※私はネタバレで文章を書いてるので、通常は試写会で事前に見た作品も、映画公開日以降にUPしています。しかし、このたびはブロガー試写会の趣旨と、監督と主役の舞台挨拶があったことを踏まえて、公開日は1か月くらい先ですがUPします。
ジミー・ツトム・ミリキタニ、80歳。日系アメリカ人の彼は、NYに住むホームレスで画家。生まれはカリフォルニア州のサクラメントだが、広島に住んだ経験もある。第2次世界大戦が始まったとき、彼は日本人だと言う理由で強制収容所に入れられ、アメリカ国籍を剥奪される。それ以後、彼はアメリカ政府を信頼せず、絵を描きながら平和と原爆の恐ろしさを訴えていた。
監督のリンダ・ハッテンドーフは、ミリキタニと一緒に暮らしていた経験を持つ。それは「2001年9月11日」以降の数か月間だ。
ミリキタニの目には、テロも戦争も同じように映った。そして、大戦のときの日本人に対するものと同じように、アラブ系アメリカ人の排斥に胸を痛める。この国は何も変わってないと。
アメリカ市民権を拒否し、「社会保険なんていらない。ほっといてくれ」と言い放つミリキタニに、リンダは根気よく申請するよう働きかける。私は不思議でたまらなかった。ミリキタニが拒絶したくなる気持ちも分かる。それが彼の意志なら、放っておくべきじゃないか?と。
それで、映画鑑賞後に舞台挨拶に立ったリンダ監督に直接質問した。彼女は答えた。「彼の失った60年間分の信頼を修復したかった」。
他人のために、どれだけの人がここまで出来るだろう?でも、彼女にとってミリキタニは家族同様の存在であり、年寄りだからと言って生活を諦めるようなことを認めなかった。幸せになるのに遅くはない。幸福を追求する権利、そして、アメリカと言う国を信じてる。
ミリキタニは、新しい住まいと仕事、そして仲間を得た。リンダのおかげで姉や親戚とも再会を果たす。
「もう怒ってはいない。ただ、記憶の中を通り過ぎるだけだ。」数十年ぶりに強制収容所を訪れたミリキタニは語る。憎しみと怒りに任せて過ごすには、人生は長すぎる。ミリキタニの反骨精神は、NYのホームレスと言う舞台から、別な新しい舞台で発揮されてゆく。舞台挨拶に立った86歳のミリキタニとリンダを観て、幸せな気持ちになった。
アメリカ、日本と言う国籍を超えて、人を信じたくなる。○○人であるかと言うのは、生きてゆくうえで必要ではない、そんな時が来れば、戦争もなくなるのではないか?と思う。
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