そこにある日、上司から台北に商談に行けと言われ、心の準備ができないまま台北に行くことに。三日間の出張で、日本語のできる台湾人ばかり会い、言葉に困ることもなく、余裕をかましておりました。
ところが最終日。午前中、時間ができたので、行天宮まで、出かけることに…
さて、タクシーに乗ったのはいいが、行きたい場所が伝えられない。英語も通じない。なんとか地図を見せて、出発したものの、降ろされた場所はどうみても、目当ての行天宮ではない。道を聞こうにも、言葉が通じない。生まれて初めて、言葉が通じないという恐怖を味わうことに…パニックになっていたところに、見知らぬじいちゃんに声かけられた。どこへ行きたいのかと…えっ日本語?行天宮と告げると、親切に道順を教えてくれた。しかも、流暢な日本語で。とてもありがたかった。
行天宮で目当ての占い師に無事会うことができ、ホッとしていると、占い師曰く、
当たり前だね。昔、日本だったんだし、わしらぐらいのじいちゃんなら、話せて当たり前。それに、台湾は日本とあまり変わらん。治安も悪くないから安心だよ
と、これも流暢な日本語で教えてくれました。私は思わず、気が抜けて、椅子から落ちるところだった。
はよ、教えてよ、じいちゃんって感じでした。
日本が台湾を統治していたことは、この時は全くしらず、台湾人と日本人との関係もまったく知らない台湾の旅でした。
今思うと、もっと予習していけばよかったと後悔しています。無知にもほどがありますね。
それが今では台湾大好き、中国語の勉強をライフワークにしているのですから、わからないものです。