どうかしてる | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 田老の近くに水産の研究施設がありまして

 そこにアワビの研究者の方がいらっしゃいます

 

 これまで、その方にアワビの種苗生産や資源回復に関して色々とアドバイスをいただいておりました

 が

 

 「転勤することになりましたのでご挨拶に伺いました」

 「えっ?どこに」

 「転勤先は国内ですけど、出向になって、海外に行くことになりそうです」

 「はあっ?海外?」(汗)

 

 

 日本にはそもそもアワビの研究者って少ないそうなんです

 

 しかも、岩手県沿岸に生息するアワビはエゾアワビという種類で

 関東以南に生息するアワビとは違う種類

 同じアワビとはいえ種類が違えば生態も違う

 生態が違えば種苗生産に関する技術も違ってきます

 

 そもそも少ないアワビ研究者の中でエゾアワビの生態を研究されている技術者は希有な存在 

 その貴重な人材をなぜ海外にやる?

 

 海洋環境が急激に変化していることもあり

 現在、アワビの種苗生産は安定的にできる状態ではありません

 

 安定的な生産をするためには

 これから解決していかなければならない問題が多々あります

 

 そんな重要な時期にですよ

 数少ない研究者を海外に出すなんて

 どうかしてる!

 もう、頭にくる

 

 アワビはね岩手県の漁業者にとって本当に重要な海産物なわけです

 それが、近年、磯焼け等によって水揚げ量が激減している

 

 水揚げ量を回復するために何が必要なのか

 高度な知識を持った研究者の存在は不可欠なんです

 

 資源量を回復するためには、種苗放流も重要になってくるでしょう

 でも、放流したいっていったって種苗がなくちゃどうしようもありませんから

 安定的な種苗生産技術の確立もまた必須なわけです

 

 県にもアワビ研究者の方がいらっしゃいますけど

 いくらお願いしても短いサイクルで転勤してしまいますし

 

 種苗生産に携わる現場の人間は

 困ったときに頼れる人間がいなくなってしまいます

 

 

  ここ数年、岩手の漁業者はアワビ漁の不振に喘いでいるのです

 資源回復のために去年・一昨年と採捕を見合わせた漁協もあります

 その他の漁協も採捕回数を減らしたり、採捕時間を短縮したりと

 収入が激減して苦しんでいる

 

 アワビの研究者はその問題を解消するための重要な存在なんです

 

 国や県の人事を決める人達は国内の漁業者がどういう状況になってるのか理解してるんでしょうか

 もう、ほんと腹立つー!