ジョン・ブッテ(John Boutté, 1958年11月3日[1] - )は、アメリカ合衆国のジャズ・シンガー。1990年代より、ニューオーリンズを拠点に活動する。その音楽性はジャズの枠にとどまることなく、R&B、ゴスペル、ラテン、ブルースなど幅広い。姉は、ジャズ/ゴスペル・シンガーとして著名なリリアン・ブッテである。
ニューオーリンズでクレオールの家系に生まれたブッテは、地元の伝統的なマルディグラやセカンド・ラインに触れつつ、スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイといったR&Bのアーティストを聴きながら幼少期を過ごした。 中学、高校では、トランペットとコルネットを演奏し、マーチング・バンドに参加、またアカペラ・グループを結成して路上で歌った。
その後、市内のザビエル大学に進学したブッテは、経営学を専攻し、卒業後は軍隊で4年間を過ごした。除隊後、当初は音楽の道は歩まず信用協同組合に就職した。 転機となったのは、スティーヴィー・ワンダーと出会ったことであった。ワンダーは、彼の歌声を聴いて絶賛し、シンガーになることを勧めたという。その後、リリアンのヨーロッパ・ツアーに参加し、本格的に音楽の世界に足を踏み入れることとなった。
1994年、リリアンのライヴ・アルバムGospel Unitedに参加。1993年には、自己名義のアルバムThrough the Eyes of a Childをリリースした。 2000年には、キューバのグループ、キューバニスモがニューオーリンズでレコーディングしたMardi Gras Mamboにゲスト・ヴォーカリストとしてフィーチャーされている。 近年は、元カウボーイ・マウスのポール・サンチェスとの共演を重ねており、2009年にはサンチェスとのデュオ名義作Stew Called New Orleansをリリースするに至っている。
また同年リリースとなった、 ジョン・スコフィールドのニューオーリンズ録音盤、Piety Streetでも4曲でヴォーカルを執った。 ブッテ家には、彼とリリアンの他に歌手のトリシア・ブッテ(シスター・ティーディー)、タニア・ブッテがおり、いずれもジョンの姪に当たる。 ブッテの楽曲"Treme"は、2010年4月より米国のケーブルテレビ局HBOのドラマシリーズ「TREME」のテーマ曲に採用された。
Nevertheless I'm in Love with You
These Blue Days
Stew Called New Orleans
Good Neighbor
Two Bands Rolling