時代劇はいろいろあれど、
一番好きなのがこのシリーズ。
必殺。
~晴らせぬ恨み、晴らします~
この言葉の通り、表の世界では裁けない悪を仕事人などが金を請け負って晴らしてくれる、という内容。
今も再放送があったり、
特番でリメイクされたりしていると、
必ず観る。
桃太郎侍や、
水戸黄門、
暴れん坊将軍、
鬼平犯科帳、
剣客商売など有名な時代劇はあれど、
このシリーズだけは、
他の時代劇とは、違うとこが多い。
●キャラクターがいい人すぎない二面性がある。
勧善懲悪なようで、ヒールなところもある。主人公、中村主水(藤田まこと)がよくいうセリフ
「俺たちゃ、人様から銭をもらって人を殺す悪党よ」
「地獄で会おうぜ」
これがまたしびれる。
また、必殺仕業人のやいとや又右衛門(大出俊)のセリフ
「ここに金が五両ある。悪い男が一人いる。それだけで私ゃ十分さ」
完全な正義のヒーローではない。ヒールでいてクールなところもあるのがまたしびれる。
表と裏の2つの稼業があるというのもまたいい。そして、
●殺し方が独特で、表稼業の特徴を活かした華麗な殺しを行う。
中村主水 (藤田まこと)
👉必殺仕置人、暗闇仕留人、必殺仕置屋稼業、必殺仕業人、必殺商売人、必殺仕事人など多数
【表稼業】御家人、江戸の見廻り同心
今で言うお巡りさん。
【裏稼業の殺し方】刀や脇差で切り殺す。鍔にある仕込み刃でひとつき。
念仏の鉄(山崎努)
👉必殺仕置人、新必殺仕置人
【表稼業】按摩師、マッサージ師
【裏稼業の殺し方】背骨外し
市松(沖雅也)
👉必殺仕置屋稼業
【表稼業】竹細工職人
【裏稼業の殺し方】尖らせた竹細工で首などを後ろからひとつき。また、折り紙の折り鶴をつけた竹とんぼで離れた敵の背後から首もとにひとさし。
勇次(中条きよし)
👉新必殺仕事人、必殺仕事人Ⅲ、必殺仕事人Ⅳ、必殺仕切人
【表稼業】三味線屋
【裏稼業の殺し方】三味線の糸を離れた敵の首に巻き付け吊り上げて絞め殺す。
若(和田アキ子)
👉飛べ必殺うらごろし
【表稼業】太陽を信仰する行者の先生(中村敦夫)の弟子
【裏稼業の殺し方】パンチ。首が一回転。
などなど、
華麗な殺しのテクニックが凄い。
ありえないけど、かっこいい。
ギャグみたいなものも、それはそれで面白い。
絶対無理だけど、何故かリアル。
それは、
●映像が凝りに凝って、美しい。
特に殺しのシーンは、ライトの当て方やコマ割り、小道具に至るところまで相当に凝って撮影しているとのこと。なので、撮影時間が他の時代劇に比べると長いのだとか。
ここでの例が、必殺仕業人、やいとや又右衛門(大出俊)のやいと(焼いた鍼)で額をひと刺しして殺すシーン。
●世相を反映したつくりになっている。
その時の流行を取り入れてるのがまた憎い。
必殺仕事人Ⅴ激闘編
👉助っ人の仕事人3人(壱、弐、参)が加勢。プロ野球の助っ人外国人を反映か。
左から、
弐(梅沢富美男)【殺し方】扇子の仕込み針で舞いながら喉元をかっ切る。
壱(柴俊夫)【殺し方】怪力の握力で首の骨をへし折る。
参(笑福亭鶴瓶)【殺し方】長崎特産の硝子細工ポッペンで額をひとつき。
必殺仕事人Ⅴ旋風編
「主水、バースになる」
👉プロ野球阪神タイガース優勝で神様、仏様、バース様と呼ばれていた。
「主水、化粧をする」
👉原宿の竹の子族を風刺した内容。
結構、野球ネタが目立つ。とくに関西の球団を珍重している傾向がある。
新必殺仕置人の元締、虎は元阪神タイガースの野手、藤村富美男☝や、
特番で仕事人役の助っ人として、元阪急ブレーブスの投手、アニマル レスリーが出ている。
さらに、
●オープニングの甚句が、かっこよく、ナレーター陣も面白い。
渋いものから、テンポのいいもの、早口言葉や世相を皮肉るものまで、ナレーションが面白い。
それを読み上げるナレーターも個性溢れる面々。
藤田まこと、草笛光子、中条きよし、市原悦子など必殺シリーズに出ている役者の他、
歌舞伎役者、時代劇俳優の中村梅之助や、落語家の古今亭志ん朝、春風亭小朝、
ナレーターで有名な芥川隆之、
アナウンサー徳光和夫、
当時アイドル歌手だった桜田淳子や
ロック歌手の宇崎竜童といった人達がナレーターをつとめている。
その他、
●悪役や殺され役だったのが、仕事人になっている
などなども。この噺はまた機会があればまた。
時代劇は必殺です!
唄は、女は海。