おうちで映画

おうちで映画

映画好き店長のおうちで映画記録。
※moviegoerの映画ファッションブログはお引越ししました!
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おうちで映画

「海街diary」




    

どんなおはなし?


鎌倉の古い一軒家で暮らす3人姉妹。


ある日、離婚した父が亡くなったと連絡が入ります。


3人は父のお葬式に参列すると、そこには腹違いの妹すずがいました。


父の今の妻は3人目で、妹は前妻。。。つまり2番目の奥さんとの子供でした。


居心地の悪そうな妹を見て、長女の幸は「私たちと一緒に暮らさない?」と、衝動的にすずを引き取ることに!



自分の居場所を見つけるハートウォーミングなドラマです。



    

原作は吉田秋生の漫画


バナナフィッシュ』で有名な漫画家、吉田秋生先生の漫画が原作となっていて、映画よりももう少し淡々と明るくて、こちらも素晴らしい作品です。

この原作漫画も強くお勧めしたい!!



    

冒頭から、脱帽の名シーン


冒頭、次女の佳乃(長澤まさみ)が、早朝の鎌倉を小走りに駆けていくシーン。


そこで「ベニスに死す」のマーラーを彷彿とさせるような、菅野ようこさんの素晴らしいスコア!




からの〜「海街diary」のタイトル



・・・これだけで「名作やん…」そう呟いてしまいます。



    

キャスティング良すぎる


まず3人姉妹。

看護師をしながら妹たちを育てるしっかり者の長女の幸を、綾瀬はるか。 


男とお酒が大好き!奔放な次女佳乃を長澤まさみ。


おっとりしてのんびりやの三女千佳を夏帆


そして、腹違いの妹を広瀬すず



もうこの4人が絶妙のバランスで、演技も自然だし、優しく暖かい姉妹の雰囲気はいつまでも見守りたくなります。 

再婚して北海道に住んでいる母は大竹しのぶ。親戚のおばさんは樹木希林

幸の恋人は堤真一。リリー・フランキー、風吹ジュン、坂口健太郎、加瀬亮・・・

お腹いっぱいのキャスティングです。


中でも広瀬すずの存在には目が離せません。



自然美というか健康美というか清々しく純粋です。

目もキラキラ、声も可愛い。素晴らしかった。



    

是枝監督にしては観賞後清々しい


誰も知らない」「万引き家族」・・・素晴らしい映画ですが、私はちょっと是枝監督が苦手なのです。


見た後、心がぎゅーっと痛くなり、2回は見れません。


しかしこの「海街diary」は見終わった後、暖かい涙が溢れます。

そして何回でも見直すことができます。


3姉妹の家族を、自分のお母さんが壊してしまったと気にしているすず。

その想いを暖かく受け止める姉妹。



人はみんな、自分の居場所を見つけるために生きているのかもしれません。


是枝監督の作品の中ではダントツで一番好きな作品で、邦画の中でもベスト10には入るほど好きです。


まだ見ていない方はぜひ!


ちなみに、この映画に出てくる「しらすトースト」が美味しそうで、自分で作ってみたので載せておきます笑





おうちで漫画


「望郷太郎」



    

望郷太郎


みなさんは「度胸星」という漫画をご存知だろうか。


「度胸星」全4巻(未完)

トラック運転手の度胸が、宇宙飛行士を目指してNASDAで訓練を受けるおはなし。謎の生命体テセラックの出現などなど、ほんとにほんとに面白い名作です!続きが読みなくなりすぎるのでご注意下さい笑


なんだか演歌のような渋めのタイトルですが、「宇宙兄弟」にも負けない、宇宙漫画なのです!


しかし、この「度胸星」は未完で終わっており続編も出ない様子。


我が家では伝説の未完の名作と呼ばれ神格化されている漫画です笑


と、いうことで、その「度胸星」の作者の山田芳裕先生の新作がこの「望郷太郎」です!(また演歌ぽい笑)



    

どんなおはなし?


地球に氷河期級の寒波がやってくる!


大企業の支社長を務める、舞鶴太郎は妻と子と共に、コールドスリープ機に入り寒波をやり過ごすことに


しかし、ほんの数年のつもりが、目覚めたのは500年後

妻と子は機械の寿命がつき朽ち果てていた。


そして、そこは原始の地球となっていた!



    

この漫画の魅力


文明は無くなっていますが、人類は生き残っており、原始の生活を送っています。


その中で、支社長まで務めたやり手の太郎の交渉術や、未開の土地の経済の発展などがとても面白いんです!


