引き締まる思い | It's a small WORLD!

引き締まる思い

数週間前になりますが、アフガニスタンで復興支援活動に従事していた日本のNGO職員の方が

殺害されるという悲しい事件がありました。


以前、アフガニスタンで働いていたということもあり、心配してくれた友人のみんな、ありがとう。

スーダン南部は比較的治安は落ち着いていて、特にインターナショナルが狙われる事件というのは

非常に少ないです。


しかし、このような痛ましい事件が起きると、同業者であらゆえに身が引き締まる思いで一杯です。

他方、援助関係が狙われるから、

①援助を止めるの(撤退する)のか

②関係なく援助を続けるのか

これは単純な2択ではありません。


そもそも、紛争後の国で活動をしようという団体ないし人は、何か起こるかもしれないというリスクを

意識していない訳がありません。

従って、十分なセキュリティ対策を取っていたとしても、こうした事件はある意味想定の範囲であるはずです。

もちろん死者を出すこと自体を想定している訳ではないにせよ、なんらかの形で武装勢力や政治的グループに狙われるかもしれないという事態は、考えているはずです。


私とて、何も起こらないのが当然と思っている訳ではありません。

南部スーダンだって、いつ武装勢力が現在の和平プロセスに不満を抱いて治安を脅かすかわかりません。

2009年の議会選挙で、南の声がスーダンの国会に届かないと言って暴力という手段によって不満を爆発させる事態にならないとも言い切れません。


だから、同様な事件が例えスーダンで起こったとしても、撤退するという選択肢があるかどうかは疑問です。

平和の定着のため、復興のために働いている以上、逃げたらただの「部外者」で終わってしまうと思うのです。

和平合意が結ばれ、平和が訪れたから仕事でやってきた。でもリスクが高すぎるから、それを払ってまで

任務を遂行するのは勘弁…といって逃げてしまったら、どこまで自分の任務にプロ意識を持ってやっているの?という話になると思います。


行ってはならない地域、行くにはクリアしなければならない条件がある地域(例えば軍のエスコートをつけるとか、現地スタッフを同伴させるとか、夜間には行かないとか、服装に気をつけるとか)に配慮し、何か起こった時の対処法を事前に用意をすることくらいしか、できることはないと思っています。

そして、リスクを負えないのであれば、そもそもその仕事を引き受けないこと。


そういう意味では、犠牲になった方が働いていたNGOの姿勢は、とても首尾貫徹していると思います。

何があっても、住民が裨益することのために活動する。

事件があったから、アフガン人を憎むとか撤退するとか縮小するとかは全く考えていないとのこと。


改めて、私はそういった危険な目には全く遭うことなく日々勤務しています。

でも、万が一そういった事態が起きても、おじけることなく、任務を遂行したいと思っています。