天空茶会第二十二葉 京橋明治屋ホール 開催御礼 | 俳茶居

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       義仲寺や秋立つ空に塚二つ (呑亀〉

 

斬新なアイデアの表演茶藝の席

 

 2024年6月29日(土)、所属する日本中国茶普及協会認定インストラクター会主催による「天空茶会第二十二葉」が、中央区京橋の明治屋7階「明治屋ホール」にて無事開催された。おいで頂いたお客様に心より感謝の気持ちを伝えることとする。また明治屋ホールのスタッフの皆様に大感謝である。日本中国茶普及協会理事の皆様のご鞭撻に謝意を伝えたい。そしてそれぞれの役割を見事に果たしたスタッフ各位と天空茶会の無事の開催を喜びたい。

 天空茶会の茶席は、二人の淹れ手が順番にそれぞれのお茶を淹れるスタイル。それは最初の時から変わっていない。ベテランと組んだ新人の淹れ手デビューの試金石でもあるからだ。勿論中堅とベテランたまにベテラン同士のペアもある。今回も淹れ手デビューされた方が何名かいた。何度も見てきた光景だが、始まるまでの緊張感と無事務め上げた達成感が茶会の前後の表情に表れる。そんな新人達の光り輝く笑顔は誠によき眺めである。淹れ手デビューした人たちは最早新人ではない。研鑽を積みやがて後輩を指導する立場になって行く。「天空茶会は会派の背骨である」と言っているのは、その継続性のことを指しているのである。

爽風の席

 

 天空茶会は2011年6月に第一葉が稲荷町江戸からかみ「東京松屋」さん4階催事場でスタート、それから毎年6月と11月に同会場で開催され回を重ねてきた。コロナ禍で中断を余儀なくされた辛い時期もあった。そんな状況にも協会及びインストラクター会役員スタッフの強い結束力で乗り越えることが出来た。会場が今回から明治屋ホールになったことも大きな転換期を示唆しているように思える。6月初旬、浅草かっぱ橋にある中国茶のお店に天空茶会の宣伝葉書を置かせてもらいに行った時、その足で稲荷町の東京松屋さんに立ち寄りご挨拶することが出来た。ご夫婦ともお元気に一階でお店番をされていて、天空茶会の新しい開催場所など話をすると、それはよかったと喜んで頂けた。14年間21回の天空茶会の会場を提供してくれた松屋さんに感謝の気持ちを伝えることが叶い安堵した。

萌葱の席

 

 天空茶会の新時代がスタートしたと実感した。開催場所が変わったことが大きい。東京のど真ん中から天空茶会の新時代が発信され続けることを祈ることとする。インスト会役員そして今回のスタッフの皆様お疲れ様。

                 2024年7月2日   俳茶居

 

謝山泉の席

 

  天空茶会で私が淹れたお茶について

 今回小生はYさんとペアを組み「謝山泉」の席で「困鹿山普洱散茶」を呈茶。設えは相方Yさん、絶妙なサポートで安定した呈茶か叶った。お茶の産地は雲南省普洱市寧洱ハニ族イ族自治県困鹿山、2022年春茶。普洱茶の奥深さに魅了されて暫く経つ。今回のお茶、樹齢200年以上と言われる小葉種の木から作られた散茶。淹れたお茶を口に含むと、その答えが伝わって来る。それは静かな果実香であったり、枯草や仄かな乳香となり、お茶の生まれた森の自然を茶席に届けてくれるのである。煎を重ねると水色に光沢が増し、さらにすっきり感が伝わり衰えることを知らない。普洱茶の不思議を愉しんで頂けたら幸いである。

 

     天空茶会第二十二葉 茶譜

席1【蘭亭序】(らんていじょ)

老白茶      白茶 原料2009年 中国福建省寧徳市     東塚 洋子

阿里山金萱烏龍茶 青茶 原料2024年2月 嘉義県阿里山      鈴木 康子

 

席2【爽 風】(そうふう)

金毛猴       青茶 2022年福建省武夷山         安齋祐三子

白牡丹      白茶 2024年福建省福鼎           茶 米

 

席3【一期一会】(いちごいちえ) 

福寿梨山     青茶 2023年春 台中市梨山村福寿       中尾 結葉

日月潭紅玉紅茶  紅茶 2023年春 南投県日月潭        圓 心

 

茶席4【天 青】(てんせい)              

九曲紅梅     紅茶 浙江省大湖山              山川 幸代

鳳凰単欉 八仙   青茶 2019年春 広東省潮安県烏崠山大庵    原 泉

 

茶席5【萌 葱】(もえぎ)

凌雲白毫    緑茶 2024年春 広西壮族自治区百色氏凌雲県   國枝 ゆか

東方美人茶    青茶 2024年 新竹県峨眉郷          渡邉 誠

 

茶席6【謝山泉】(しゃさんせん)

都江堰珍眉     緑茶 2024年春 四川省成都郊外都江堰      横倉志津子

困鹿山普洱散茶  黒茶 2022年春 普洱市寧洱ハニ族イ族自治県困鹿山 佐藤 正夫

 

*表演茶藝                         演者 中山 理恵

 

*セミナー                         講師 川谷眞佐枝 

     セミナーⅠ:「台湾紅茶の歴史を学びながら楽しむ」

     セミナーⅡ:「ダージリンティー茶産地訪問報告会‐最新情報2024」