もちろん、太郎の常識はこの世界では全く通用しなくなっていて、何度も死ぬような目にあうのですが、その度仲間に恵まれ助けられていきます。


その過程で、今まで会社で日々忙殺され、お金に囚われて生きてきた太郎が、お金を使うことで、仲間に寄り良い環境を与えたいと自分よりも他人を思いやる気持ちを持っていく。

そのために自分の才能を使うようになっていくのが大きな醍醐味です。


せっかくリセットされても、また争っている人間を見て嫌気が指すかもしれませんが、太郎の冒険は一見の価値ありです!


ぜひ、読んでみてください!


おうちで映画

「ダヴィンチ・コード」




    

どんなおはなし?


ルーブル美術館で殺人事件が発生!


被害者である館長ソニエールは、ダヴインチの人体図に模したダイイングメッセージを残しており、被害者の友人で、著名な宗教象徴学のラングドン教授に調査が依頼される。


ルーブル美術館館長のソニエールはモナリザにも暗号を隠す…私物化!


暗号解読官のソフィーと共に現場を調査するラングドンだが、実はソニエールの孫だと話すソフィーから、

ラングドン自身がフランス警察から疑われている

旨を聞き、事件の真相を暴くため、2人で逃亡する。


館長はなんのために殺されたのか。

昔の宗教戦争まで遡り、意外な事実が浮かび上がってくる。




    

なかなか練り込まれたストーリー展開

何度もみているのですが、間を置いて見ると毎回、そんな展開だっけ?と楽しめる作品です。


ツッコミどころも多々あるのですが、暗号解読のくだりはワクワクします。


特に、イアン・マッケランが登場してからの展開は胸アツで、人間であったイエス・キリストがいかに神格化されていったか、当時の聖書の編集の様子や、その後のテンプル騎士団などの宗教戦争から現代の宗派の確執までも、全て説明してくれるのです!


イアン・マッケラン演じるリーは紅茶好きでイギリス的なオシャレさをかもし出す。どうしてもガンダルフに見えてくる笑


しかもイアン・マッケランの演技が素晴らしいので、没頭していきます。


そこからラストまでは、二転三転の展開があり、飽きさせない作りです。



    

キャスティングについて

ラングドン役のトム・ハンクスは、天才的な暗号解読の才能を持ちながらも、閉所恐怖症だったり、少し繊細で頼りない部分もある役柄を見事な演技で見せてくれます。


前述のイアン・マッケランの存在感も素晴らしく、ジャン・レノオドレイ・トゥトゥも良かったです。


このシーン、カリオストロの城を彷彿とさせる。オドレイのストールが可愛かった!


そして、ポール・ベタニー!

悪役ですが、悲しい過去を持ち、ただただ自分の神父様と神に尽くしたいと願う青年の末路は悲しすぎました。

これも、ポール・ベタニーの演技力の賜物。


不運すぎるシラスに同情すら感じてしまう。


そしてイケメンすぎる神々しさで、映画全体に妖しさをプラスする存在感。好きな俳優さんです。



    

キーワードについて調べたくなってくる

心をくすぐるキーワードがたくさん出てくる映画です。


ダヴィンチ、ニュートン、テンプル騎士団、聖杯、バチカン、シオン修道会、イエス、マグダラのマリア、ルーブル美術館・・・


ルーブル美術館。改めて美しすぎる美術館ですね。


この辺りについて詳しく「ダヴィンチ・コード・デコード」というメイキングのようなドキュメンタリーもあるので合わせて見たい作品です。


宗教は人の心の拠り所であるはずなのに、なぜ争いに発展するのでしょうか。

この映画でも途中で「命をかけたり殺人を犯してまでなぜ?」って思っちゃいます。


ただ、それほどに強い魔力にも似た力が宿っているのでしょう。


映画の中で、こんなセリフがありました。


「神は人で、人は神」


人は争うもの。

神を作り出しているのも人なので、だから争うものなのかな、と腑に落ちたセリフでした。

おうちで映画


「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティー、カンザス・イヴニング・サン別冊」



どんなおはなし?

架空のフランスの街アンニュイにある新聞社支社で発行されている「フレンチ・ディスパッチ」紙。



カンザス州のイブンニング・サン紙の週末の別冊である本誌は選りすぐりの個性的な記者を抱えとても人気があります。


この「フレンチ・ディスパッチ」の創始者である編集長が亡くなったことで、その遺言により廃刊することになった本誌の最終号の各記事が、オムニバス形式で紹介されます。



実際の「ニューヨーカー」紙をモデルとしている

ウェス・アンダーソン監督が今作のテーマとして掲げているのは、


「アンソロジー」

「ニューヨーカー」

「フランス映画」


ということで、このフレンチ・ディスパッチはニューヨーカー紙をモデルにしているそうです。



ビル・マーレイの演じた編集長も、ニューヨーカー紙の編集長をモデルにしているとのことで、この雑誌への並々ならぬ思い入れを感じますよね。


豪華なウェス劇団

もう一つのテーマ「アンソロジー」については、最終号に寄稿したライターたちの記事を映像で読んでいくような体験でができ、ライターそれぞれの、素晴らしい文章にもため息が出ます


