2019年7月22日(月)午前8時58分 宮城県遠田郡美里町/小牛田駅

28.小牛田9:07発→鳴子温泉10:04着 普通4725D/新庄行き キハ110-241
回送されるように入ったのは、単行車をつないだ2両。陸羽西線(奥の細道最上川ライン)向けとされ、窓の下は黄色く塗られている。JR以後の気動車にして、車内に入れば思いのほか床が歪んでいる。
もも「…何、さっきのがよかったって?」
さく「さっきのがアレだけど、石巻で来るよりいいでしょ。」

余裕でボックスシートにありついた後、そこそこ埋まる程度で発車。しばらくは水田地帯が続いているが、写真写りの良しあしがどうもしっくりこない。
なぎ「それ…、設定いいのか?」
めぐ「あんまり動かして変にしたくないの。」

古川が近づくと家々が多くなる。やはり新幹線の駅があるからには、それなりの需要なりあったりとか…。
さく「ここだったら、座れるかは別として。」
めぐ「座りたいよ。」
もも「アンタまたそういう。」

在来線ホームは1面2線の島式となっており、新幹線の接続を有しつつシンプルにまとまっている古川。周囲にそこまで店々は多くなさそうだ。
なぎ「お前は何に期待してんだよ?」
めぐ「まあ、…仙台と比べちゃダメだけど。」

古川で乗客が少し入れ替わって発車。しばらくしてまた建物が少なくなった沿線。上をまたぐ高速道路は東北自動車道でいいだろうか?
もも「言わないったでしょ、こういう。」
さく「多分東北でいいんじゃない?」

東大崎を過ぎても景色は田畑の広がるもの。ただ次第に山へと分け入るようで、次第に雰囲気は変わってきているらしい。

有備館付近になって、ようやく山らしい景色となってきた陸羽東線(奥の細道湯けむりライン)。相変わらずの雨模様なためか、肝心の写真はうまくならないようだ。
さく「ってか、カーテンなくない?」
めぐ「あ…、ないね。」

池月はかつて2面3線式だったであろう痕跡が見られる。調べたところ当時は貨物用だったようで、旅客用途としては現在と同じく1面2線式でまとまっていたらしい。
もも「今あんなのいらないぐらいでしょ。」
なぎ「完全に畑にもしちゃってるだろうから、もう無理だろ。」

国道47号と並走する奥の細道湯けむりライン(陸羽東線)。川渡温泉など"温泉"が駅名に入り、いよいよ温泉郷へ進んでいく。
もも「一応いうけど…、鳴子温泉から変えるってない?」
めぐ「鳴子温泉で変えないよ?」

鳴子御殿湯の次が鳴子温泉となるように、それらしい雰囲気も出てきた。山にかかる霧が何とも言えず美しい。
さく「…温泉の湯けむりじゃないんだよね?」
なぎ「温泉のじゃないだろ、山の中いっぱいじゃ。」

小牛田から乗ること57分で鳴子温泉に到着。かつて陸羽東線で快速『湯けむり』が運行されており、この普通は名残を残すかのように数少ない定期直通列車となっている。
もも「なのに降りるってらしくない。」
めぐ「だって温泉…、入りたいじゃん?」
路線中の主要駅とあって、2面3線式という立派な造りをなしている。ここで3時間、温泉と共に何ができるか…。

改札を出たところ。何やら円形競技場のスタンドのように段差があり、敷かれた座布団が座席になっている交流スペースとなる。ひとまずは少々の休憩だ。
さく「本当これ、3日連続で。」
めぐ「ごめん、トイレ。」

時間を多く確保したため、トイレに入るのも余裕たっぷり。休憩を経て外へ出れば、温泉の駅らしく足湯が設けられていた。他、温泉郷となる周辺の図が路線と共に表記されている。
もも「…何、変な画とか期待してんの?」
なぎ「…画になるのって誰だ?」

もちろん全景像を収めるのを忘れてはならない。2階建ての駅舎はそこそこ大きく、地域交流施設や観光案内所を併設しているもの。
さく「じゃあ、行こうか。」
めぐ「温泉待ってるからね、温泉。」

温泉街を回らずして、鳴子温泉へ来た意味はない。所々湯けむりが上がっているのもまた、ムードを盛り立てる。
もも「今日って月曜よね?人もそんないない。」
さく「静かに回れるし、いいでしょ。」

商店街も見て歩きたい。駅にあった温泉の観光案内地図を持ち出しており、目を通したところでは飲食店があまりなさそう。
なぎ「温泉待ってるんじゃなくって?」
めぐ「入って出て、昼も考えたいのよ。時間ここしかなさそうだし。」

路地のように狭い階段が、ひっそりと佇んでいる。ここを上がれば早稲田桟敷湯にたどり着く。
さく「これはわかんないよ。」
もも「結構急よね…。滑って転ばないことを。」

今回来るにあたって、あらかじめ目を通していた日帰り入浴。この早稲田桟敷湯は"共同浴場"らしからぬ、モダンな外装を有している。ただ建物が完成して年月が経過しており、少々傷みも目立っていた。
めぐ「…どこから入ったらいい?」
さく「あれ、入れるんじゃなくって?」
2階部分から階段を降りて入口となる。シャンプーは備え付けがなく、ドライヤーも100円のレンタル式。ネットカフェで購入していた5点セット、タオル,ボディスポンジ,シャンプー類はこのためだったのだ。歯ブラシは持参していたので、セット内のモノは持ち帰ろう。
もも「本当、そういうのは計算してんだもん。」
めぐ「まあ…、なかったら困るし。」
(つづく)
鳴子温泉について、最新の営業状況等については各自お調べいただければと…。
