今日の一曲!BUBBLE-B「GYOZA KINGDOM」【『ガモリ3』プチレビュー】
今回の「今日の一曲!」は、令和の大改訂との連動更新です。直近に大改訂を施したのは、「SmileHunters・Enjo-G・BUBBLE-Bの魅力 ―ナードコアへの誘い―」という記事で、改訂前のタイトルは「strawberry cheese cracker / SmileHunters +α」でした。
詳しくはリンク先をご覧いただきたく思いますが、同記事内で取り上げたミュージシャンの一人に、BUBBLE-Bがいます。そこでは氏の単独名義作品である、『ガモリ2』(2010)をレビューしました。奇しくも…と言うには間が空いているのはともかく、先々月には同シリーズの三作目にあたる『ガモリ3』(2019)がリリースされたので、同盤について何処かで言及したいなとは思っていたのです。そんな折に上掲記事に改訂の手番が回ってきたため、記憶に新しい最新作にはニューエントリーで対応し、改訂した記事と併せて読めるようにすればいいのではと思い至りました。このプロセスが、「連動更新」と位置付ける理由です。
書き手の裏事情ゆえ何が何やらかもしれませんが、要するに「頑張って過去記事を改訂したから見てくれ!」といった僕からの要望でして、ニューエントリーから導線を張っておきたかっただけでもあります。AmazonやYouTubeの埋め込みタグを含むので、単純に記事上の文字数を比較しているわけではないものの、改訂前は約6,000字だったものが、改定後には約14,000字とダブルスコア以上の大幅加筆となっているため、これは別途お知らせしたいなと。従って、本記事は実質的に改訂記事の続きと見做していただければ幸いです。ぶっちゃけると、同記事は筆が乗り過ぎて既にバイト数が限界に達しており、これ以上の追記が不可能となってしまったんですよね。笑
ということで、アーティスト紹介やら何やらは全て改訂記事のほうに丸投げして、早速「GYOZA KINGDOM」のレビューに入ります。…と言っても、例によって言葉で説明する類の音楽ではないので、まずは埋め込み動画からお楽しみください。
本曲を「今日の一曲!」に選んだのは、『ガモリ3』の中でいちばんのお気に入りだからといったシンプルな理由です。動画は2015年からあり、僕も既に数十回は再生数に貢献するほどには鑑賞していたので、音源化には狂喜しました。思わず口遊みたくなってしまう中毒性は、音源でも変わらずです。
しかし、音源ならではの真の美点は、調理音がよりクリアに聴こえるようになったことだと考えています。元のCM自体がSEの質にこだわっているのかも知れませんが、音の空間処理がとても心地好く、目の前でライブクッキングを観せられているかのような迫真性があると絶賛したいです。特に「シュー…」系統の音(具材を炒める音や、餃子を蒸し焼くために投入された熱湯が出す音)と、「カン!」系統の音(中華鍋とお玉がぶつかる音や、銅鑼の音)には、イヤガズムを覚えます。
BUBBLE-Bの苦心としては、付属のリリースノーツに記してあった、"200万個"をリズムに乗せるための試行錯誤のエピソードが面白かったです。その甲斐は、本曲の自然さを聴けば瞭然かと思います。
中盤から顔を出すチャイナオリエンテッドなメロディラインも、チープさとキュートさが良い味になっていて好みです。YouTubeには元のCMもアップされていたので確認しましたが、メロディは旧バージョン(1日100万個)のものを基にしていて、台詞は新バージョン(1日200万個)からサンプリングしているんですね。
あとは改訂記事でもふれていますが、本曲を聴くとBUBBLE-B feat. Enjo-G名義の「ENJOY!中華」を思い出します。同曲にも「餃子の〇将」は出てきますし、関連付けて聴いてみるのも楽しいのではないでしょうか。
