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 フィギュアスケートネタです。

 3月2日付の朝日新聞の不定期連載の「真央らしく」を図書館まで行って、コピーしてきました。
 写真は、新聞をコピーしたものです。
携帯電話のカメラなので、解像度が悪いです。


 この記事を読んで驚いたのが、浅田真央さんが批判的なことを
ここまで発言する人だとは思いませんでした。


 雑誌「Number」には、よく、浅田真央さんのインタビュー記事
「独占、特別インタビュー」なんてタイトルで、載っていますが、
インタビューといっても、実質は宇都宮直子氏が記事を書いています。

 ほかの選手のインタビュー記事が載る場合は、その選手の言葉がそっくりそのまま載っていますが、
浅田真央さんの場合は、宇都宮直子氏が記事を書いています。

 だから、今回の「真央らしく」の記事は、担当は「構成・坂上武司」と書いているので、
(坂上武司氏は、『真央らしく』の担当記者)
ゴーストライター的な書き方をしているのかな、と思ったのですが。


 内容を全部書き写すのは大変なので、
(携帯電話のみで、文章の入力は大変なのです。
新聞のほとんど1面全部を使った記事ですから)
印象に残った部分だけ書き写します。
(もちろん、バンクーバーについて書いています)


「ショートプログラム
(SP)はトリプルアクセル(3回転半)ジャンプを含めて完璧に出来ました。
キム・ヨナ選手(韓国)と比べると、もう少し点数が近づいていても
良かったんじゃないかなと思っています」


「トリプルアクセルに関しては、もう少しGOE(出来栄えの評価)
の加点があっても良かったのにな、と思いました。
今の採点方式で一番気になるのは、GOEの基準です。
どんなジャンプを跳んだらプラス3になるのか、プラス1になるのか。
フィギュアはタイムがはっきりと出るものではなく、人が採点して決めるものなので、
その基準がよくわからなくなる。
日本に帰って、もう一度ジャッジの方々に聞いてみたいです」


 キム・ヨナ選手ともう少し点数が近づいても良かったのに、ということなので、
もう一度、ショートのビデオを見比べて見ました。

 まず、浅田真央さんとキム・ヨナ選手の得点と演技・構成点(PCS)と
GOEだけを並べて見ました。
要素の種類と順番は、二人とも、ジャンプ以外は全く同じなのですね。


浅田真央
TES 41.50
PCS 32.28
TSS 73.78

     BV  GOE
3A+2T  9.5  0.6
3F    5.5  0.2
LSp4   2.7  0.7
SpSq4  3.4  2.0
2A    3.5  1.6
FSSp4  3.0  0.5
SlSt3  3.3  1.0
CCoSp4  3.5  0.5
合計  34.4  7.1


キム・ヨナ
TES 44.70
PCS 33.80
TSS 78.50

     BV  GOE
3Lz+3T 10.0  2.0
3F    5.5  1.2
LSp4   2.7  0.8
SpSq4  3.4  2.0
2A    3.5  1.6
FSSp4  3.0  0.5
SlSt3  3.3  0.7
CCoSp4  3.5  1.0
合計  34.9  9.8


演技・構成点(PCS)

浅田真央 キム・ヨナ
8.25   8.60
7.40   7.90
8.40   8.60
8.10   8.40
8.20   8.75

合計×0.8=
32.28   33.80

GOE
9.8-7.1=2.7+
BVの差0.5=3.2

PCS
33.8-32.28=1.52

3.2+1.52=4.72

で、浅田真央さんとキム・ヨナ選手の差が、
4.72となるわけです。

 基礎点(BV)の差は、3A+2Tと3Lz+3Tの差、
0.5だけなんですね。

 GOEの点数だけを見てみると、大きく差が付いているのが、
3A+2Tの0.6に対して、
3Lz+3Tが2.0です。

浅田真央さんの3Fが、
0.2に対して、キム・ヨナ選手の3Fが1.2です。

そして最後のスピンが、浅田真央さんが0.5に対して、キム・ヨナ選手が1.0です。

 浅田真央さんが勝っているのは、ストレートラインステップの、
1.0に対して、キム・ヨナ選手は、0.7になっています。
勝っているのは、これだけなんですね。

 ビデオをもう一度見てみると、浅田真央さんの3Aは、完璧でした。
着氷のエッジも横を向いておらず、まっすぐでした。
 ただ、次の2Tが、着氷で流れが遅い、エッジが蛇行している、
などで、高いGOEが付かなかったのかな、と思うのです。
 いくら、3Aが完璧でも、コンビネーションだから、
2Tが悪いと、3Aも犠牲になってしまうのですね。
 3A+3Tだったら、早い流れで着氷できるのでしょうか。
2Tは、回転速度が遅いですからね。

