『斯くして我は独裁者に成れり - 幕末 - On Stage』終演 | 夛華 正幸のHigh & Low

夛華 正幸のHigh & Low

俳優・インプロバイザー・アクターズカウンセラーの夛華 正幸のブログです☆

旧芸名:タカマサユキ、髙正幸

様々なことを呟いています。が、芝居関係多め。


昨日まで上演しておりました『斯くして我は独裁者に成れり - 幕末 - On Stage』全7公演無事に終演しました。御来場下さったお客様本当にありがとうございました!!写真NGがあるので一部加工してます










やっと体の疲れが取れてきたので振り返りつつ感想やらをつらつらと。今回は即興だけど役有りきの即興芝居でした。最初は自分自身の性格とかから維新志士かなあとか稽古の初期段階では考えてたんだけど全然上手くいかずモヤモヤ









稽古帰りに主宰のわっさんこと稲垣杏橘さんから「外人やってみてよー」となり電車乗りながら調べてたらトーマス・グラバーが出てきたので、次の稽古でグラバーをベースに役作りしてやってみたら、「だったらグラバーやれよー」となり、最終的にグラバーに落ち着きました(笑)










このトーマス・グラバー。調べてみると様々な角度から人物像が出来上がってるんですよ 。調べるまで全然知らんかった(笑)









『死の商人』なんて通り名がつくように西洋の武器を薩長に裏流しして倒幕派を支えていたり、かたや坂本龍馬が立ち上げた亀山社中の起業を助けてみたり、日本初の蒸気機関車を長崎で走らせてみたり、今のキリンビールの創始者の1人であったり。大活躍じゃん(笑)










なのでベースとしてボドゲルールにある運命の札的には維新志士やら黒船になるけど、「ビジネスが出来れば何にでもなれる」という利点があり幕府にも朝廷にも新選組にもなれるバイプレイヤーポジションでした(笑)










個人の初日だった23日㈰15:30の回では一の刻から幕府宣言者がグラバー含めて4人も出るという波乱のスタート。途中マキこと石巻遥菜ちゃん演じるおみつに港で武器の密輸をしている所を見たと言いふらされて銃を突きつけたシーン









稽古では完全なヒール(悪役)になることがほぼ無かったので本番で初めてヒールの立ち回りでした(笑)勝ち筋的に票が集まりにくくなってしまったからどうしようかなあとなったので残していた黒船(最終的に朝廷持ちがいなくて、かつ黒船所持が1人だったら勝ち)で勝とうと決意











正直黒船で勝つのはかなり博打なので、途中から場を荒らしまくって他のプレイヤーが思考しにくくなるように立ち回ってたけど、隣のサイモン玉城さん演じるジョン・カマーオが最後まで朝廷を所持していたし、もう1人黒船を所持していたあーちゃんこと伊藤綾佳ちゃん演じる睦人もいて残念ながら勝利出来ず










そして他の勝ち筋も発生してなかったので朝廷(他の運命札の勝利条件が充たされて無かった場合所持していたら勝ち。複数いた場合は最多得票者のみ)を所持していたジョン・カマーオの勝利でした







こちらが23日㈰15:30回の出演プレイヤーとオープニングアクト出演メンバー。オープニングアクトの殺陣はマジでカッコよかったよね!











そして24日18:00の大千秋楽回!出演プレイヤー8人中純粋な倭国の人物は4人。つまり異人が4人もいるという最初から「もうこの国の半分は異国に占領されてんじゃね?」疑惑なカオス回(笑)










左上の横舘氷魚さん演じるポルトガルの民 ミゲル・カストール、右上の中川亜紀子さん演じる蝦夷の民 カンナシュマリ、真ん中右の渡辺りえさん演じる清国の民 珠蘭、そして左下の僕が演じるイギリスの武器商人トーマス・グラバー









この回は全部の回含めて最もパーティーゲーム的なエンタメ要素ガッツリな公演だったと思います。他の回はめっちゃシリアスにもなってたし、インプロはシリアスもエンタメもやれるんだぞ!ってのをお届け出来たと思います。複数回観て下さったお客様には特にそれが分かるかなと









この回は武器商人とか幕府による政権がどうとか全く関係無かった回でした(笑)一の刻の終わりの時点でグラバーが幕府になると宣言して密談でもグラバー、ミゲル、珠蘭の3人になるという自体にw







この時点でグラバーに既に三票入ってたし、ミゲルは祖国に帰りたいって言ってたから船貸すよって言ったら握手もして仲間になってたし、珠蘭はすでにグラバーに惚れてたし。ここまではまあ分かりやすい展開だったが…










二の刻でasyulan演じる和宮親子(かずのみやちかこ)がこの国のクイーン(女王)だと理解したグラバーが敬愛の意味で手にキスをする。イギリス人は紳士の国だし当時はヴィクトリア女王が治める国だったから当然の行動をしたまで








そしたら和宮親子が「幕府になるのが男ならその妻になるのは妾じゃ」と珠蘭vs和宮親子の構図に。グラバーの取り合いになってこの国の行く末とか信念とかかなりどーでもいい展開(笑)でもお客様は楽しんでくれてたのがすごく分かったのでこのまま突っ走ることをプレイヤー全員の気持ちが決まった感じ










