ほんの10㎝ | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 先日、テレビで道路を逆走したバイクがトレーラーにぶつかる事故の映像が映し出されてました

 

 前に車のヘッドライトが見えれば、普通はブレーキをかけるとか、アクセルを戻すとか、よけようとか、しそうなものですが

 映像を見る限りブレーキもかけずに突っ込んでいったように見えました

 なぜ????

 

 ふと脳裏をよぎったのが

 「ほんの10㎝ハンドルを動かすだけ。それだけでいい」

 

 という、熊谷達也さんの短編にある一文

 

 

 子供が生まれたのでちょっとムリして家を建てた男の話

 

 借金をして家を建てた

 すぐ後に会社をリストラされ

 収入が途絶えた

 新しい仕事は見つからない

 どうしようか悩んだ結果、自分に多額の保険金を掛けて自殺すれば妻や子に家を残してやれると思いつく

 

 でも生命保険では色々難しいことが解り

 交通事故なら保険金が下りそうだと

 自分が昔趣味にしていたバイクに乗って

 誤ってトラックと衝突したように見せかけようとする

 

 大きなトラックが向こうから走ってくる

 今、ほんの10㎝、ハンドルを右に切るだけで計画は完了する・・・・・

 

 大分前に読んだので、うろ覚えですが

 そういうような話だったかと

 

 

 

 

 コロナで収入が激減し

 生活が困窮してる人がたくさんいるんですよね

 

 家族の生活を守ろうとなったとき、どういう手段を執るのだろうか・・・

 

 道を間違えたように見せかけて逆走し

 大型トラックと正面衝突すれば

 

 そう考える人もいるかも知れない

 

 もしや、あのバイク・・・・・

 背筋がゾッとしました

 

 

 

 私は東日本大震災で家を含めたほとんどのものを失ってしまいましたが

 幸い家族がいました

 そして、さまざまなご支援がありました

 そのおかげで今もこうして生きていられます

 本当にありがたく思ってます

 

 

 今、コロナの影響で困窮している人に

 どれほどの支援があるのでしょう?

 そもそも、誰がどのくらい経済的にひっ迫しているのか把握できているんでしょうか

 

 災害であればその土地の住民台帳なんかで確認できるんでしょうけど

 コロナで被害を受けた人の把握ってものすごく難しいと思います

 

 どうか一日も早い支援が行われますように 

 

 


農林水産ランキング