 それから、キム・ヨナ選手の3Lz+3Tは、リンクの長辺で(60m)助走します。
浅田真央さんの3A+2Tは、リンクの短辺(30m)で助走します。
しかも、審判に対して遠ざかって行きます。

 浅田真央さんの
3A+2Tもリンクの長辺で審判に対して横向に助走したら、
高い点数がもらえるのじゃないでしょうか。

 次の3Fですが、浅田真央さんの3Fは、
回転不足気味だったということなので、0.2だということですが。
スローで見てみると、確かに、80°位の着氷です。

 着氷の角度でGOEを付けるのなら、キム・ヨナ選手の着氷も、まっすぐではなく、
60°ぐらいだったので、0.6ぐらいのGOEにしてもいいのでは。


 最後のスピンの差は、なんでしょう。
キム・ヨナ選手の「バキューン」のポーズの差ですかね。
 でも、あれは、技術点に関係ないはずです。
 浅田真央さんは、両手を広げてスピンする、ピーターパンスピンをやっているのに。
両手を広げてスピンをすると、回転が遅くなってしまうのです。
それをやっていますからね。


 PCSは、5項目すべてで浅田真央さんが負けています。

 技と技のつなぎで、浅田真央さんは、イーグルひとつだけですね。
キム・ヨナ選手みたいに、一旦止まってポーズを決めるというのは、
浅田真央さんにはひとつもありません。

 キム・ヨナ選手の一旦止まって行うポーズは、
レイバックスピンの後に、両手を広げて
「ウッフン」というポーズ。
そして、ストレートラインステップの途中で、指を鳴らすポーズ、
そして最後の「バキューン」のポーズです。

 演技が始まる一番最初に、腰をくねらせるポーズで、色気を出していますから、
審判たちは、キム・ヨナ選手の色気にまいってしまったのかな。


 GOEの基準が分からない、ということですが、減点の基準は、はっきりしています。
たとえば、ジャンプの着氷で、片手お手つきで、-1点、
両手お手つきで-2点、転倒で-3点というように。
 しかし、加点の基準ははっきりしていないのです。

 ジャンプの加点の基準は、8つある加点のガイドラインのうち、
2つあれば+1、
4つあれば+2、
6つあれば+3、となっています。

 その8つというのは以下の8つです。

1予期せぬ入り方、創造的な入り方、難しい入り方でジャンプに入る。

2ジャンプの直前まで、はっきりしたステップ/ムーブメントを行っている。

3 回転中に変形ポジションを取っている。飛び上がってから回転を始めている。

4高さ、飛距離が良い。

5ランディング時に手足がよく伸びている。創造的な出方をしている。

6コンビネーションやシークエンスも含めて、ジャンプに入ってから出るまでの一連の流れが良い。

7ジャンプをたやすく自然に行っている。

8音楽と構成がジャンプによく合っている。


 減点のように、こうなったら+1点、こうなったら+2点というように、
はっきりしていないため、これは、ジャッジの主観になりますね。



 私の主観ですが(私の勘ぐりです)、
審判たちは、キム・ヨナ選手を優勝させなくてはいけないので、
フリーで、浅田真央さんの方が滑走順が後だったので、
浅田真央さんに高い得点を出されては困ると思って、
滑走順が先だったキム・ヨナ選手に、浅田真央さんも越えられない高い得点を出したのでは。

 ところが、浅田真央さんは、ジャンプでミスしたため、たいしたことなかった結果になった。

それで、キム・ヨナ選手の高い得点が目立ってしまう結果に。

 もし、浅田真央さんとキム・ヨナ選手の滑走順が逆だったら、
キム・ヨナ選手の得点は、あそこまで高くならなかったと思うのです。

 つまり、審判も、キム・ヨナ選手を優勝させなくてはいけないので、
浅田真央さんが怖かったということです。