浜迎え | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 沖で漁をした漁業者が帰港したときに

 港に迎えに行って、船を引き上げたり、物を運ぶ人のことを、田老では

 浜迎え

 と呼びます

 

 主に漁業者の奧さんで

 親だったり、子供がついてきたり

 

 私が子供の頃

 アワビ漁でもウニ漁でも

 必ず浜迎えが港で漁から帰る漁業者を待っていたものでした

 

 「寒くて行きたくない」

 って言っても

 母親に無理矢理引きずられて(笑)

 

 当時は車もろくになかったし

 クレーンもなかったので

 周辺の人が力を合わせて船を引き上げる必要がありましたから

 浜迎えは必須

 

 今はクレーンがあるし

 車もあるので

 誰に手伝ってもらわなくても

 船も荷物も上げられますから

 迎えがいなくても特に問題ないんです

 

 奧さんが働きに出ている家庭も多いので

 私も含めて、誰も迎えが来ない漁業者も多いのが現状

 

 こういう風景を見ることも少なくなりました

 いいなあ

 普段は(うるせえなあ)って思ってる家族でも

 急に風が吹いて、風波が立ち(死ぬかも)って思いつつようやく港にたどり着いたときなんて

 家族の顔を見ると心から安堵したものです

 

 

 私が初めて一人でアワビ漁に出たとき

 親父が採ってきたアワビはかるく50㎏超えで

 船を引き上げるために集まってきた

 浜迎えに来た十数名のおかーさん達から

 「すごい!」

 と一斉に歓声が上がり

 

 続いて着岸した私といえば

 7枚

 「㎏」じゃなく「枚」

 おかーさん連中

 シーン

 ってなりました

 トラウマ(笑)

 

 周りのお母さん連中は

 どんなに少なくても

 「大漁だね」

 とか

 「いっぱい採って来た~」

 ってフォローしてくれるものなんですが

 50kgと7枚ですからフォローのしようもない(笑)

 

 たくさん採ってくれば

 ギャラリーが多いほうが嬉しいんですけどねえ

 

 

 今日、定置網は106t!

 サバです

 魚市場はタンクがズラリ

 

 


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