白バラの祈り(05・独) | no movie no life

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・・・映画を見て思ったことをツラツラと。ネタバレです。

かなり昔に書いたのも。

待ちに待った上映。ギリギリで映画館に着いたらすでに1列目しか空いていない。昔「バック・トゥー・ザ・フューチャー3」を見て以来の1列目。やはりちょっと首が・・・

上映期間は1週間、1日に1回の上映。しかしながらやはりこのような映画には自然と人が集まってくるのだろうか。



昨日の夜「ヒトラー~最期の12日間~」をDVD鑑賞したばかり。本作と対照的な作品と呼べるだろう。



反ナチ組織「白バラ」の紅一点、21歳、ゾフィー・ショルの最期の5日間。

19422月。政権批判ビラを大学で撒いたために、兄と共に即ゲシュタポ(国家警察)に連れて行かれた。取り調べ、拘束、裁判、死刑の確定、処刑。その間4日間。



目が釘付け状態であった。ビラを大学で撒くシーン、尋問のシーン、裁判のシーン、そしてラストの処刑まで。事実こそ、重いものはない。



Age is just a number.

この言葉を思い出さずに入られなかった。21歳の若い女性であると言うことに、尋問する人間さえ戸惑った。未来ある若い女性に対し、同情した。「兄に頼まれてやったことなんだろう?」しかし彼女はそれを突っぱねる。

彼女は、この映画に出てくるどんな人物よりも強かった。何よりも自分の良心のためにしたことだと。ナチス政権は間違っていると。



拘留中、同室になった女性と話すシーンが時々ある。

「明日裁判なんて早すぎるわ」

「裁判は公開?」

「もちろん」

「良かった、より多くの人間に訴えることができる」

「刑は確定しても、99日間は執行猶予があたえられるわ。お願い。決して自殺はしないで」

ゾフィーは、自分たちの行動が、学生たちや良心を失っていない人々をきっと動かすと信じた。



しかし、法廷に集まった人々は皆「ハイル・ヒトラー!」と叫ぶ軍人ばかりだった。

兄と、組織の仲間1人と、被告席に着く。

弁護人はいても名ばかり。弁護する言葉はないと言う。

そこでも彼女は自分の信念をとうとうと話す。執拗な裁判官の攻撃にも負けず。

そして、「刑を確定する前に、被告人に最後の弁明の機会を与える」との裁判官に対し、

「あなたがこの席に立つ日がきっと来る!」と叫んだ。

ここで、私は泣いてしまった。



死刑が確定してからは早かった。「今すぐ別れの手紙を書いて」との看守の言葉に呆然とするゾフィー。「今?」99日間の猶予はなく、即処刑されるという。牧師が来て、両親が面会に来た。「お前のやったことは正しい」と父が言う。そして、女性看守に呼ばれ、「本当は規則違反なんだけど」と言って、ゾフィーに1本のタバコとマッチを渡し、同じく処刑される兄と仲間の1人に会わせてくれた。3人でその1本のタバコを吸い、抱きしめあう。「死など恐れない」。

(この映画でもタバコがでてくる・・・)



最初にゾフィーが呼ばれた。

一瞬、太陽の光に触れたゾフィー。「太陽は光り続けるわ。」

処刑方法はギロチン。そこからは漆黒で、音だけが響き渡る。



彼女は強かった。

しかし、ひとりになったときだけ、彼女は21歳の女性に戻る。

尋問中、死刑かもしれないと悟り「トイレに行かせて」と言う。その顔を映す鏡には、恐れの表情が映る。

刑が確定し、自室に戻ってすぐ、嗚咽ともならぬ、叫び声を上げる。

彼女は、信じていたのだ。

もう少し時間が経過すれば、この狂気の世界に気付き、皆立ち上がる日が来ると。

連合国がドイツの暴動を食い止めると。

連合国の空襲を、まるで美しい花火のように見つめていたゾフィー。



しかし、執行は猶予されなかった。



終戦は、ゾフィーの処刑から3年たった、5月のことだった。



「ヒトラー~最期の12日間~」レビュー