一昨日、運転免許の更新に行ってきた。

ペーパードライバーの私は、夫が生きている間、彼が「俺が送り迎えするから。」といって警察署まで送ってくれて、更新の間「終わったら連絡してな」といって、彼は私を送った後近くのファミレスで待っててくれたっけ。

今回は「お母さん、炎天下の中駅から歩いていくのは大変だから、タクシー使ってね」と娘から念を押されて、行きはタクシーに乗って警察署まで行った。

 

そうそう、最近は免許の更新も予約をしないと受け付けてくれなくて、何人も門前払いをされていた。ここまで暑い中歩いてきて、更新ができないのってがっかりよね…

 

更新が終わって外に出ると、彼が待っていてくれるような気がして。

 

その後駅まで歩いて行こうとしたら、おじいさんが数人の方に抱えられて日陰のベンチに移動させられていた。炎天下、免許更新に来て具合が悪くなったのだ。こんな天気の時には、熱中症もコワイ。

一瞬何か冷たいものでも買ってお渡ししようと思ったけれど、すでに4~5人の方に囲まれていたので、その方たちにお任せして・・・。

 

駅まで歩いている間、彼とのいろいろなことが思い出された。

彼が癌研からホスピスに移った時「どうしても免許更新に行かないと、今週で更新期限が切れる」とホスピスの主治医に訴えたらしく、私と娘が主治医と担当の看護師さんから別室に呼ばれたっけ。

 

余命がもうあまりない状態なのに運転免許更新って、運転が好きな彼らしい。

 

「本人は更新場所まで息子さんに送り迎えしてもらうって言ってましたけれど、今の状態では免許更新にはいけません。第一医療麻薬の器具を付けているので、その時点でアウトです」といわれて「わかりました、私のほうで説得しますので」って言って、彼に「もうちょっと体調がよくなったら連れていけるし、病気だったら免許更新も失効しても救済措置があるらしいから、体調がよくなったら行こう」と説得した。

 

「今外を出歩いて万一感染症もらって体調崩したら、せっかくホスピスに来たのに大変でしょう」と言ったら「そうだね、もうちょっと体調がよくなったらね」って言ってたけれど、そんな日が来ないことぐらい、私や子供たちはわかっていた。

 

付き合っていた時から、彼の運転であちらこちらに行った。

 

子供が小さい時は帰省もドライブがてらでかけたし、北海道も子供たちを積んで、あちらこちら行ったっけ。

日本の国内も海外も沢山ドライブして、楽しい思い出ばかりだ。

 

ありがとう。ずっとずっと私の運転手でいてくれて・・・

でも、会いたいよ…