ここ数年、「性加害」のニュースを目にすることが多くなってきたと感じる。

海外のニュースだけでなく、日本のニュースでも報道されるようになってきた。

 

元自衛官・五ノ井里奈さんが、陸上自衛隊内で性被害にあったと訴え、昨年の暮れに加害者である元自衛官へ有罪判決が下されたことは記憶に新しい。

 

性加害問題は、社会問題の一つではあるが、近年、エンターテイメント界にも、この問題は広がりをみせている。

 

これまでにもエンターテイメント界による性加害・性被害問題は数々取り上げてこられてきたが、昨年メディアを大きく騒がせた大手芸能事務所「ジャニーズ事務所」の創立者の故・ジャニー喜多川による性加害問題は、日本のエンターテイメント界に大きな衝撃が走った。

 

イギリスの公共放送BBCが制作したドキュメンタリー番組に、故・ジャニー喜多川氏を、セクシャルプレデター(性犯罪者)としてこのテーマを取り上げ、その後、元所属タレントによる外国人記者クラブを相手に会見を行われたことから、事態はどんどん拡大。国連人権理事会が調査に入るなどの事態となり、結果、ジャニーズ事務所を解体するまでに至った。

 

そして、昨年の暮に、週刊文春により取り上げられた、大人気大物お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志による性加害報道。自身のXに事実を完全否定、所属事務所である吉本興業も事実無根てあるとコメントしていたが、文春と裁判で争うことを理由に芸能活動を自粛することを発表した。

大物お笑い芸人による性加害報道と突然の芸能活動自粛のニュースは、ショッキングを与えたに違いない。

 

この2つの性加害報道には、確か衝撃的なニュースであることには間違いないが、裏には違った空気も共存している。

 

それは、「沈黙されていたの世界」がついに明かされたという事実。

 

故・ジャニー喜多川氏による青少年愛疑惑は、長年、ファンの間まだらぬしも、巷間の話題にもなっていた。

長年、未成年の少年ばかりを集めて少年ので構成されたアイドルグループを世に輩出してきたばかりに、このような噂がでてきもの不思議ではない。80年後半~90年代は特にアイドル絶世期の時代。メディアの中心はテレビの時代ともあり、ジャニーズ事務所のタレントを目にしない日はないといっても過言ではなかった。

今は、メディアの中心がテレビからインターネットに移行しつつあり、情報源は、SNSから拡散していくことが多い。メディアが、テレビ中心だった頃、故・ジャニー喜多川氏の「噂」をただの「ゴシップ」扱いするのは簡単だったのかもしれない

。タレコミや目撃情報などを、隠蔽するのも安易だった時代だ。そしてテレビ業界が、「ジャニーズ依存」だったが故に、その隠蔽工作に加担してたのかもしれないとすら思える。

20年以上のジャニーズをおっかけているといっている芸能リポーターでさえ、「知らなかった」というザマだ。そんなことはありえない。ありえたとしたら、彼らの「取材」は一体何だったのか。取材じゃなくただのストーカーではないのかとも思われてもおかしくない。「知らない」なんてことは、「取材」ではありえない。そんなのは「取材」とは言えない。

しかし、現代はごく一般の一人ひとりの意見、目撃談が出回る時代。さまざまな人がプラットフォーム上で意見をできることから一度起きた騒ぎはそう簡単には止められない。そして、浮上したこのジャニーズ事務所騒動。その時流れていた空気は、「ただ驚き」の他に「やっぱりな」っというような異様な空気もあったことだ。

 

そして、ダウンタウンの松本人志の事件。

ダウンタウンも90年代は、お笑い界のトップを走る存在であり、テレビでの活躍は、けたたましかったとも言える。自身らの番組を数本持ち、浜田・松本それぞれが、ピンで番組に出たり、テレビドラマなどに出演するなど、お笑い界を超えてマルチで活躍する姿がよく目立っていた。

それが故に、プライベートなことも派手だったとしてもおかしくはない。尼崎出身のお笑い芸人が、活動場所を関西から東京に移し、売れっ子となればそういった心が芽生えてしまうことはよくあることだろう。相方の浜田は、すでに既婚者であり所帯持ちであったが、松本の場合は独身だったので、身軽だったはずだ。

今の若い子が持つ松本のイメージは、金髪で筋肉を鍛えた娘に甘いパパ。コメンテーターなども務めたり、「子煩悩な松本さん」「尊敬できるお笑い芸人」「ダンディなパパ」という部分のほうが大きいのではないだろうか。

しかし、90年代の松本のイメージは、「夜の帝王」と言われてもおかしくないくらいの遊び人であった。

夜のお店では、「顔パスでも入れる」と言われていくらいの常連とあり、かなり派手な遊びをしていたらしい。

一生独身を貫くであろうと思われていたくらいだったので、結婚報道が流れたときは驚きの声が多かったくらいだ。

芋ずる式のように次々を出てくる松本の「被害者」の女性達。

「夜の帝王」時代のイメージを払拭して、善のイメージをつけてきた松本。松本を擁護する声や「驚き」や「ショック」と取られている一面の裏に流れるやっぱり流れるもう一つの空気

やっぱりな」。元「夜の帝王」の悪いクセはそう簡単には払拭できないようである。

 

松本人志の事件は、今後文春と裁判での争いに入る。どちらもお互いの主張を尊重し、争う姿勢を見せている。

今後どうなっていくのかが法の裁きによって暴かれていくものだが、真実を暴くのは非常に難しい性加害問題。

しかし、傷ついた人の心の傷はずっと引きずるものである。それを念頭においてほしい。ただそう思う。

 

by ステフ姉さん