なぜ見たのかは聞かないでくれ。

気持ち悪かった。不潔なのと、グロテスクなのとで嫌になる。恐怖の場面も日本のホラーを見ているので、少しも驚かない。声をひそめておいて、いきなり大声で「犯人はお前だ!!!」とやるネタがあるでしょう。あんな感じで読めちゃうんですよ。高校生女子が5人ぐらいで見に来ていたが、だれも一言も悲鳴を上げなかった。いいサンプルだと思って観察していたのですが。。

ホラーとして語ってもしょうがないので、映画から見えるイギリス社会のあれこれを書き留める。

地下鉄ホームに取り残された主人公の女性が恐ろしい目にあう話。最初の敵が、仕事の仲間でコカインを常用するような男。イギリスでは合法なんだ。そいつが、主人公を地下鉄の駅で待ちかまえていてレイプしようとする。頭悪いよ、まったく。スーツ着て、コカインをきめながらだよ。そんな社会なのかよ。

地下鉄のチケットを買うのがめんどくさい。高額紙幣で買えない機械があって紙幣両替機に行け、とか言われる。で、そーゆー場所には乞食がいて、半日パスを売りつけたりする。もちろん終電近くだし、得か損かは値段によるのだが、めんどくさければそれを買ってしまえばいい。

ここで主人公のサラリーマン階層の行動を見る。1.5ポンド、という言い値を20ポンドで買うのだ。この女、何かというと財布を出して、相手を動かそうとする。そのチケットを買おうとした別の女は、負け惜しみに、違法よ、とか言う。負け惜しみを言うところが、イギリス女性、という感じがする。それも、違法だ、という言いぐさが。

地下鉄駅構内のちょっとしたスペースにホームレスが住んでいる。ぴっぷぴっぷしゃべるスコットランド訛りだ。なるほどね。下層階級はスコティッシュなんだ。その男に、50ポンド出すから、警備員室に連れて行け、と命じる主人公。金ですよ。ホームについて、さっきのレイプ男を線路から引き上げてもらうために、もう50ポンド払うわ、だって。すごいね。こんなに金を貧乏人にくれてやる映画ははじめて見た。

最後に、助かった主人公、地下鉄のホームに、泥まみれ、ぼろぼろの格好でへたり込んでいる。始発電車に乗る通勤客の足が見え、仕立ての良さそうなスーツの男が近寄ってくる。「May I help you?」じゃないんだよ。手に何枚か入れたコインを女の脇にすっと置いていくだけ。格好いい!乞食に金をやるマナーを見たよ。日本もそのうち、イギリスのようなすさんだ社会になるだろう。そのとき、ホームレスに格好よく金を置く仕草を見た。

この映画で殺されるのは、汚い下水道の現場作業員の白人、その仕事に就いたばかりの前科者黒人、スコッティッシュ・ホームレス二人、コカイン・レイプ野郎(白人サラリーマン)、電車の運転士、駅のどうしようもない警備担当者、おそらく元医師。

主人公の白人はドイツ系と言っていた。こんなところで。。。ご退屈さま。

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マフィアが映画界を仕切っている。本当かどうかそんなことは知らない。しかし金と暴力で言いなりになる映画会社があるのではないか、と多くの人は漠然と思っている。

スーツで決めた強面男二人組。アタッシェを持っている。映画会社に入っていく。会議室では太い黒縁眼鏡をかけた若手の売れっ子映画作家らしき人物が、会社の役員クラスに説得されている。金を出しているマフィアの意向を入れて、今制作中の作品に、マフィアの推薦する女優を使ってくれと言うわけだ。頑強に断り続ける映画監督。名前は、アダム・ケシャー。名前と顔に「ユダヤ人」と書いてある。マフィアの名前は、カスティリアー二兄弟。イタリア系だ(笑
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傲慢なマフィアの立ち居振る舞いに、いくつかのギャグが入っている。握手には手をださない。お座りくださいといわれる前に勝手に座る。エスプレッソの味が気にくわない。。。ネタを書いてしまっても、映画を見なくては意味のないギャグばかり。演技の可笑しさをぜひ見て欲しい。見れば分かります。

頑強に拒否するアダム。頭に来た彼は、マフィアが乗ってきた高級車をゴルフクラブでめちゃくちゃにする。傲慢なマフィアの振る舞いを見た後だから痛快だ。アダムも最高級スポーツカーに乗っている。車オタクならいくらでも蘊蓄が語れるだろう。シルバーのオープンタイプの格好いい車。

