形が変わっただけ | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 大学生と漁業の話をすると

 

 魚類養殖は国内で安定的に生産できるから、食料の安定供給に役立つ。食糧自給率向上のためにも漁獲量の不安定な天然魚に依存するのをやめて養殖にシフトすべきである

 

 という意見を持つ生徒さんが多いです

 たぶん一般論もそんな感じなんでしょう

 

 日本中で魚類養殖がもてはやされてるし

 

 

 はたして、魚類養殖は日本の食糧の自給に繋がるものなのでしょうか?

 

 ワカメ・コンブ・ノリなどは海の栄養と二酸化炭素と太陽の光で育ちます

 カキ・ホタテなどは海中のプランクトンを栄養に育ちます

 なので、どちらも生産した分だけ国内の食糧自給率向上になると思います

 

 でも、魚類養殖は餌を与えなければなりません

 

 その餌の主原料は魚粉です

 イワシを乾燥して粉にしたものですね

 このイワシが国産ならいいんですが、ほとんどが輸入

 

 ってことは

 日本の養殖魚って

 海外産のイワシの形が変わっただけ

 じゃないんですかね?

 魚粉の輸入がストップしたら、日本国内の魚類養殖はできなくなります

 間接的な食料輸入ってことだと私は思うんですけど?

 

 また、魚類養殖の経費のうち、餌代が6割ぐらいを占めるようです

 1億円の水揚げをするには餌代が6千万円

 餌代が倍になったら、1億2千万円

 餌代だけで赤字になってしまいます

 

 ところが、餌代の高騰はものすごく

 ウクライナ戦争や円安の影響で、魚粉の値段が3倍ぐらいに跳ね上がってるとか

 そうなれば、養殖魚の売価を上げるしかないですよね

 とはいえ、国産の養殖魚はチリやノルウエーからの輸入魚と競合してるので、かんたんに売価を上げることはできないでしょう?

 

 世界情勢の影響をもろに受けるので、食糧の安定供給ってことにはならない気がするんですけど?

 

 学生さんにそういうことを話すと

 「なるほど、そういう側面もあるんですね」

 って、言ってくれますけど

 偉い人達には睨まれます(笑)