湊かなえのベストセラーを、『下妻物語』『嫌われ松子の一生』『パコと魔法の絵本』の中島哲也監督が映画化。
かなり重いです。いたたまれません。イヤな話。普通なら途中でリタイアしてしまいそうな話。救いもありません。後味もかなり悪いです。
でも、最後まで目が離せません。
複数の登場人物の回想で話が展開し、それぞれの視点からことの真相を追究していくという作りは『羅生門』ぽいですが、その中の数人が死者というのは『サンセット大通り』、他にも『情婦』的要素が混じっていたりと、強引に結びつければビリー・ワイルダーも入っています。
今までの中島作品は、強いて例えれば「極彩色のオモチャ箱」。今回はそれらとは正反対の雰囲気。画面も漂う雰囲気も暗く、重く、冷たい。さほど現実離れもしていない。「モノトーンの重箱」。
なのに、これもやはり立派な中島マジック。魅了されます。
主演俳優にあまりこだわらない(と思われる)中島監督。今回、主役に迎えたのは松たか子。確かな演技力で苦渋のヒロインを熱演。モンスター・マザー(?)の木村佳乃、熱血バカ教師(?)の岡田将生も適材適所の好演。しかも、主な登場人物が誰一人として素直に感情移入したくないキャラというのもすごいです。
体調が良い時にぜひ!6月5日公開。R―15(頷けます)。
<原作『告白』 湊かなえ>
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