黒幕の部屋が映され、マフィアに関係のあることが示される。アダムが推薦した女優を断ったことを報告している。

場面が変わって、チンピラのオフィス。ボスっぽい男が、マルホランド・ドライブでの事故に関わりがあるような話をしている。立って話しているジョーという若者が、いきなり銃を撃つ。ここからの、「殺しのスラップスティック」はぜひ見てください。段取りは書きません。腹を抱えて笑ってください。何度見ても笑う。「Lock,Stock and Tow Smoking Barrels 」の、スコットランド訛りの二人組に匹敵する。

さて。これで重要な登場人物は全部出揃ったかな?重要そうな人物が重要ではなく、取るに足らないような人物が重さを持ってくる。リンチの仕掛けた謎はまだまだ始まったばかりだ。

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黒髪の美女がバス・ルームでシャワーを使っている。ガラス越しに見える女の肌色はエロティックだ。ここで、黒髪の女が、事故で記憶を失っていることがわかる。女はナオミ・ワッツに名前を尋ねられて自分の名前を思い出せない・・・・。ふと見ると、壁にリタ・ヘイワースの「ジルダ」 のポスターが見える。そして、自分の名を、「リタ」と名乗る。
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キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」(映画「ショーシャンクの空に」の原作中編)にもあるように、ハリウッドを代表する有名女優だ。「ジルダ」 は1946年の作品で大ヒットしたそうだ。

「ジルダ」 のトレイラーを見て欲しい。歌い演技するリタ・ヘイワースが見られる。今回探してみて、はじめて見たが、感激した。
      ritha
      
そして、リタの写真。「ジルダ」の時のものだ。これは、「マルホランド・ドライブ」の黒髪の美女と同じだ。リンチは、この写真を知っているに違いない。

(この項続く)
 
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ゴージャス美女は忍び込んだ部屋で眠っている。

イヤフォーンとマイクをつけた業界の黒幕然とした男。妖怪じみたその男はカーテンのあるスタジオのような部屋で無言でいる。後ろ姿の男が電話をする。髭の口元。妖怪に話しているらしい。シャンデリアのある古めかしい建物の中にいる。その話が終わるとすぐ別のところに電話をかける。
    黒幕
壁掛け型の黄色い電話が鳴る。腕しか見えない男が一言話し、また他のところに電話をかける。ここで面白いのは、1をダイヤルをする替わりに、フックをがちゃがちゃやることだ。昔のアナログ電話はそうだった。117や177をかけるとき、ダイヤルを回さず、フックを、がちゃ77、がちゃがちゃ7とやらなかっただろうか?俺はそうやって架けていたので懐かしかった

呼び出した先は、赤いランプシェードの下にある電話機。吸い殻のたくさん入った灰皿が置いてある。すべてが意味ありげで、謎は深まる。ゴージャス美女のことを探しているようだ。

輝く笑顔でLA空港に降り立つナオミ・ワッツ。機内で親しくなった老夫婦と別れを惜しんでいる。「スクリーンで会えるのを楽しみにしているわ」。ナオミ・ワッツは女優になるためにこの町に来たのだ。老父婦は幸福そうにサンセット大通りをタクシーで走っていく。期待に胸一杯のナオミ・ワッツ(理由があって役名で書かない)。タクシーの運転手も親切ですべてがうまくいきそうな予感がする。

サンセット大通りの椰子の木が、山の上にある大きな「HOLLYWOOD」のサインにオーバーラップする。

美しい豪華アパートに降り立つナオミ・ワッツ。幸せの絶頂のような表情をしている。日差しに美しく輝くブロンド。ナオミ・ワッツは若々しく美しい。叔母の計らいでこの家に滞在するのだ。手はずはすべて整っている。

大家のココ。ハリウッドの大物ベテラン女優が演じる。大きな粒でできた長いネックレスをかけ、派手な身なりは印象に残る。俺は日本人であのような女性を一人だけ知っている。高齢だが、港区の外国人向け超高級マンションのオーナーだ。その人は、本当に大きな財布を手が白くなるほど握りしめていた。ココのように親切ではなく、猜疑心が強いようだった。その女性の部屋を思い出した。
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夢見心地で部屋を見て回るナオミ・ワッツ。すべてが美しく整えられ、豪華な作りになっている。歩き回っていると、黒のバッグとドレス、ハイヒールが脱ぎ捨ててある。バスルームの前だ。ドアを開け中にはいると・・・・。

(この項続く)

