イオンの24年3月~11月までの9ヶ月の連結決算がでました。
売上高(営業収入)は7兆4705億円。過去最高の売上です。
しかし営業利益は175億円。18%減です。
さらに最終損益は156億円の赤字です。
前年の最終損益は183億円の黒字だったので、最終損益が悪化しています
イオングループはブラックフライデー企画を日本で積極的に実施し、さまざまな販促企画をおこなっているので売り上げは好調。
事業別にみても好調な事業のほうが多いのです。
総合金融事業、ショッピングセンター事業、アミューズメントなどを含むサービス・専門店事業は増益です。
ブラックフライデー企画などにより専門店の売り上げは伸びて、SCの集客も増えています。
クレジットカード利用も同様に増え、金融も好調で利益は41%増加しています。
食品スーパー、ドラッグストアも好調。
しっかりと利益をだしています。
しかし総合スーパー、いわゆるGMSの営業利益がマイナスです。
GMS事業は192億円の赤字です。
前期も実は14億円の赤字ですが、その赤字幅が増大しています。
イオングループとして見た場合、GMSがなければ絶好調の決算です。
しかしGMSがなければトータルの売り上げはここまでいかないわけですから、会社としては必要な事業。
セブングループばかりがM&Aの話で取り上げられていて、特にイトーヨーカ堂についてあれこれ言われています。
昨日は私も西友についてここで書きました。
しかし実はイオングループもGMSは苦戦しているのです。
日本では長い間小売業を引っ張ってきた総合スーパー事業が完全にターニングポイントを迎えています。
ここからGMSをどうするか。
非常に難しい課題に取り組まなければなりません。
GMSが利益をだせずに赤字になっているのは、
①想定以上に売上が上がっていないこと
②販管費が想定以上に高まっていること
③消費者の節約消費が想像以上に高まり、低価格品に流れていること
などがあげられます。
12月の売り上げは総合スーパーや食品スーパー事業でもプラスになっているようですが前年比3%の増加にとどまっています。
これではカバーできません。少なくとも5%以上のアップがないと、上がる原価、上昇する経費を吸収できません。
すでにイオングループではあらためて7%のベースアップを発表しています。
ここ数年7%アップを継続しています。
人件費は確実に上がります。
これは想定内。
つまり確実に上がる人件費を吸収し、さらに上がるその他の経費を抑え、それ以上に売上を上げるか、粗利を上げないと利益がでないのです。
現実的にGMS事業で売り上げを5%以上、上げ続けるのは至難の業です。
結果的に粗利を上げることになります。
するとやれることはイオンのPB商品の強化になります。
トップバリュの強化です。
これが売れれば粗利率は上がります。
しかし、低価格商品が多いので、数が売れないと利益はでない。
販促を強化して集客を増やしてトップバリュをたくさん売らないと利益が増えていかないということです。
2月決算まであと2ヶ月を切りました。
どこまでお客さんを集める企画を打って、客数を増やしていけるか、
ポイントはここにあります。
そしてこの流れは日本のGMS全体の状況の縮図でもあります。
これからの総合スーパーのあり方を考えていけるいける!!