実は僕は珠蘭がグラバーに惚れてくれた時点で和宮様と恋愛バトルにしようとしてました(笑)出演メンバーが決まってそれぞれの役が決まってきて「そーゆーのもやってみたいよね」とは言ってたりしました。稽古ではそれぞれが参加出来る日が割とバラバラだったので1回もそのパターンはやったことなかったけどね









閑話休題。そしたら今度は仲間だと思ってたミゲルが「モテるやつは大嫌いだ!」とか言い始めてさらにカオスに(笑)次の投票でクラバーとして「ビジネスで考えた時に妻にするんだったら和宮様の方がいいよなあ」って考えで和宮様に投票したら珠蘭も嫉妬して対立にwカオスがカオスを呼ぶ展開(笑)







気づいたら真ん中下の小島啓寿さん演じる西郷隆盛、真ん中左の板橋徹さん演じる井上勝、真ん中上の伊豆原友美さん演じる山南敬助らとミゲル、珠蘭、カンナがタッグを組んで6対2の構図にw日の本の未来とか信念とかどこ行った??www









そしたら今度は和宮様が女心と秋の空とか言い始めて最後は7対1に(笑)グラバーどっちかと言えば被害者なんだけど勝手にみんなが加害者扱いしててさらにカオスにwでも投票数はグラバーが8票という訳の分からん状態









そして四の刻になり手持ちの運命の札はそれぞれ2枚しか所持してない状態でグラバーは幕府(投票数が単独首位で勝利)と維新志士(投票数がトップと1番少ない人がそれぞれいれば勝利。もしくは幕府の勝利条件が充たされていた時に取得票数が0だと暗殺勝利)を持ってました










ミゲルは「モテるやつは大嫌いだ!絶対俺の手で殺してやる!」と維新志士の暗殺勝利宣言してたし一緒に暗殺仲間を募ってたしそれに賛同する面々(笑)となるとグラバーは維新志士を残せば勝てたんですよ、実はね










だけど話の展開はグラバーが最初からの宣言通り幕府を残して暗殺された方が絶対に面白いし、お客様の興味もグラバーが何を持ってるのかに向いてたのが分かってたので敢えて棄票(投票の場合は何を捨てたか分からないが棄票の場合は棄てた札を公開しなければならない)して維新志士を棄ててやったぜ!と公言しました(笑)








お客様からも「おおー!」とか拍手とかあってエンタメショーとしては最高の盛り上がり方に進んでったと思ってます!このチョイスが後々みんなからも絶賛だったので選んで大正解だった☆










最後の五の刻で投票、棄票を選ぶ時味方は誰もいないんだろうなあと思ってたから、せめて珠蘭に殺されたいなあと思ってもう1人零票だった山南に投票したらまさかの新選組で味方だったという(笑)そんなムーブが全然無かったから分からなかったんだよなあ(><)









たらればを言うともし僕が山南に投票ではなく、西郷から棄票してれば幕府生きで暗殺しに来た維新志士4名を新選組山南が阻止するという神エンドになってたわけです。いやー最後まで希望を捨てちゃいかんなあということですよ(笑)









てなわけで無事に(?)グラバー幕府は維新志士に暗殺されました(笑)ミゲル、勝からは毒をガブガフ飲まされ

和宮様には生き血を吸われ

最後に珠蘭に簪で刺されて果てました(笑)









もうほぼ全てやりたかった展開で美味しい役どころだったので殺されるのに笑ってましたわwww好いてくれた女性に殺されるなら本望(笑)











素晴らしいショットばかりでたくさん載せたいが上限があるのが悔しいところ。最後に大千秋楽の終演挨拶。この写真神でしょ








終わってからプロデューサーのあまおち総統、音響のGinziさんやプレイヤーの仲間達からもあの状況下で『殺されるのが分かっていながら棄票で維新志士を開示した』選択を絶賛してもらって個人的に稽古から本番までを通して最高のムーブが出来たのでゲームには負けたけどショーとしては完全勝利したと思ってますヾ(๑⃙⃘´ꇴ`๑⃙⃘)ノ










すごく楽しかったし、今回の公演で「エンタメとはなんぞや?」とか「お客様と繋がるってどうゆうことなんだろうなあ」ってのを掴もうと考えてたのでひとつ答えを見つけることが出来ました









それは共演したしてない関係なく一緒に戦ったプレイヤーの全仲間達、制作スタッフの方々、会場のセガサミー様、プロデューサーのあまおち総統、音響のGinziさん、舞台監督であり親友の木原歩君、そして今回僕を呼んでくれたわっさんのおかげ









長々と振り返りにお付き合いいただきありがとうございました。読むの大変でしたよね?2ステ目が長かったのは記憶の問題です(笑)千秋楽がカオス過ぎたのでw










これでしばらく僕は出演を控えることになります。宣言通りひとり暮らし始めるからね。もうちょっとお金貯めないと心許ないので(笑)










今年は『十二人の怒れる男』から始まり続けて『斯くして我は独裁者に成れり』と立て続けでしたがどちらも恵まれた環境でお芝居をさせていただけて本当に嬉しく思ってます









素敵なご縁が続いていること。その事に感謝し仲間達とこれからも良き関係でいられるように様々なことに精進して参ります








拙い文書でしたがお読みいただきありがとうございました。次はいつになるかなあ。その時をお楽しみに☆






Thank You everyone!



トーマス・グラバー役
夛華正幸