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「MULHOLLAND DR.」の道路標識。暗い山道。走る高級車。早くも怪しげなサスペンスがある。暴走する二台の大衆車。起こることが予測できる。ゆっくり走る高級車。チンピラのわめき声とともに狂ったように走ってくる大衆車。

高級車の後部座席には黒髪のゴージャスな美女が乗っている。黒いイヴニング・ドレス、真っ白な肌、赤い口紅。エキゾチックな面差しは蠱惑的だ。ローラ・エレナ・ハリングが演じている。メキシコ生まれのこの女優は1985年、ヒスパニックではじめてミスU.S.A.に選ばれたそうだ。俺にとって、また多くの人にとってもさほど有名な女優ではないことも重要だ。これほどの美女なのに。ミステリアスだ。
ロウラ
突然、後ろを振り返る運転席の男。銃を突きつけ「下りろ」と命じる。考える間もなく爆走車が衝突する。
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よろけて車から逃れ出る美女。ゴージャスな肢体が目に入る。着飾ったとびきりの美女だ。眼下の町の灯りを見て茂みを下っていく。額から血が流れている。人目を避け、たどり着いた家の玄関先にある茂みに横になる。
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この出来事は一体何なのか?ヤクザの情婦がトラブルに巻き込まれた?麻薬取引のもめごと?とにかく、ゴージャス美女は予期せぬ交通事故によって直面する危機を逃れた。

旅支度をする女性。玄関先の車のトランクに荷物を積み込んでいる。昨夜の美女が眠っている玄関だ。鍵が開いてる隙にドアから家に忍び込む美女。鍵を確認して去っていく女性。危うくテーブルの下に身を潜める美女。見ている俺たちは美女に感情移入している。台詞がひとつもなく、説明もなにもない。疲れて眠る美女。

ウィッキーズ。デニーズみたいなファミレスだ。向かい合って話す男二人。神経質そうに話す若い男の顔が可笑しい。眉の感じ、目つき。どう見ても変な顔だ。ニコラス・ケイジっぽいかな?(笑
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話の内容がまた変だ。自分の見る夢のことを話している。相手は刑事なのだろうか?よく分からない。振り返ると刑事がファミレスで金を払うために立っているのを見た、とか言う。それと、店の裏におかしな男がいる、というのだ。「夢の中以外ではそいつに会いたくない」とか言っている。

「じゃあ行ってみよう」。なぜか気軽な刑事。立ち上がって支払いをする刑事。振り返る若い男。確かに刑事が立っているのを見る。デジャビュなのか?しぶしぶついていく若い男。あまり食べていないベーコンエッグの皿とコーヒーカップがテイブルに残される。店の前の公衆電話の前を通り、入り口はこちらという矢印の張り紙の前を通り、ブロック塀を覗くと・・・・・・。

(この項続く)

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冒頭、紫色のバックで、踊り狂う男女の映像が映る。その「ダンス」は、洗練とはほど遠く、服装も時代錯誤の田舎臭いセンスだ。ジルバの大会なのだと いう。スポットライトを浴びて嬉しそうに笑顔を見せる、ナオミ・ワッツ。二度目に見ると、笑顔が痛々しく感じる。祝福の笑顔を見せる老夫婦の顔もあ る。
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バックの色が赤に変わり、ベッドの上の枕の生地が見えてくる。影が迫り、暗転。
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ここまでが導入なのだが、一度見た後では、「ジルバ大会」と「ベッド」で、この映画のすべてが語られていることに気づく。もうこうなったら、デイヴィッド・リンチの手の内を見る楽しみでいっぱいだ。

ハリウッドでの成功の証し、マルホランド・ドライブ。曲がりくねった山道を登り切ると、名声と富を手にした者のみが持つ豪邸が建ち並ぶ。眼下には町の灯りが宝石をぶちまけたように輝いている。その一粒一粒には成功を夢見る者、また失意の底にある者もいるに違いない。
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この映画は、ハリウッドの内幕ものだ。ビリー・ワイルダーの「サンセット大通り」 を思い起こす。サイレント時代の大女優が過去の名声に執着する話。刑事コロンボにも同様のストーリーがあった。過去の大女優を、当時61歳のグロリア・スワンソンが演じ、すさまじい執念を見せた。人間の心の奥底の恐ろしさを垣間見る傑作だ。ワイルダー作品は「失われた週末」「アパートの鍵貸します」「お熱いのが好き」「麗しのサブリナ」などいい作品がいっぱいある。