最後に『ガモリ3』全体への言及をします。本作最大の特徴は、feat. Enjo-G曲が除かれていることです。従って、両者を強く結び付けているリスナーの中には、もしかしたら物足りなさを感じた方もいるかもしれません。しかし、先の改訂記事を参照していただければわかる通り、僕はBUBBLE-Bのトラックメイキング力そのものを高く評価しているため、本作の脱Enjo-G路線は、BUBBLE-Bの魅力をよりエッセンシャルに感じられる一枚にほかならず、改めて氏の偉大さを痛感しました。
01.~15.までの[BUBBLE-B TRACKS SIDE]では、05.「Old Bag」、06.「バブルB作 RELOADED」、07.「TSURUBE」、09.「RISING」がお気に入りです。05.は『118』(2017)からの一曲で、僕は同曲でマイクロサンプリングの良さに気付けました。ここからあれこれ調べて、Silvanian Familiesを知れたのも収穫です。06.はまさかの続編に驚きで、最初は正直気持ち悪いと感じたものの、臭いものを敢えて嗅ぎたい的な心理なのか、今では癖になっています。07.は曲名通りに某師匠が元ネタで、「美味いもんは美味い」と「美味しいんです」の発声がツボ過ぎるのか、ヘビロテ率の高いナンバーです。09.は横丁ライジングオールスターズ名義の気仙沼復興祈願ソングで、フェスアンセムならではの一体感があります。終盤の朗読の内容も、心に響くものがあって愛おしいです。
16.~23.までの[REMIX TRACKS SIDE]では、21.「DISC NATION BUBBLE-B REMIX」と、23.「節子 BUBBLE-B REMIX ~ナードに染まったこの俺を~」がフェイバリットでした。21.はディスク百合おんによるトラックのリミックスで、切なさが強調されたアレンジに不思議と目が潤んできます。リリースノーツにもあるように、サカナクションみが凄まじいです。23.は贅沢ホリデイズによるトラックのリミックスで、ツッコミが追い付かないほどにナード塗れな変貌を遂げています。BUBBLE-Bの狂気性と引き出しの多さが窺える一曲で、元ネタは半分もわかりませんでした。ネタ数の合計が29だとしたら、僕が調べずに理解出来たのは僅か10です。『イアンのナードコア大百科』が欲しい。
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詳しくはリンク先をご覧いただきたく思いますが、同記事内で取り上げたミュージシャンの一人に、BUBBLE-Bがいます。そこでは氏の単独名義作品である、『ガモリ2』(2010)をレビューしました。奇しくも…と言うには間が空いているのはともかく、先々月には同シリーズの三作目にあたる『ガモリ3』(2019)がリリースされたので、同盤について何処かで言及したいなとは思っていたのです。そんな折に上掲記事に改訂の手番が回ってきたため、記憶に新しい最新作にはニューエントリーで対応し、改訂した記事と併せて読めるようにすればいいのではと思い至りました。このプロセスが、「連動更新」と位置付ける理由です。
書き手の裏事情ゆえ何が何やらかもしれませんが、要するに「頑張って過去記事を改訂したから見てくれ!」といった僕からの要望でして、ニューエントリーから導線を張っておきたかっただけでもあります。AmazonやYouTubeの埋め込みタグを含むので、単純に記事上の文字数を比較しているわけではないものの、改訂前は約6,000字だったものが、改定後には約14,000字とダブルスコア以上の大幅加筆となっているため、これは別途お知らせしたいなと。従って、本記事は実質的に改訂記事の続きと見做していただければ幸いです。ぶっちゃけると、同記事は筆が乗り過ぎて既にバイト数が限界に達しており、これ以上の追記が不可能となってしまったんですよね。笑
ということで、アーティスト紹介やら何やらは全て改訂記事のほうに丸投げして、早速「GYOZA KINGDOM」のレビューに入ります。…と言っても、例によって言葉で説明する類の音楽ではないので、まずは埋め込み動画からお楽しみください。
