これを太らせれば | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 以前、市長とお話しさせていただく機会があり

 「サケもサンマも獲れなくて大変だ。漁業で収入を上げられる方法は何かないか?」

 

 って聞かれまして

 しばしフリーズ(汗)

 

 「アワビ養殖はどうだ?」

 「アワビを稚貝から飼うと出荷まで3~4年かかります。その間の経費を考えるとペイするのは難しいかと」

 「そうか」

 「でも、アワビの口開けの時に痩せたアワビは大分安くなるんです。それを蓄養して太らせることができれば、数ヶ月で利益を出せるかも知れませんね。育てるんじゃなくて瘦せたのを太らせるだけなので、時間もお金もかかりません」

 「それはいい!」

 とは言われたものの・・・・

 

 まあ理屈で行けばそうなるんです

 けど、痩せたアワビにいくら餌をやってもなかなか太りません

 

 アワビ種苗生産の御大も

 「一回痩せたアワビを太らせんのはムリだ」

 っておっしゃってましたしね

 

 

 海藻がない年だと、せっかく採ってきたアワビの半分ぐらいがヤセの等級になったりします

 1回で60㎏とか採る人だと30㎏近くとか

 そもそも単価が高いので、1号品になるかヤセになるかで金額にすると数十万円の差になります

 

 もし、数ヶ月の飼育でヤセが1号品になればけっこうな利益になりますよね

 

 それはやってみましょうかね

 ということで

 閉鎖循環水槽で幼生から育てたアワビのうち痩せてるものを選んで、これからコンブの未利用部分をふんだんに食べさせてみたいと思います

 さて、どうなりますやら

 

 

 震災前、田老町漁協にはアワビの蓄養場がありまして、蓄養アワビを随時販売してたんですけど

 だいたいは痩せていく傾向にありました

 それを逆に太らせるのはメチャクチャ難しいと思いますけど

 水の回りを工夫したりして、なんとかしたい

 


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