椰子の並木を見上げるショットはさまざまな映画で見る光景だ。ナオミ・ワッツ演じる「マルホランド・ドライブ」の主人公も期待に輝き、ロスに降り立ち、颯爽とサンセット大通りの椰子を見上げる。
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この映画は一度見ただけだと、よく分からない。一応、納得のいく結末があるのだが、細かいところが気になって、もういちど見ずにはいられない。

デイヴィッド・リンチの狙いどおり、すっかりこの映画の世界に入り込んでしまう。少しずつ記述していきたい。

俳優の演技を楽しみ、ハリウッドの内幕を垣間見て、魅力ある女優の美しい姿を見られる映画。謎解きもあり映画の楽しみが詰まっている。

(この項続く)

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「Secret Window」 Mountain Dew

テーマ:
主人公モートが、冷蔵庫から出して飲む缶入り飲料。Mountain Dew だ。缶の色が緑で綺麗なので映画全体の色調に合わせてあるのかも知れない。ロゴに赤い色が入っているのもアクセントになってる。

モートの山荘にカメラが入っていくところで、仕事机の上に飲みかけのグラスがある。そこに入っている黄色の液体がMountain Dew 。甘ったるい、微炭酸の、メロウな飲み物だ。昔、日本でも売っていて、俺は好きだった。いまでも手に入ったら飲みたい。アメリカ ではいまも普通に売っている様子だ。
       
シューターの原稿に缶を倒してぶちまけてしまうのもこれ。キングの原作では「ペプシの壜」となっている。エイミーと電話で話す場面でも缶のロゴがはっきり分かるように映っている。でも本当に飲んでいたのは、バーボンの「ジャック・ダニエル」なのかもしれない。

食べているのは、Doritos のコーンチップス。原作では「年代物のとうもろこしチップ半袋。」が机の中にあることが書かれている。たばこを探す場面だ。デスクオロジー(机上学)なんていう言葉まで作り出してたっぷり2ページかけて机の中を描写する。

たばこの銘柄も同様にトリビアだ。L&M、Pall Mall。俺も高校の終わりから(!)たばこを吸っていて、大学4年の頃吸うのをやめた。たばこを吸う気持ちがわかるので、モートが机からたばこを見つける場面を見ると、俺もちょっと吸ってみたくなる。モートの気持ちに共感する。キングの原作も、丹念にモートの日常のトリビアルなことを書き込んでいく。これがキングのマジックだ。

郵便局の女性がダイナーの売店で6本パックで買っているのも、Mountain Dew。「ピカピカの笑顔(c)師匠」の怖いモートが口説いちゃうお姉さんだ。ジュリエット・ストーカーという名前がついている。

シューターのミシシッピ訛りも面白い。紹介できるネタを探してみたい。
香椎由宇がかわいそうだ。こんなくだらない企画に、客寄せ、金集めのために入れ込まれて、身の丈に合わない「女子高生」を演じさせられる愚劣。香椎由宇の 女子高生姿なんか見たくない。日本人のロリコン志向を嫌悪する。香椎由宇にはきちんとした大人の役を与えるべきだ。香椎由宇の資質を生かせるクリエイター が日本には一人もいないのか?暗澹たる気持ちになる。
        リンダ
ゴミだらけの部室。無責任で身勝手なガキども。汚らしいバンド崩れの大人。音楽への愛情も熱意も感じられない。薄汚れた校舎。抜けの悪いくすんだ映像。悪趣味なギャグ。若者や音楽業界に媚びた最悪の映画だ。

監督がどうのこうのと蘊蓄を語るのが嫌いだ。しかしこの作品は監督の資質を考えずにはいられない。出来損ないポルノ映画を撮った監督の、出来損ない「青春映画まがい」がこれだ。見るも無惨!

監督の興味はどこにあるのか。「ブルーハーツ」の歌にだって、何の思い入れも感じられない。どこにでもいる高校生のつまらない日常をだらだら描く。モラルの話ではない。雑然として、だらしない、幼稚で、きまぐれな、見るに値しない日常をことさら描く。出演者がなにより楽しそうではない。わざとそうしているのだろうが、ふてくされた顔ばかり、意味ありげに映す。鬱陶しい。

俺は何の関心ももてない。身の回りの子供たちのほうがよっぽど生き生きしている。死んで腐った嘘のリアリティに金を払う価値はない。

美しい映像が一つもない。心に迫るエピソードが一つもない。面白い場面が一つもない。音楽の良さを感じる場面がない。バンドの楽しさを感じない。達成感がない。ごみや雑然とした場所ばかり撮る。愛らしい女の子が一人も出てこない。小生意気なわざとらしい不快な幼児が二人も出てくる。心に残る台詞が一つもない。意外な展開が一つもない。懐かしく思う場面が一つもない。爽やかさをすべて殺している。

