしてこれを一番商品にした。
椿山荘の発想はとても学びが多いと思いました。
この雲海ももしかしたらとてもお金がかかっているかもしれませんが、見た目というか仕掛けはとても地味なものです。
ただ、この雲がでてくる企画そのものがとても有名なイベントになり、椿山荘=雲海というブランドにまでなっています。
事実、見たことがなかった私でさえ知っていますから。
まさにブランドを雲でつくりだしたホテルです。
みなさんの近くにもこうした小さなブランドづくりのヒントが隠れているものです。
小さなところに目を付けてそれをブランドづくりに活かせるかも?
今日も小さなところに注目していけるいける!!