そのライターや、登場人物がまた豪華で『ウェス劇団』とも言うべき楽しさです。





編集長のビル・マーレイ初め、ライターには常連のオーウェン・ウィルソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン、ベニチオ・デルトロ、シアーシャ・ローナン、そしてティモシー・シャラメやレア・セドゥ、リナ・クードリなどのフレッシュな若者もいて、いろんな国や世代がごちゃ混ぜなのに、ウェス監督の世界観によってまとまっていて、それぞれが楽しんで演技しているように感じました。


フランスへの憧れ

3つ目のテーマ「フランス映画」。


ウェス・アンダーソンは、若い頃からフランスの映画や音楽、文化などに憧れを抱いていたということで、この映画ではフランスの俳優も多く起用され、フランス語のセリフも多いです。


またフランス愛について意気投合したという、元PULPのジャーヴィス・コッカーがTIP-TOPという名義で挿入歌をフランス語で歌っていてとてもかっこいいのです。


舞台が70年代ということもあって、お洋服もいちいちかわいい。



レア・セドゥが看守役なんですけど、その制服まで可愛いんですよね。




ごちゃ混ぜのようで調和が取れている

アメリカとフランス、英語とフランス語、多人種、カラーとモノクロ、実写とアニメーション、時間軸、ととにかく目まぐるしく移っていく映画です。


監督曰く、僕の好き勝手作ってる、そうですが(笑)それでもなお完成している映画です。


スタッフ曰く

「ごちゃ混ぜのようで調和が取れている」

という言葉がまさに納得で、強烈で確固たる『ウェス・アンダーソンの世界』があってこその調和なのだと思います。


いつも、ウェス・アンダーソン作品を見る前(あとウディ・アレン、あとジム・ジャームッシュ)は、ちょっとめんどくさいかな・・・って思ってしまうんですけど、見出すと途端にワールドに入ってしまって、魅了され、そのラストには「は〜〜」と、クオリティーの高さに、ため息の大満足となるのです。


その余韻を感じていただくために、ジャーヴィス・コッカーの曲を貼っておきますので、ぜひ聞いてみてください!




おうちで名作


「ショーシャンクの空に」



    

どんなおはなし?


妻殺しの無実の罪でショーシャンク刑務所に投獄された、銀行員のアンディティム・ロビンス)。



悪いグループに目をつけられ、毎日地獄のような生活を送っていましたが、看守の1人に資産運用についてアドバイスしたことがきっかけで待遇が良くなり、所長の経理を担当することになります。


調達屋のレッドモーガン・フリーマン)や図書館のブルックスなど気の良い友人もでき、それなりに充実していたアンディですが、あるときやって来た若い囚人から、アンディの妻を殺した真犯人の情報を聞き出し、所長に報告するのですが・・・。




    

原作はスティーブン・キング


この原作はスティーブン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」という短編です。


この本に収録されています。


リタ・ヘイワース40年代に活躍した女優で、アンディの部屋に飾られている彼女のポスターは、物語の重要なアイテムとなります。


スティーブン・キングといえば、ホラー小説作家として有名ですが、その短編小説をここまで名作にしたフランク・ダラボン監督が本当にすごい!


音楽はトーマス・ニューマンで、「アメリカン・ビューティ」や「ファインディング・ニモ」なども手がけているとても優秀な方です。



    

ティム・ロビンス×モーガン・フリーマン


主人公アンディの刑務所での様子を、レッドはこう表現しています。


この中の誰とも違っていて、まるで公園でも歩いているように優雅に見える。


この何処か飄々としていて、刑務所にいながら何処か遠くを見ているような雰囲気を、ティム・ロビンスが見事に演じていました!


また、アンディに感化され、希望を持つようになるレッド役のモーガン・フリーマンも負けじと見事な演技を見せてくれます。



2人の演技対決とでもいうかのような映画で、高めあっていく2人の関係性が見ていて清々しく、暖かな余韻を残します。



    

テーマは「HOPE=希望


HOPE=希望」をわかりやすく、また心に残るように描いた作品で、人間が生きていくうえで、希望がいかに大事なのかを気づかせてくれます。


特にラストシーンは何回見ても鳥肌が立ち、目がじわっと熱くなります。



そして、日本語吹き替えではなく、ぜひ英語で見て欲しいです。


HOPEという単語がとても効果的なセリフとなって心に響きます。


I hope・・・


希望があるのは素晴らしいことです。


どんな小さな希望でもいいので、hopeを抱きながら生きていきたいですね。