2時間、苦痛を強いられた。時間の無駄。実際の日常よりも意味を感じない映画を見るなんて最悪の体験だ。

子供に係わる大人の汚らしさも見たくない。バンド崩れの小汚い男が、ゴミだらけの車に乗って出てくる。わざわざ汚物ばかり見せる監督のセンスを嫌悪する。気安く、香椎由宇の肩に触るんじゃねぇ!!!!!

監督自身の、高校時代ってのは、みんなこんなふうにもどかしく、いい加減で、なんか懐かしいもんだ、程度の思い入れで作った演出だろう。卒業アルバムを懐かしんでいるようでよかった、という感想も聞いた。そういう感傷が嫌いだ。どうです、なつかしいよね、とべたべた媚びてくる奴らが大嫌いだ。いいかげん卒業しろ!!!

どうせお前は、いつも真剣に動く他人ばかり見てきたのだろう。当事者になることを徹底して避け、傍観者でいたのだろう。その見てきただけのものを、映画にしたのがこれだ。古くさいNHKのドキュメンタリでも撮ってればいい。自分の思い入れだけの深刻ぶった青春もの。すぐ公民館で車座になって話し合いする、あれだよ。村の青年団の寄り合い。あんたにはそれがお似合いだ。

監督と同じ生き方をしている人は共感するかも知れない。俺はそういう奴らが大嫌いだ。監督は試写を見て泣きそうになったそうだ。気持ち悪い。オナニーじゃん!!!!!最悪の表現で罵っておく。

香椎由宇さんの美貌だけが際立って、「掃きだめに鶴」とはこのことだ、と思った。それ以外、見る価値なし。この駄作を見てしまったことは早く忘れて、香椎由宇さんの次回作に期待したい。

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「スタンド・バイ・ミー」(1986) ロブ・スタイナー作品。
少年期を描いた佳作。映画として傑作でしょう。繊細で美しいノスタルジックな映像と、見たら忘れられない子役たちの演技が光る。何度見てもいい。原作の小説もすごくいい。キングを読もうと思う人はこの作品から入るといい。超自然の「ホラー」要素がなく、作家としてのキングの才能がよく分かる。映画とは違うエピローグに涙する。話し上手なキングを味わって欲しい。小説内小説が出てくるメタ・フィクションでもある。

「バトルランナー」(1987) ポール・マイケル・グレーザー作品。
シュワルツネッガー主演のアクション映画。キングの原作(リチャード・バックマン名義で書かれている)の内容とは大きく離れ、ほとんど関係のない作品。ただし映画も原作も面白い。

「ペット セメタリー」(1989) メアリー・ランバート作品。
丁寧に原作に沿って作られ、原作の悲しみも表現されている佳作。キング自身も出演している。小説も映画もいい。日本で公開された1989年夏は、宮崎勤が逮捕された夏で、「ホラー」というだけで人目をはばかる雰囲気があった。俺はこの夏、北海道に一週間ばかり行ったのだが、台風が来てひどい目にあった。台風が過ぎ去っても、札幌とは思えない湿度と猛暑が続いたことを思い出す。

「ミザリー」(1990) ロブ・ライナー作品。
「スタンド・バイ・ミー」と同様、超自然現象は起こらない。サイコ・スリラー。キャシー・ベイツの怪演で、恐ろしい映画になった。人間が一番怖い。作家と作品のファンの話だが、「秘密の窓、秘密の庭」につながる、メタ・フィクションの手法がとられている。タイプが徐々に壊れていく表現が面白い。本も凝った作りで、「ミザリー」のカバーの下に「ミザリーの帰還・ポール・シェルドン作」という別の表紙がついている。しかも、ヒーローの顔はキング自身。このあたりがオタク心をくすぐってやまない。ペーパーバックでもその作りを生かしてあったのが素晴らしい。持ってます。読まずに見るだけでも楽しめるのがキングの本。

「ショーシャンクの空に」(1994) フランク・ダラボン作品。
「刑務所のリタ・ヘイワース」が原作。タイトルからして固有名詞を使ったキングらしいスタイル。「スタンド・バイ・ミー」が含まれる、中編集の一編。映画として人気が高い。俺もいい映画だと思うが、それを超えて原作がいい。読むべし。

「痩せゆく男」(1996) トム・ホランド作品。
原作で読んで面白い。映画はどうなるのかと思ったら、相当面白かった。また見たい。レンタル屋にあるかな?

