教員免許に10年の期限を設け、更新制にして講習を受けさせる、という制度が2009年から始まりましたが、2023年に廃止する、と文科省が決定したようです。

 

 

 

 

教員の不祥事が続き、何とか教員の質を上げようとのことで始まったのだと思いますが、不良教員(セクハラ、パワハラ、体罰、公金横領などする人)は、別に勉強ができないわけじゃないから、授業を受けさせたって 行いは直りません

 

 

実際の免許更新制度の授業は、実施する大学に丸投げで、行く方もやる方も負担だけが大きかった気がします。

 

 

受け入れる大学は、学生がいなくなった夏休みのキャンパスを使って私たちから授業料が頂けるからまだいいかもしれないけど(そう、強制のくせに 数万円の自己負担!むかっ)行く方の教員は夏休みだってヒマな訳じゃない。クラスの生徒の書類整理や授業の準備や、進路相談、部活などやることはたくさんあるんです。

 

 

誕生年で申し込める年が決まっているのですが、確か前後1年くらい猶予があったと思います。私も3年生の担任をしていた年にぶつかったので、忙しくて1回では終わらず、2年越しで受けました。

 

 

1年目は学芸大で受けました(希望の大学に申し込む)。武蔵野線でぐる~っと西国分寺まで行って中央線に乗り換え、隣の国分寺からバスに乗ります。同じ国立大ということもありますが、緑が多くキャンパスが母校の千葉大に似ていて懐かしく感じました。

 

 

暑い夏だったことを覚えています。朝から強烈な日差しの中、バスを降りてからも校舎までずっと歩いて何分もかかりました。最初は、久々の大学のキャンパスで学生気分を味わえてちょっとした高揚感がありましたが、授業自体は期待していたほど面白くはありませんでした。

 

 

強烈に覚えているのは、選択で取った映画論のクラスです。

 

 

まだうら若い女性講師が、男性の同性愛を描いた 『ブロークバック・マウンテン』 という映画について、ところどころ映像を見せながら解説したのです。

 

 

当時はまだ同性愛はタブーな感じで、私も「男同士なんて気持ち悪い」(失礼!)と思いながら観たのですが、その後、その講師が紹介してくれたショーン・ペンの 『ミルク』 を観て、さらに映画の舞台となったサンフランシスコに子どもたちと訪れて、LGBTの象徴である虹色の旗や、本物のゲイ・カップルをあちこちで見かけて・・・と、いろいろ考えるきっかけになりました。

 

 

残念ながら、この授業以外は何をしたか記憶に残っていませんショック

 

 

翌年は、早めに申し込まないとすぐ一杯になる人気の上智大学の授業を受けました。学芸大が一般論的な講義が多かったのに対して、さすがに上智は英語で受けられる授業が多くて、それは結構刺激的でした。

 

 

でもまあ、そんなに大々的にやらなくても県で実施している5年次研修や10年次研修などがあるので、それで十分ではないかと思いました( ITC研修や他校の教員の実践が学べる)。

 

 

それでなくても、英語の教員は時間とお金をかけて英会話教室や英語教員研修に参加したりしている人も多いのです。

 

 

そもそも、不良教員を減らしたかったら、悪いことをした教員への罰則を厳しくすればいいんですよ。セクハラしたら一発クビとか(特に対生徒)。ほとんどの教員は真面目にやってるんだから。

 

 

それと、部活の負担を減らして教員の仕事をもっと楽にすることです。部活の顧問は希望制 にして、やりたい教員には手当を払い、そうでない教員はやらずに済むよう有料で外部のコーチを雇う。 

 

 

カナダでは、教員がストライキをして、夏の仕事は選択制にしたそうです(出勤して課外授業をやり手当てをもらうか、無休でずっと休むか)。

 

 

昨日も書いた「臨任」ですが、「臨時的任用教諭」のことで、教員採用試験に受かっていないのですが、正教員と同じ「教諭」という身分になっています。昔は「常勤講師」と呼んでいました。

 

 

おそらく公務分掌や部活を持ってもらったり、中には担任をやらせる学校もあったりするので、「講師」ではなく臨時的に「教諭」というタイトルを与えたのだと思います。講師では部活の生徒引率は1人でさせられませんから。

 

 

もちろん、中には事情があって長年臨任をしている優秀な方も多いと思いますが、教員免許自体は、大学で必要な単位さえ取れれば取得できます。そして、教員免許さえあれば、講師や臨任はできます。

 

 

なので、あまりはっきり言うのも何ですが、学力レベルの低い高校を出てよく分からない大学で教員免許を取得して現場の教壇に立っている、力の足りない教師がいることも事実です。

 

 

実際、私の友人は優秀な家庭科の教員ですが、底辺校で教えた時の卒業生が、彼女の務める高校の英語の臨任でやってきて、自分より英語を知らないと嘆いていました。そんなことも起こるのです。

 

 

ですから、教員採用試験がすべてではないものの、ある程度試験で合格できない人はあくまで「常勤講師」として採用し、正教員の部活や会議、ペーパーワークなどの負担を軽くして、優秀な人たちが集まれるようにしたらいいと思うのです。

 

 

研修は不要とはいいませんが、忙しい教員をさらに追い込むようなものは避けて、余裕をもって仕事に打ち込めるようにしないと、真面目で頑張る先生たちがどんどん燃え尽きて辞めて行ってしまいます。

 

 

先生たちに時間と心のゆとりができれば、教育力の向上につながり、結局は子どもたちのためになります。忙しい日本の先生たちの負担が少しでも軽くなるようにと願っています。