本曲を「今日の一曲!」に選んだのは、『ガモリ3』の中でいちばんのお気に入りだからといったシンプルな理由です。動画は2015年からあり、僕も既に数十回は再生数に貢献するほどには鑑賞していたので、音源化には狂喜しました。思わず口遊みたくなってしまう中毒性は、音源でも変わらずです。
しかし、音源ならではの真の美点は、調理音がよりクリアに聴こえるようになったことだと考えています。元のCM自体がSEの質にこだわっているのかも知れませんが、音の空間処理がとても心地好く、目の前でライブクッキングを観せられているかのような迫真性があると絶賛したいです。特に「シュー…」系統の音(具材を炒める音や、餃子を蒸し焼くために投入された熱湯が出す音)と、「カン!」系統の音(中華鍋とお玉がぶつかる音や、銅鑼の音)には、イヤガズムを覚えます。
BUBBLE-Bの苦心としては、付属のリリースノーツに記してあった、"200万個"をリズムに乗せるための試行錯誤のエピソードが面白かったです。その甲斐は、本曲の自然さを聴けば瞭然かと思います。
中盤から顔を出すチャイナオリエンテッドなメロディラインも、チープさとキュートさが良い味になっていて好みです。YouTubeには元のCMもアップされていたので確認しましたが、メロディは旧バージョン(1日100万個)のものを基にしていて、台詞は新バージョン(1日200万個)からサンプリングしているんですね。
あとは改訂記事でもふれていますが、本曲を聴くとBUBBLE-B feat. Enjo-G名義の「ENJOY!中華」を思い出します。同曲にも「餃子の〇将」は出てきますし、関連付けて聴いてみるのも楽しいのではないでしょうか。
最後に『ガモリ3』全体への言及をします。本作最大の特徴は、feat. Enjo-G曲が除かれていることです。従って、両者を強く結び付けているリスナーの中には、もしかしたら物足りなさを感じた方もいるかもしれません。しかし、先の改訂記事を参照していただければわかる通り、僕はBUBBLE-Bのトラックメイキング力そのものを高く評価しているため、本作の脱Enjo-G路線は、BUBBLE-Bの魅力をよりエッセンシャルに感じられる一枚にほかならず、改めて氏の偉大さを痛感しました。
01.~15.までの[BUBBLE-B TRACKS SIDE]では、05.「Old Bag」、06.「バブルB作 RELOADED」、07.「TSURUBE」、09.「RISING」がお気に入りです。05.は『118』(2017)からの一曲で、僕は同曲でマイクロサンプリングの良さに気付けました。ここからあれこれ調べて、Silvanian Familiesを知れたのも収穫です。06.はまさかの続編に驚きで、最初は正直気持ち悪いと感じたものの、臭いものを敢えて嗅ぎたい的な心理なのか、今では癖になっています。07.は曲名通りに某師匠が元ネタで、「美味いもんは美味い」と「美味しいんです」の発声がツボ過ぎるのか、ヘビロテ率の高いナンバーです。09.は横丁ライジングオールスターズ名義の気仙沼復興祈願ソングで、フェスアンセムならではの一体感があります。終盤の朗読の内容も、心に響くものがあって愛おしいです。
16.~23.までの[REMIX TRACKS SIDE]では、21.「DISC NATION BUBBLE-B REMIX」と、23.「節子 BUBBLE-B REMIX ~ナードに染まったこの俺を~」がフェイバリットでした。21.はディスク百合おんによるトラックのリミックスで、切なさが強調されたアレンジに不思議と目が潤んできます。リリースノーツにもあるように、サカナクションみが凄まじいです。23.は贅沢ホリデイズによるトラックのリミックスで、ツッコミが追い付かないほどにナード塗れな変貌を遂げています。BUBBLE-Bの狂気性と引き出しの多さが窺える一曲で、元ネタは半分もわかりませんでした。ネタ数の合計が29だとしたら、僕が調べずに理解出来たのは僅か10です。『イアンのナードコア大百科』が欲しい。