「ゴールデン・ボーイ」(1998) ブライアン・シンガー作品。
これも、原作が面白い。映画も恐ろしい。また見たい。

「グリーン・マイル」(1999) フランク・ダラボン作品。トム・ハンクス主演。
これも読んで面白かった。分冊で出版され、翻訳の文庫も同じように毎月出版された。続きが楽しみで、販売日にすぐ買ってすぐ読み終えた。幸せな読書体験だった。映画も、原作の雰囲気をよく伝えて面白かった。詳しくは改めて書こう。

これ以降、キングの本も読んでいないし映画も見ていない。まだまだ山のように本はあるし、映画もある。オタク心が全開になってしまった!!読むぞ!!!!

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馬鹿警官が、誇り高きペルシャ人一家を脅しあげ、恐怖から母国のペルシャ語で話す婦人に「英語で話せ!!!」と怒鳴りつける。激しい憤りがこみ上げた。あの警官を殺せ!そう思わないペルシャ人はいないだろう。

なんだこれは?全世界慟哭の結末?泣ける映画?くだらないにもほどがある。そんな売り方しかできないのか?

この映画は、無知で愚劣な男と女が、誇り高き「ペルシャ」のパーレビー国王に仕えた亡命大佐一家を愚弄しまくる不愉快な映画だ。アメリカ白人の人種差別をあからさまに扱っている。

馬鹿なアメリカ白人は、ペルシャ語を話すイラン人と、アラブ人の違いが分からない。イランとイラクは戦争していたんだぞ。テヘランとバグダットの違いも知らない。ペルシャ人の名前を正確に覚えない。

まさかこれを読んでいる日本人のおまえらも知らないわけないよな?・・・とは言うものの、イランもイラクも、ペルシャもアラブも悲しいまでに日本人にとって遠くにある。イスラムも知らない。馬鹿アメリカ白人と同じだ。

傲慢で無知無教養白人アメリカ人。大部分のアメリカ人がこの通りなのだろう。日本人のほとんども同じだ。異なる文化に敬意を払わない。

人種差別。無知が偏見を生み、偏見が差別を増幅する。無知のままでいることが「悪」なのだ。無知が差別を維持し続ける。

映画「スーパーサイズ・ミー」の監督モーガン・スパーロックが、アメリカのテレビで作っているシリーズで「Thirty days」というのがあるそうだ。町山氏のラジオで聞いた。

キリスト教原理主義の若者。「イスラム教徒のテロリストはアメリカから出て行け!」キャンペーンをやっている。その男をインテリ・イスラム教徒の家に30日間、ホームステイさせる、という企画。弁護士と大学教授の家庭で、金持ちの家だ。一切、自分の立場を主張することは許されず、30日間、アメリカのイスラム教徒として過ごすことを強制される。で、どのようにその男が変わるか?

その男は、イスラム教のモーセ五書と詩篇が、キリスト教のものと同じであることを知らなかった。アメリカにいるイスラム教徒の大部分は、イラクの過激なイスラム教徒が嫌でアメリカに来ているのだから、アルカイダを憎悪していることをその男は知らなかった。

30日過ぎて、その男は「アメリカにいるイスラム教徒の大部分はテロリストと無関係」キャンペーンをするようになる。街角でチラシを配っていると、道行く人たちに怒鳴りつけられる。「テロリスト!あっちへ行け!!」

人間は愚かなものだ。

イギリスの、リーズには3万人のイスラム教徒がいるという。パキスタンからの移民がほとんどだ。ロンドンにも、何万人ものイスラム教徒がいて「ロンドニスタン」という言葉もある。異なる文化に敬意を払わず、差別と偏見で覆い尽くし、来るところまで来ているのがイギリスの現状だろう。

無知はすべて「悪」の根源。日本と朝鮮韓国、中国との関係もそうだ。まず知ること。偏った扇動情報を鵜呑みにせず、自分の目と耳で学べ!!身の回りの異文化を認めろ!!敬意を払え!!

この映画のくだらなさを自分の問題だと感じられたら有益だ。馬鹿な男女のメロドラマとして見るならクズのクズ、ゴミ映画だ。自分の馬鹿さ加減に泣けばいい。泣けたからいい映画だなんて馬鹿げた価値観はすぐ捨てろ!!

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