連続殺人犯、アイリーンの話。

幼児期に近親者から性的虐待を受け続け、13歳から娼婦として金を得ていた主人公。実在のアイリーンの写真も見たが、すさまじい人生だ。裁判の場面の写真だろうか、目を見開き「怒り」に満ちた顔をしている。

"rage"

これこそアイリーンの衝動のもとなのだ。

この役を演じようと思いたち、体重を13キロ増やし、特殊メイクをして「妖怪」の容貌になった、シャーリーズ・ セロン。何が彼女をここまで突き動かしたのか?こちらの方が謎だ。

この美貌ですよ。 セロン1
     Monster monster


美女の気持ちは推し量ることが出来ないが、この役に挑んだシャーリーズ・セロンのなかに、破壊衝動のようなものを見るのは穿ちすぎか?それほどまでに、この演技はすさまじい。主人公の rage がリアルに伝わってくる。

シャーリーズ自身、生い立ちに悲惨な出来事を負っている。そのことと、この作品とは無関係ではあり得ない。強烈な自己確認をこの作品を通して行ったに違いない。この作品はシャーリーズ・セロンの病理と回復に必要な治療であった。

クリスティーナ・リッチの、無垢で無神経な女の演技にも見るべきものがある。

無防備で、気まぐれで、自分勝手なものこそ、愛すべき存在だ。振り回され、裏切られ、どっぷりと依存しされる。一人ではなにもできない。どんなに面倒を見てやっても、感謝の言葉すら言わない。

そんな女は嫌い?

俺は可愛くて仕方がない。なんとしても、その女の気持ちをつなぎ止めておきたい。言いなりになる女なんか、つまらない。これほどまで駄目な俺にどっぷりと依存してくるわがまま女。愛しい。可愛い。裏切られてもいい。いま、ここでこうしていられるなら。

観覧車の場面はそのような気持ちが錯綜して涙があふれた。

表現はすさまじいが、この映画はラブストーリーだ。シャーリーズ・セロンの壊れっぷりと、クリスティーナ・リッチの愛らしさを見る作品だ。

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