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今日は仙台空港から神戸に帰る日。
山形から仙台に戻るルート上に蔵王があります。
蔵王といえば、御釜。
高校時代の修学旅行で御釜のエメラルドグリーンを見て、こんなにも自然の中で美しい場所があるのかと、わたしのなかに深い印象を刻みつけました。

それから、うん十年…
また、行きたい。
あのエメラルドグリーンを死ぬまでにもう一度見たいと思っていました。

前回東北に来たときも、行こうとしました。
だけどあいにくのお天気で挫折。
今回も、初日に御釜→米沢の計画を立てていましたが、お天気が悪くて諦めました。ガスに覆われていたら見えないからです。

そして、今日。帰り道だからとダメ元で出発。ダメなら蔵王の名湯につかるだけで、いいや、と。

その前に…
わたしが泊まった朝日町には「空気神社」があるので立ち寄らねばなりません。

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パンフレットによれば、「澄んだ空気に感謝する世界に一つだけの神社」
「空気神社は、環境をテーマにしたモニュメントです。空気の恩恵に感謝し、敬愛の心を育むために建立されました。私たちの美しい地球を守り、次代へ引き継いでほしいとの願いが込められています。」とのこと。

美しいブナ林を歩いていくと、「木火土金水」…この世界の基本、シンプルな五行のモニュメントがあります。

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最後の「水」で清めます。
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そこに現れたのが、木々と空を映す5m四方のステンレスの鏡板。
あいにくの雨風で表面は汚れていましたが、それでもいきなり世界が反転したような光景は不思議です。

神を祀らない宗教法人ではない神社ですが、そこには、聖地と同じ静謐で透明な空気がありました。朝日町の美しい自然を大切にしようという地元の人たちの想いが集まって存在することは、古くて新しい神様とのつきあい方…生きとし生けるものすべてに神性を見出してきた日本人のあり方なのではないかと思いました。

そして、一路蔵王へ。
高校の修学旅行では、観光バスからおりてかなり歩いたというあやふやな記憶があります。

今回は、途中からリフトに乗りました。ひやりとした空気の中、丈の短い高山植物を見ながら山肌に沿ってのぼるのは、爽快でした。

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でも、なんとなく雲行きが怪しい。
ちゃんと記憶にあるエメラルドグリーンは見られるのか?
不安でした。でも、わたしの願いが通じたように、厚い雲が割れて、御釜の上だけ青空が!

いちばん最初に見た御釜が、トップの写真です。

ただただ嬉しかった。
記憶にあるより、大きく見えました。

そこから、御釜に沿って左の方に歩いていきました。また、趣きの違う姿に会えました。

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奥の黒く見える削り取ったような地層の模様が、また素敵で、エメラルドグリーンにうつって色に濃淡を与えています。

高校のとき、見たのはトップ画像から右上に行った高い位置から見た御釜だったような気がします。
こんなに大きく見えませんでした。
とにかく広くて、見る場所によってまったく趣きが違うことを今回知りました。

何十年も変わっていないように見える御釜は、もしかしたら千年単位で、水が干上がることもなく、そして大雨が降っても溢れることもなく、ここにあり続けたにちがいありません。

そして、わたしが死んでも、さらに千年単位であり続けるでしょう。
なにものも、近寄らせず、ただそこに生きてある。生きているから、変わらない。

感無量。

山をくだり、遠刈田にあるソーセージと蔵王の地野菜を食べられるレストランへ行きました。途中濃い霧に包まれて走りました。
御釜の晴れ間はありがたかったです。

その後遠刈田温泉の源泉掛け流しの銭湯でとろりとしたお湯を楽しみ、仙台への帰路につきました。

蔵王の御釜は宮城県ですが…
山形県、奥が深いです。
見どころも半端じゃありません。まだ、羽黒山、月山も行けていません。酒田も北前船で栄えた土地ならではの面白さがありそうです。

再度、山形県チャレンジ決定。

おしまい。
長々と読んでくださった、皆様、ありがとうございました。