先日、いい店が集まってきていると評判の東京の渋谷区にある幡ヶ谷(はたがや)の街を散歩してみました。

幡ヶ谷はよく行く街なのですが、もともとは住宅街の中に商店街があるような街で、特に目新しいものはなく、地味な街でした。

しかし地元の若い飲食店主や酒屋の店主など、商店街に実家や店を構えた人たちが次々と店をリニューアル。

酒屋のあとに若者が集うバルをオープンさせたり、使われていなかった家を店にリノベしたり、他の街から店を移転してきたり。

ここ2~3年で繁盛店がたくさん生まれています。

結果的に、知らない店がとても多い街に。

開拓するだけでも大変なほど店も人もいるように思います。

 

昨日は今まで行ったことがない店に行ったのですが、その店がある地図を見ても、こんなところに通りがあったっけ?と思うような路地にあると地図は示しています。

 

行ってみると、確かにその路地は入ったことがありませんでした。

なぜならその道は、住宅街にはいっていく路地であり、店が出店するような通りではなかったから。

 

(写真 幡ヶ谷の路地)

 

この通りを歩くとすぐに、当該店舗を見つけました。

その店の両隣にはしゃれたバーが2軒、立ち飲み屋が1軒、お弁当屋兼カフェが1軒、ほかにカフェが1軒、そしてこの写真の左側にあるガチャガチャをおいてある住宅が1軒ありました。

このガチャガチャがおいてある家は店ではなく、純粋な住宅なのですが、たぶんここに人通りができてきたので、家の玄関のあたりを使ってガチャをおいて照明をつけたのでしょう。商売が生まれていました。

 

予約した店にはいると店はこじんまりしていて、わりと古い店でした。

イタリアのトラステベレにありそうな庶民的なイタ飯屋という印象。

おじさんひとりと料理をつくるすこ若い方二人でまわしている店でした。

 

おいしい料理とお酒がでてくるのですが、なかなかすぐに頼んだものがでてきません。

ひとりで作っているので時間がかかる。

たのんだお酒も忘れていて注文が入っていない。

サービス品質が悪いわけではないので嫌な気分にはなりませんでしたが、満足度は下がってしまいました。

いい店だけど惜しい店。

そんな店でした。もう一人人がいれば、アルバイトが働いていれば。だけど人が採用できていないのです。

 

そこで思い出しました。

朝のニュースででていた「就業者最多 6781万人」という数字。

いのは働く人が日本には圧倒的に多く、1953年以来でもっとも多いのだそうです。

しかも前年より34万人増えているとか。

 

しかし、世の中では人が足りない、人がほしい、採用をしたいという会社ばかりです。

人が足りないのです。

過去最多の就業者数なのに、企業では人が足りないという実態。

それがこんな路地の飲食店にも表れています。

 

もう一人はたらく人がいればうまくまわる。

しかし人が足りないのでうまくまわらないのです。

 

人が足りないほどたくさんの会社や店が世の中に増えているのか。

それとも、必要な場所に働く人が適正に配置されていないのか。

どちらかと言うと後者のミスマッチが起きているのでは という論調ですが、必要な場所に必要な人がいないという日本になっています。

 

働く人がいる間に、それぞれの企業が自社にとって必要な仕事、必要な働き方、はたらく人数を決めて、適正な人員配置ができれば、もっといい職場環境になっていくのだと思いますが、それをすべての企業を一覧にして整理していくのはなかなか難しそうです。

 

まずは自社の中で、本当に必要な働き手の能力や人数をきちんと決めていくこと。

必要以上に雇わず、しかし一人に過度な要求をしないように、会社にとっての適正な働く環境づくりが求められます。

 

今日も日本の働く環境を考えていけるいける!!