タカはhawk(ホーク)
ハトは公園で見かけるpigeon(ピジョン)ではなく、dove(ダブ)の方だそうです。ボディソープのdoveの方で、手品で出てくる白いハトのことです。僕も今日知りました
さてジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言は「ハト派」的と受け止められましたが、まだ議論の少ない「金融緩和終了のリスク」について考えてみたいと思います。
金融緩和の縮小(テーパリング)の開始時期は年内ということで、市場ではすでにコンセンサスを得ています。それが10月となるか12月になるかは大差ない問題だと思います。
ではテーパリングの期間はどのくらいになるのでしょうか
現在の資産買い入れ額は月1,200億ドル(米国債800億円+住宅ローン担保証券400億ドル)です。これをどのくらいのペースで減らしていくのか、まだ市場には織り込まれていません。
タカ派の主張→22年3月で緩和終了
ハト派の主張→22年後半で緩和終了
半年以上の開きがあります。
前回(2014年)は月850億ドルの資産買い入れ額を10ヶ月かけて緩和を終了させていきました(月85億ドルの減額)
タカ派の主張どおりで決定した場合、21年10月~22年3月の6ヶ月で緩和終了と仮定すると月200億ドルの減額ペースとなります。前回よりもだいぶ早いピッチです 金利上昇のピッチも早くなってしまうリスクがあると考えられます。
ハト派の主張が受け入れられ、仮に12ヶ月間かけて緩和を終了した場合でも、月100億ドルの減額となり2014年の時のテーパリングの時よりも緩和縮小の幅は大きくなります。市場はギリギリ持ち堪えられるか、バブル崩壊か 当初の金融緩和の規模が大き過ぎだったのでしょう。。
ところでハト派の主張は「インフレは一時的なものであって、いずれは元の水準まで落ち着く」という見通しに基づいています。ではインフレが一時的ではなく、高止まりしてしまい物価水準が上がってしまった場合はどうなるでしょうか
予想
①テーパリング期間を繰り上げて緩和終了→利上げへ
②テーパリングの期間中に利上げ開始(やや変ですが可能だそうです)
③インフレをある程度放置して通貨ドルの価値が下落
①または②への政策変更によりFRBが急ブレーキを踏むと、市場は転倒事故を起こすかもしれません。ましてバランスシートの縮小・正常化までは相当遠いように感じます。③もありえない、とは言えない。結局、全部リスクがあることになります
金融緩和政策は入り口は入りやすくても出口戦略はリスクを伴いかなり難しく、FRBもその道のりの途中で挫折し、再度金融緩和に逆戻りすることも十分ありうると思えます。僕はそう思って長期で金を買っていますが
ちなみにその頃、日銀はまだテーパリングに着手することもできず、法定通貨円の価値は長期で下がり続けることになると思います。黒田さん退任してる?