夫が亡くなってから、いろいろな方から連絡があって励ましてくださったり慰められたりしているけれど、中でも数人の方からの言葉は心に深く残っている。

 

そのうちの一人は、学生時代から夫婦してよく知っている方で10年以上前に奥様をなくされた方。

彼は今は再婚しているけれど、夫のこともよく知っているので、私のことをとても心配して、時々メールをくださる。

 

夫をなくしてから3か月が過ぎたころ、すごく辛いんだと話したら「私も妻がなくなってから3カ月過ぎた頃が一番つらい時期だった。葬儀や返礼品の手配とか相続とかの手続きを一通り終えて、一段落する頃が辛いよね。」と。

そう言ってもらえたら、私自身も「これは通過していく過程の一つなんだ」と少し納得ができる。

 

彼が「こんなに辛いならいっそのこと相手との関係が悪かったほうがよかったのではないか、そうすればこんなに苦しまなくてよかったのにと思うでしょうが、それは違うのです。もしも憎しみ合って死に別れたら、それはなんと辛いことでしょう。愛し合って別れるということは、辛いことだけれど幸せなのです。C・S・ルイスが言っていたように、今の悲しみは、あの時の幸せの一部なのです」といってくれた。

 

その言葉は深く心に響いた。

 

 

他の方から「いつまでもそこにいたら気持ちも暗いほうに引っ張られちゃうから、もっと別なことを考えて」とか「時間が解決するから」という言葉もかけられる。

その方たちは私の気持ちを何とか励まそうと伝えてくれるんだと思う。

 

そういう好意は感謝して受け取りつつも、

ただ、それは問題に蓋をしたり先送りして今の辛さを見ないようにすることはできるだろうけれど、私の場合は、本当の意味での心の解決にはならないような気がする。

 

これは「乗り越える」ということではなくて「その悲しみと共に生きることを受け入れる」ということなんだろうなぁと、今は思っている。