おはようございます。
昨今の時計店のパトロールや時計屋さん散歩をしていて気付いた事。
日本の腕時計ユーザーの商品を見る眼力が鋭くなっていること。
箱、保証書有、だけでは今は玄人ユーザーは腕時計を買わないのです。
個体評価。
その方法は様々。
ロレックスで言えばラグの太さ、ブレスレットの伸びの少なさ、文字盤のコンディション。
勿論ヴィンテージになれば冊子や細かい付属品の
有無も購入を決める決め手になりますしね。
20年前ぐらいのセミアンティークならいかに現行品の様な美しい状態であるか、逆にこの年代のものは美しい状態であれば
「10万円高くても売れる」
と言い切ってもいいぐらいに個体差による売れ行きの差が発生しています。
特にGMTマスターの16710と16700は個体評価がきめ細かく分かれる時計であり、
・ベゼルカラー
・退色度合い
・夜光塗料
・夜光針が多いので、針交換の有無
・GMT MASTER IIの「II」の書体。
・ベゼルシールの純正品か社外品か?
↑実はこのベゼルシール社外品が結構あります。数字の下の部分が切れてるのは要注意。12時位置の三角形の模様の大きさもリファレンスごとに覚えれば看破材料になる。
と通常のスポーツラインより見るとこ多目です。
そしてロイヤルオークやノーチラスもロレックス程では無いにしろ個体評価進んでますね。
特にロイヤルオークは当初の仕上げが美しすぎるせいもありまして、下手な磨きが入っている時の商品価値の下落は激しい。
この2つのロイヤルオークはノンポリッシュ。
このサテン地の模様を覚えてしまうのがベストです。
白と黒の粗めのストライプの様な感じ、磨きが入ると黒みが強くなり、サテンの目が細くなるイメージです。
年代ごとにロイヤルオークは発色良くなるので現行品のノンポリッシュはもっと白くて明るいサテンです。
ちなみにロイヤルオークのエクストラシンは2017年からマーク3仕様へ。
バックルの仕上げと、とある部分が仕様変更したと思われますが、確定かどうかはわからないので確定したらロイヤルオークエクストラシン世代別まとめ記事書きます。
という風に腕時計にお金を使うユーザーの知識と検分は販売店のスタッフを越えるレベルに達してきています。
というより昔からプロみたいな人はたくさんいましたが(笑)情報の氾濫によりそういう方々が増えたというのが正しい表現でしょうか。
ただ腕時計というのは身銭を切って学ぶものです。他人の情報で語る時計は薄っぺらいというのも私は感じますが。
かつての安かろう、悪かろうの品質でも保証書があれば売れた時代から、
・個体の良さ
・箱保証書の有無
・年代による特徴
腕時計市場はこの3本柱を軸にした総合評価時代へ。
日本の腕時計市場は過渡期を越え、より成熟した時代へと進んでいます。
嗜好品の枠を越え工芸品や美術品のステージへと進む腕時計。
日本の腕時計市場とユーザーが世界の時計先進国として認知される日も近いかと。
後はアメリカ、ヨーロッパに比べて情報交換のコミュニティがもう少し強くなると面白い。
私も人から学ぶことは多く、時計好きの方と食事をする度に1つ知識を頂きます。
とまぁ堅苦しくなりましたが、言いたいのは日本の腕時計の市場のレベルが上がっている様に感じたという単純な感想です(笑)
それでは今日はこのあたりで。
ではまたー。