ずれ | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 昨日の夜

 突然

 ポンピンポンパンポン♪

 防災無線の放送がありまして

 「ただいま、田老地区の一部地域で停電が発生しております」

 「やべっ」

 上着を掴んで出て行こうとすると

 

 嫁さん

 「どこ行くの?」

 「ふ化場、アワビセンター。停電。水が止まる。死ぬ。」

 「はあ?」

 「まあ、行ってくる」

 

 生き物を飼っている上で一番怖いのは停電

 ポンプで水を上げてるんで

 停電になったら

 水が止まり

 生き物が酸欠で死ぬ

 酸欠だと全滅ですからね

 

 アワビは1時間かそこらは生きてると思いますけど

 サケの稚魚は30分持たないでしょう

 

 もちろん自家発電装置があって

 停電になれば自動的に自家発電が回って電気を起こすので

 水は止まらない

 はず

 

 あくまでも「はず」

 バッテリーが弱くて自家発電装置のエンジンが回らなかったり

 発電してもポンプがエアをかんで水が上がらなかったり

 水が出ない可能性はいくらでもあります

 

 それぞれ担当者がいるので

 現場には向かっているはずなんですけど

 自分の目で確認しないと

 

 こういう所を事務屋さんには解ってもらえない

 生き物屋は休んでるように見えてるときでも

 四六時中気を張ってないといけないんです

 

 

 

 ウチの漁協ではないですけど

 若い生き物屋が3月末で退職しました

 やる気があって

 経験を積めば、いい技術屋になるんだろうな

 そう思っていたんですけど

 

 理由を聞いても答えませんでしたが

 事務屋との待遇の違いに対する不満なんかもあったんじゃないかと勝手に想像しております

 どこの漁協も経営が苦しくなってきてますからね

 ギリギリと経費削減を迫られる

 現場を経験したことのない経営者だと

 「人員を1人減らしてもどうにかなるだろ」

 なんてことをのたまう

 

 事務屋には生き物屋の苦労は解らないし

 逆もまたそうでしょう

 

 定期的な異動があって

 お互いの苦労を知ってれば折り合いもつくのかも知れませんが

 少ない人員の中で専門的な職種をこなすとなると

 そう異動はできませんしね

 

 幹部に理解がある人がいれば違うのかも知れませんが

 (幹部職員はだいたい事務屋上がりですからね)

 どんなに配慮しても限界があります

 

 いずれにしろ

 岩手の漁協はまた一人、人材を失ってしまいました

 

 

 

 

 

 コロナだ蔓防だテロだクーデターだ

 嫌なニュースばっかでウンザリしますけど

 

 水泳の池江選手がオリンピック代表になったことは

 真っ暗なニュースの中で光を見たような気がしましたね

 

 医療従事者である嫁さんによると

 白血病の治療って死ぬのと同じぐらい辛いんだそうな

 それを6回も越えた

 ってことは、6回死を体験したようなもので

 しかも、その後にオリンピックの代表になるなんて

 もう想像の範疇を超えた凄いことらしい

 

 才能もあるんでしょうけど、どんだけものすごい努力をしたことか

 

 

 あと、岩手の星

 大谷選手

 メジャーリーグの舞台で

 エースで4番って高校野球みたいなことをやってる

 ほんと凄すぎてマンガみたい

 

 でも、今日の試合

 せっかくホームラン打って、勝ち投手にもなれそうだったのに

 味方のキャッチャーが後逸して

 送球を暴投して点が入るって

 高校野球みたい

 野手よー、プロだろ、メジャーだろ、ちゃんとしろ

 

 


農林水産ランキング