本日4限に、教員生活最後の授業をしました。これで、40年近く続いた教員としての仕事ともお別れです。

 

 

これまでずっと忙しすぎたので、やっと終わってホッとしたという気持ちと、もう生徒たちと話すこともなくなるんだなぁと思うとちょっと寂しい気持ちもあります。

 

 

非常勤だったので、自分で好きな曜日に好きなだけ行けばいいし、部活も生徒指導も進路指導もなく英語だけ教えていればいいので、精神的にはかなり楽でした。

 

 

教員への待遇も時給もいいし、65歳まで働けるので定年まで続けるつもりでした。

 

 

が、途中で翻訳の仕事が始まり、不規則な生活と決まった時間の通勤という二重生活がだんだん苦痛になってきました。

 

 

特に映像翻訳は、納期が短く、1週間~10日で1作品を終わらせます。そして、次が来ると、またその周期でカンヅメ状態になり集中しないといけなくなります。

 

 

さほど大変ではないとはいえ、もう必死で働く必要もないし、フリーランスとして、自分のペースでやりたいことだけやっていこうと思いました。

 

 

でも、教員生活もこれだけ長く続けると、いろいろなことがありました。

 

 

大学出たての初任の頃は、ただただ楽しかった。生徒たちとの年齢も近いので、お姉さんみたいに慕われて、可愛がっていればよかったし、理想に燃えて楽しい授業を心がけていました。

 

 

その後、夫の赴任でアメリカに渡り、日本人の主婦や子供にちょこちょこ教えながら、大学院で学んだ日々は私の宝物。

 

 

帰国後は、何とか使える英語を教えようと私立の大学や高校に勤めましたが、なかなか理想どおりにはいかず。

 

 

子どもたちを育てるためにも、また担任もしたかったし、高校の教員に戻って、宿題や掃除をやらない生徒との格闘の日々。もちろん、すごく優秀で真面目な生徒も多く、生徒から学ぶことも多々ありました。

 

 

教室に花を持っていくと、毎朝早く来て水やりをしてくれた男の子。数学が得意で、数学の先生になったっけ。きっと生徒思いで面倒見のいい先生になっていることでしょう。

 

 

英語や海外が好きになって、ホームステイに行ったり、海外で暮らした卒業生も大勢います。

 

 

教員の仕事は、物を作ったり売ったりするのと違って、結果がすぐに出るものではないけれど、子供たちは日々確実に成長しているし、卒業後の活躍を見ることもできてやりがいのある仕事です。

 

 

ずっと天職だと思って続けてこられてよかったです。

 

 

最後のクラスはたった6人になってしまったけど、みんな休まず真面目に通ってくれたし、今学期はたくさんタイピングとTOEIC ライティングをさせましたが、内容のあるいい文を少しずつスムーズに打てるようになりました。

 

 

彼らが今後、どれだけ英語に関わるかは分かりませんが、学んだことは絶対ムダにならないと思うし、これからの可能性は無限大なので、ぜひ頑張ってなりたい自分を目指してもらいたいと思います。

 

 

最後、みんなで観たスティーブ・ジョブズ氏の動画がとても良かったので、ご紹介します。スタンフォード大学の卒業式でのスピーチですが、彼自身は大学を出ていないというのは驚きでした。

 

 

苦境から何度も立ち上がって成功を収めた彼の生き方は、これからの若い人たちへの強い応援になると思います。