嫌になっちまった | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 年々海水温が上昇して海任せのワカメ種苗生産が困難になってきているため

 陸上水槽でワカメの種苗をある程度の大きさまで成長させ

 海の条件が整ったら沖へ出す

 というような事をやっておりまして

 その種苗のことを「半フリー」と呼んでいます

 

 10月の上旬に漁港脇の水槽に移しました

 その際、水槽内で水流を起こして種糸を踊らせるために2㎝ぐらいに切ります

 長く切ると糸の重量で沈み、水槽内で上手く踊らないためです

 

 その水槽で1ヶ月ほど培養して、11月の上旬に組合員へ配付しました

 

 その頃、私、コロナに罹って1週間ほど仕事を休んでいたんです

 公には休んではいたんですけど、ワカメ・コンブ種苗、ホシガレイ・ウニの飼育はあるので

 スタッフにうつさないように、早朝、誰もいないうちに必要なことをやって

 その日やることをメモして作業してもらうといった感じで

 

 当方のワカメ・コンブ種苗生産施設では、防疫対策で使用する直前に器具を全て90℃のお湯で滅菌します

 最近はほとんどの作業を女性スタッフにやってもらってますけど、熱湯を使っての滅菌作業だけは私が行います

 熱湯を使って面金作業をしてるときに女性スタッフが火傷なんてしたら大変なので

 

 休みの間は早朝に行って水を加温してスタッフが出勤する前に滅菌を終わらせていました

 加温と行っても1tの水を加温するので、90℃になるまでに1時間近くかかりますので、かなり早い時間に行かないとスタッフが出勤するまでに滅菌を終わらせられません

 

 嫁さんには「熱があるのにバカじゃないの」って言われました(笑)

 

 

 で、結果的に種苗は無事配付できて、以後も順調に推移してるようです

 なので、今年は苦情はないかと思っていたんですが・・・・

 

 

 なんでも・・・・

 今年の半フリーワカメの種苗糸は長かったと

 長かったんで生育がいいんだと

 なぜ長かったかと言えば、アイツ(私のことですね)がコロナで休んでたから女性スタッフが長く切ってくれた

 女性スタッフのおかげだと

 

 もちろん、良い種苗を生産できたのは女性スタッフの努力に他なりません

 でも、種苗は10月の初旬に切ってありますので、種糸の長さと私が休んだこととは関係ない

 

 仕事でやってるので、できて当たり前。別に褒められようなどとは思っていませんが

 必死こいて努力して

 挙げ句の果てに

 私がコロナになったおかげで種苗が良かったとの言われようですからね

 アホらしくなりました

 

 他にも

 漁協の方針でウニの陸上養殖をやることになり

 本来の仕事そっちのけで世話をしてるんですが

 先日、ある会合で

 「お前、あんな箱でままごとみたいな事してバガだがなあ。あんなのやったって意味ねえ、いいかげんにせえ。止めろ」

 などと言われる始末

 組合員から面と向かってバカと言われる

 

 嫌になっちまった

 腹が立っちまった

 

 さすがに

 

 これは、いわゆるカスタマーハラスメントというヤツではないのか?

 

 宮沢賢治さんは、その詩の中で

 (私の解釈としては)

 バカと呼ばれつつも、いつでも笑って農民のために尽力する

 私はそういう人間になりたいのだ

 と書かれておりましたが

 私はまだまだ

 いや、死ぬまでそういう境地にはたどり着けそうもありません

 

 バカ呼ばわりする人のために働こうとは思えねえなあ

 お前が病気になったおかげで種苗が良かったと言われて笑ってられねえしなあ

 宮沢さんは大人だなあ・・・・

 

 ん?あの方、若くして無くなったんじゃなかったっけ?

 

 調べたら、宮沢賢治さん、享年37歳

 なんと、私より20歳も若いではないか

 

 ワタシトイフモノハ

 トシバカリヘテ

 イマダ セイチョウ セズ

 

 

 

 そうそう

 十数年前に、口開けの連絡をメールで行うって言ったときは

 「そんなのできるわけねえべ、高齢者がそんなの使えると思ってんのか、お前はバカか」

 って言われました

 その方、数年前

 「田老漁協はメールで口開け連絡が来るからどこにいても口開けが解る。速いし確実だ。○○漁協はいまだに口開けランプだって。あそこの組合員はかわいそうに。お前、行ってやり方を教えてやれ」

 とおっしゃってました

 私をバカ呼ばわりしたの、お忘れのご様子で