「忠臣蔵」(元禄赤穂事件)で知られる大石内蔵助(くらのすけ)の長男、主税(ちから)(1688~1703)が、討ち入りの3カ月半前に高取藩(奈良県高取町)の親族にあてた書状が、高取町の民家に残されていたことが29日、分かった。「近く父と同道し遠方に参ります」などとつづり、秘密にされていた討ち入り計画に参加する決意をほのめかしている。赤穂浪士たちが江戸に集結する直前の緊迫した状況を生々しく伝える一級の資料となりそうだ。

 書状のあて先は、高取藩2万5千石の筆頭家老、中谷(なかねや)清右衛門の妻、香(こう)。主税の母、りくの叔母にあたる。元禄15(1702)年の「閏(うるう)八月廿七(二十七)日」と日付が記されており、主税は前年末に元服したばかりの15歳(数え年)だった。

 「仰せのように、私は近いうちに父内蔵助と同道し遠方に参ります。それにつきまして、まことに結構な品をお送りくださり、かたじけなく思います」と丁寧に礼を述べている。「結構な品」の内容は不明だが、父子の江戸入りを香が知って贈り物をしたことが読み取れる内容。極秘とされた討ち入り計画が、親族にはほのめかされていた実態がうかがえる。

 書状は「ことのほか取り込んでいますので、簡単に申し上げたようなことです」と結んでおり、江戸入りについての直接的な言及を避けながらも、忙しく準備を進めている様子をにおわせている。

 主税は約3週間後に当時住んでいた京都から江戸に出発。本懐を遂げ、元禄16年2月4日に切腹した。

 鑑定した瀬戸谷皓(あきら)・豊岡市立出土文化財管理センター所長は「日時、内容に矛盾がなく、筆跡からも真筆とみて問題ない。資料が極めて少なく、論じられることのなかった主税やその親類の研究を進めるうえで貴重」としている。

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 ≪山本博文・東京大史料編纂(へんさん)所教授の話≫

 ■達筆、大人びた人柄

 「討ち入り計画をうすうす感じた親族が、贈り物をして門出を祝福しているように思える。主税はぼかした表現で今後の行動を暗示しており、面白い。達筆で抑えられた文面の中に、年のわりに大人びた主税の人柄と強い決意が感じられる」

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【用語解説】元禄赤穂事件

 元禄14(1701)年3月、勅使(天皇の使者)をもてなす儀式の供応役に任命された播州赤穂藩主・浅野内匠頭(たくみのかみ)長矩(ながのり)が、指南役の吉良上野介(こうずけのすけ)義央(よしなか)に対し江戸城中で切りつけ、即日切腹、改易を命じられた。亡き主君の怨敵(おんてき)を討つべく、大石内蔵助を筆頭とする赤穂浪士47人が翌年12月14日、江戸の吉良邸に乱入、首を取って復讐(ふくしゅう)を遂げた。

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 民主党は29日、日本航空が経営難に陥った原因を追及するため、「JAL問題検証チーム」を参院政策審議会に設置した。桜井充参院政審会長を中心に、関係者から意見聴取することなどを予定している。党幹部は「JAL問題を調べれば必ず旧政権のうみが出る」としており、同社に赤字路線の運行を強いてきた政治の責任を明らかにしたい考えだ。
 同党はまた、特殊法人の統廃合を検討する「特殊法人精査チーム」も参院政審に設置した。 

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 政府の子育て支援に関する中期的な取り組み方針をまとめた「子ども・子育てビジョン」の原案が27日、明らかになった。

 共働き家庭の要望が強い「待機児童の解消」に向け、幼稚園などの空き教室を活用して保育所の定員を年間5万人ずつ、5年間で計25万人増やすと明記した。親の仕事中に小学生を放課後の教室などで受け入れる「学童クラブ」についても、5年間で定員を30万人増やすとした。29日の閣議で決定する。

 ビジョンは、鳩山政権が初めて打ち出す包括的な子育て対策となる。「社会全体で子育てを支える(チルドレン・ファースト)」を掲げ、誰もが安心して子どもを産み育てられる環境を官民で整えるとした。

 「子ども手当」や「高校授業料の実質無償化」などの施策を推進し、幼稚園と保育所の「一体化」に取り組む方針を打ち出した。

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