山形での宿は、朝日岳にあるAsahi自然館です。何となく、山形県の真ん中辺りにあって、米沢や湯殿山に行くのも便利そうだなあ、と思って決めました。
朝、起きて外を見ると、山肌に雲がはりついていました。風がないからか、まったく動きません。不思議な景色でした。
今日はお天気がイマイチだろうという予測のもと、山形といえば外せない、歴史ある米沢へ向かいました。
米沢へ向かう道中、道路標識に「古代の丘」と書かれているのを見つけて、急遽行くことにしました。フリーの旅の醍醐味ですね。
ひとは願いごとがあると何かにすがろうとするが、このことはいつの世にも変わらない。縄文人は粘土で人形のようなものを沢山作っているが、それらは祈りとかかわるものでこれを土偶と呼んでいる。
だそうです。
土と水と火でできた、シンプルなのにユーモラスで作った人の感性を肌で感じられる土偶は、性別を超越した精霊が具現化した姿なのかもしれません。
各地で見つかった土偶は、1万5千体ですが、実際にはその数倍あるだろうとされています。
ひとつひとつ特徴のある土偶を見ていると、何千年(?)も続いた縄文時代の人たちの心の豊かさや、自然に対する崇拝の念を感じます。
いま、わたしたちが必要なのは、もしかしたら縄文時代の精神性ではないかな、と思いました。
次に向かったのは、縄文時代とは真逆な世界。戦国時代を生き抜いた上杉家の廟所です。
真ん中の立派なところは、上杉謙信が眠る場所です。越後から米沢に移されたそうです。
上杉謙信は、米沢ゆかりではありませんが、上杉景勝や上杉鷹山の偉業が今も息づいています。
鹿児島では、島津家がいまだに殿様だと肌で感じました。平泉では、いまだに藤原氏が生きているかのようで、源頼朝が憎まれています。
いつも地方では、戦国武将や歴史上の人物が普通に語られます。米沢では、上杉景勝…だけでなく、直江兼続の人気がすごいです。それは、お酒やお土産に現れていました。
米沢と上杉家の関係について、勉強になりました。
そこから、秘湯とされる白布温泉へ向かいました。
白布温泉は開湯1400年の歴史ある温泉だそうです。
こんこんと1400年も湧き続ける60℃のお湯は、本物の源泉掛け流しで、加温、加水まったくなしで、とうとうと流れていました。
昨日疲れた足が、ほぐれました。