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ネパール・ニュース2

選挙まで2ヶ月をきったネパール。

さて、ここ2~3週間どんなことが起こっているのかまとめてみます。

ニュースダイジェストの2回目~。

(ネパール情勢の背景は以前の記事①② をご覧ください。)


4月10日に選挙を控え、各政党は2月20日までに候補者を選挙員会に提出することになっていました。

期日までに候補者を提出したのは、登録してある74政党のうち37のみ。

主要7政党はもちろんのこと、マオイストのネパール共産党も候補者を提出。

タライ地域の政党の多くは、数日前に宣言していた通り、候補者リストを提出しなかった。

また、親国王派政党であるRPJも選挙ボイコットを表明。


彼らは、タライ地域の自治権や議会での半分以上の(人口に見合った)代表、かつて命を落とした殉教者の

の遺族への十分な補償等6つの要求を掲げて、2月13日よりネパール各地でストライキを実施している。

ストライキは激化し、警察とデモに参加する市民との間で衝突が起き、これまでに2名の死者そして多数の負傷者を出している。


首相や平和・復興大臣、主要7政党はマデシの政党との対話を何度も呼びかけ、また選挙へ参加を求めてきたが、これまでの対話の中で具体的な解決策は出されず、コイララ首相が自治権は認められないと発言したのを

きっかけに、マデシ政党の選挙への参加の道が断たれたと言える。

マデシ政党の不参加は、ネパールの人口の多くの政治的意思が反映されないことを意味し、

選挙が実施され新しい制憲議会が成立したとしても、一悶着あるのは避けられないだろう。


タライ地域住民の政治的意思を代表しているはずのマデシ政党。

果たして多くの住民が選挙不参加を望んでいるのだろうか。
選挙不参加は、議席獲得を放棄していることになり、住民の意思を国政に反映させる術を失うことになる。

選挙を通じて議席を獲得し、制憲議会の場で自治権を主張することの方が現実的ではないだろうか。


やはり、どの国も政治化は権力を握りたいものなのだろう。

本当に民意を反映したいのであれば、マデシ政党は選挙で真っ向から闘うはずだ。

でも実際は、選挙ボイコットを表明し、ストライキ10日目突入。

教育機関やマーケット閉鎖はもちろん、主要道路もバリケードによる封鎖され、curfew(外出禁止令)

も課されているため、住民は燃料・日用品不足に悩まされている。

テライの住民はマデシ政党のアジェンダ達成のための痛みを分ける覚悟をしているのだろうか。

一部の報道では、テライ地域では治安情勢を理由に選挙キャンペーンが実施されていないため、

4月10日の選挙に対する十分な理解がされていないとも言われている。

だとすると、住民はいわばマデシ政党の盾として利用されているといっても過言ではないのではないか。


選挙まで2ヶ月を切り、マデシ問題が一番の不安要素であるが、それに加えてマオイストの青年グループYCL

(Youth Communist League)も数週間前に主要7政党の1つであるネパール議会(NC)の要人を攻撃したり

NCの選挙キャンペーンを妨害するなど、マオイストの親元ですら青年グループの行為を制御できていない。


まだまだ雪深いはずにカトマンズ。これからも熱い選挙情報から目が離せない(?)。