飲み会で、みんなの集合写真を撮るために店員さんにお願いして一眼レフカメラを渡すと、「液晶に写りません」と言われます。
そう。一眼レフは本来、ファインダーを覗いて撮るものであって、液晶を見て撮ることを前提としていないわけですね。(最近はだいぶ進化してきましたが)。
まあこれも時代の流れというもので仕方ないのですが。
そこで、今回はファインダーについてもう一度、簡単にレクチャーしたいと思います。
昔のカメラはこんな↓感じでした。今みたいにカラーの液晶画面なんてものはついていません。
液晶といっても、せいぜい日付と設定情報を数字で表示させる白黒の液晶が精一杯だったわけです。
↓昔は蓋を開けるとこんな構造になっていて、感光式のフィルムをここにセットしていました。
ではどうやって構図を決めていたかというと。
そう、これがミラーで、↓この写真のようにレンズとフィルムの間にミラーを備えていました。
レンズを通して入ってきた光を、ミラーとガラスプリズムを通して視野を目視し、構図を決めていたわけです。
これを、光学を意味する「OVF」といいます。
ただし、このミラーは写真を撮るときは邪魔なので、シャッターを切る一瞬だけ上に上昇させてフィルムに感光させるわけです。
このミラーがある分、カメラは大型で重くなってしまうというわけです。
ちなみに連射するときはその分、早い上昇と回数が必要なので、強いモーターも必要というわけですね。しかしあんまり強力なのはモーターも大きくなる分、カメラ本体も大型化するというわけですね。
さて、そして登場したのがデジタルカメラというわけですね。
半導体の進歩によって、フィルムを半導体センサーに置き換えたわけです。
そしてカラー液晶の登場で、カメラに取り付けてしまったわけですね。
↓これがみなさんご存知の普通のデジカメ
液晶が付いたのでファインダーで覗いて撮るという概念がなくなったわけです。
デジカメが登場したのが私が20代後半だった時代だと思います。
これが人気になったためにOVFを搭載したコンパクトカメラは消滅し、今の若い人は液晶で撮ることが当たり前になってしまって、ファインダーを覗いて撮るということを知らないわけですね。
でも実際は、OVFは一眼レフの世界ではまだ生き残っています。
その理由は何故か?
みなさん、スマホを太陽光の直下で使用すると画面が全く見えないという経験をお持ちでしょう。
太陽光下と液晶の明暗差があるために、このような現象が起きます。そしてスマホの明るさを全快にすれば何とか見えるのですが、その分白トビしてしまいます。
そう、これが液晶の欠点なのです。
そして、液晶は入ってきた光を電気的に信号に変換する処理が必要なので、その分時間がかかってタイムラグがあるわけです。
特に飛行機やF1など動きの速いものは苦手で、液晶に飛行機が入ってきて、狙いを定めてシャッターを切るころには、飛行機は飛び去っているという。
その点、OVFは光学系で見ている風景をそのまま見ているので、動き物はとらえやすいという利点があるわけです。
そういうわけでOVFはまだ一眼レフの世界で生き残っています。
ただし、同じOVFであっても、昔のフィルム時代のOVFカメラと、今のデジタル+OVFでは大きさや重さが違います。
昔はフィルムにOVFという単純構造でしたが、デジタルでは、センサー、センサーユニット、液晶、実装基板など電子系のものがたくさん付いているので、その分、サイズも重量も増えます。
↓これが厚みの比較で、上がデジタル一眼のOVF、下がフィルム+OVFになります。
厚みが全然違いますよね。
そう、そこでさらに登場したのが、ミラーレス(EVF)です。
EVFというのは、OVFファインダーの代わりに、小さな液晶のファインダーを付けたものなのですね。液晶なので「電気的」を意味するEVFというわけです。そして小さな液晶を付ける代わりにミラーを取っ払う。これがEVFのミラーレスというわけです。
FUJIのカメラがその代表例なのですが、
ミラーがない分センサーが剥き出しになりますが、ミラーがないのでボディを薄くできるというわけです。
小さな液晶を備えたことで、OVFと同じように光の侵入を抑えられる、覗きながら撮るというスタンスは維持できる、OVFよりも小型なので全体的に小型化できるというわけです。
ただし、このEVFも、やはり電気的な信号処理が必要なのでタイムラグという点ではOVFには敵いません。が、近年はだいぶ改良も進んで画質も上がってきて少しずつ早くなっているというわけですね。
昔からのカメラ好きの人はOVFがよかったり、デジタルカメラ世代の若い方は小さなデジカメ、その間をとってEVF付のミラーレス機であればその中間層にも違和感なく使えると思います。
カメラも色々と多様化が進んでいるということすね。
少しはファインダーのことが理解できましたか?





