毎年、新年は落語を見に行っています。

落語の世界では1月の中旬の二の席(20日)まではお正月興行。

おめでたい席が20日間続きます。

この期間はさまざまな寄席に、あまり普段はでてこないような大物の真打名人クラスがでていたりして、豪華なラインナップになっていることが多いのです。

お客さんも年末年始は見に行く人も多いこともあって、落語家のみなさんも稼ぎ時。

いろんな寄席で毎日忙しく働いているのです。

 

私は新宿末廣亭の二の席にお邪魔してきました。

私の大好きな柳家喬太郎師匠が高座に上がるというのもありましたが、年に一度は必ず見たい女性漫才師の「鈴風にゃんこ・金魚」師匠がでていたからです。

 

鈴風にゃんこ・金魚プロフィール

すず風にゃん子・金魚は、日本の女性漫才師。トービック、漫才協会、落語協会に所属。出囃子「どんぐりころころ」。 1990年にデビュー。1995年に落語協会に加入した際、五代目鈴々舎馬風門下に入り、現在のコンビ名となった。「すず風」の屋号は鈴々舎のサブブランドである。

(wikipediaより)

 

にゃんこ師匠はもともと映画などにもでていた女優さん。

「私は女優よ」が口癖とか。

金魚師匠は後期高齢者という噂(?)もある方。

金魚師匠の派手ないでたちがいつもお客さんに受けています。

 

(写真 一般社団法人漫才協会HPより)

 

この写真の右側の頭の上にのせている方が金魚師匠。

左側の女優っぽい方がにゃんこ師匠です。

 

始めて私が拝見したのは数年前。

金魚師匠がゴリラの物まねをし始めると、お客さんがバナナを差し出すではありませんか。

そのバナナをむいて漫才中にむしゃむしゃ食べ始めるのです。

私は衝撃を受けました。

お客さんはわかっていて持ってきている。

そしてそれを差し出している。

そのバナナを金魚師匠が美味しそうに食べる。

その姿がゴリラ以外の何物にも見えなかったのです。

 

ネットで調べてみると、にゃんこ・金魚師匠のこの芸が若者にとてもウケていることを知りました。

映像もたくさんあがっています。

世代を超えて人気のお二人だったのです。

 

この二人、すごいと思いました。

 

まったく別のビジュアル。

なんとなくキレイ系(すみません)とお笑い系。

ボケと突っ込み。

喋りと物まね。

それぞれのキャラクターをしっかり立たせていて、わかりやすい。

しかも定番のギャグはゴリラ。

 

わかっているのですが、あまりにもバカバカしいその内容に思わず笑ってしまいます。

昨日もいつもの感じで突然、ゴリラになった金魚師匠が、楽しそうに、やりきる姿に感動すらしました。

 

やはりおもしろい方というのは、声に張りがあります。

そして定番がある。

そしてそれを完全にやりきる。

 

完全にやりきるとどんなにバカバカしいものも、本当におもしろくなるから不思議です。

 

高座には二つ目のまだ真打前の噺家さんやあまり売れていない落語家さんなどもたくさんでています。

そうした人たちはやはり、声の張りがなく、定番的な技がありません。

メリハリがないのです。

そうなると最後までおもしろいところがなく、まったく笑いがでてこないことも多い。

 

そんな中でのにゃんこ・金魚師匠はダントツでした。

 

アタマの飾り。

実はおばあさん。

ゴリラを演じ切る。

 

やはりこうしたシンプルで、定番的なものを強みにして、その絶対的な強みをいかにデフォルメして伸ばしていくか。

これが長所であることを認識しないとそれは技にはなりません。

プロフェッショナルとしてやっていくためには、やはり長所伸展なのだと実感しました。

 

今日も長所を伸ばしていけるいける!!