<白い壁:第二章・・・5>
家に帰り着くと、なんだかいつもより疲れているような気がした。
まゆこは、雄二に「ただいまメール」を送ると、ソファに倒れこんだ。
同い年なのに、環境がだいぶ違う二人。
でも同じ病気をかかえていて、診察日は同じ。
同じ様で違う、違うようで同じ。
決して、今日の一件はイヤではなかった。
亮子は話をつないでいくことが上手かったから、
まゆこでもきちんと話をすることができたし、
自分でもいつもより言葉数が多かったと思う。
一人で治療する・・・
自分だったらと思うとゾッとする。
雄二という壁に守られているまゆこは、改めて感謝した。
「私を守ってくれてありがとう」
その場に雄二はいないが、口に出して言ってみた。
今日はメイクも髪型も変えていってよかった。
亮子さんにも先生にも褒められたし。
これから毎回できるかどうかわからないけど、
調子がいい日にはちゃんとメイクをして、
髪もまとめていこうと思った。
起き上がって、鏡に自分を映してみた。
自分では「顔色が良くなったかな」くらいにしか思えないが、
亮子さんが褒めてくれたんだから、良くできたんだろう。
久しぶりにしたメイク、雄二にも見せてあげたい。
帰ってくるまでに崩れてしまったところを直して、
髪もそのままにしておこう。
サングラスをしないで帰ってこられたことも報告しなくちゃ。
まゆこは少し軽い足取りで、ドレッサーに向かった。
(つづく)