パーフェクトワールド 君といる奇跡 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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綺麗事だけではない。共に生きてこそ知る、本当の愛とは。

2018年10月5日公開
監督:柴山健次
出演:岩田剛典・杉咲花・須賀健太 他

【賛否両論チェック】
賛:お互いを愛しているからこそ、傷つけまいと遠ざけたり、逆に傷つけたりしてしまう。そんな2人も恋路がもどかしくも切ない。障がいを持った人間が、大切な人と寄り添って生きていくことの大変さや、それ故の困難を乗り越えた時の温かさも、心に染みる。
否:展開は結構強引で、ご都合主義感も否めない。終わり方もやや予定調和か。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・ほんの少しだけあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし


 コミックの実写映画化です。高校時代の初恋の人と再会したヒロインが、事故で車イスとなってしまった主人公と恋をしていく物語です。主演は岩田剛典さんと杉咲花さん。

 物語のヒロインは、インテリアデザイン会社「クランベリーズ」で働く川奈つぐみ(杉咲花)。ある日のこと、彼女の隣りの席の同僚達が、その日の夜に飲み会がある取引先のパンフレットを見ながら、
「カッコイイ!!」
と盛り上がっていました。しかし、何気なく覗き込んだつぐみは驚きます。載っていたのは、一級建築士の鮎川樹(岩田剛典)。何を隠そう、彼はつぐみの高校時代の先輩で、ずっと片想いをしていた相手でした。その後2人は、飲み会の席で奇跡的な再会を果たすのでした。

 長野県で過ごした高校時代。図書委員だったつぐみはある時、1人2冊までしか本を借りられないところを、無理やり4冊借りようとする男子生徒と出逢います。これが樹との最初の会話でした。結局本そのものが持ち出し禁止のものだったため、樹は仕方なく図書室で読むことに。夕方になり、西日を眩しく感じていた樹でしたが、それを察したつぐみがすぐにブラインドを閉めてくれます。その後2人は自然と打ち解けていきますが、当時の樹はバスケ部の人気者で、つぐみにとっては遠い存在だったため、結局樹に想いは伝えられずじまい。そんなつぐみは絵を描くのが好きだったので、よく体育館が見える桜の木のそばで、絵を描いていることが多かったのでした。

 場面は戻り、現在。飲み会後、店を出ようとした時、つぐみは初めて樹の脚が動かず、車イスで来ていたことを知ります。後日打ち合わせも兼ねて2人で食事に行った際、つぐみは樹から、大学3年の時に交通事故に遭い、脊髄を損傷してしまったことを聞かされるのでした。それでも夢を諦められなかった樹は今、建築士として活躍をしていましたが、車イスを理由に仕事を断られることもあり、悔しい想いも沢山してきたとのこと。そんな彼の情熱に、つぐみはまた少しずつ惹かれていくのでした。

 そんなある日のこと、樹のチームが参加する予定のコンペのために、全身全霊で準備を進めていた樹が、直前になって高熱で倒れてしまいます。それでも諦める訳にはいかない樹は、看護師の制止も聞かずに、病床でプレゼンテーション用の絵コンテを画き続けようとするのでした。その様子につぐみは、いてもたってもいられなくなり、
「私に手伝わせてくれませんか?」
と声をかけます。かねてから彼女の才能を評価していた樹は、これを快諾。いつしかつぐみは、樹の力になろうと必死になっていたのでした・・・。

 片や夢を叶えながらも、車イスのために他人の助けなしでは生きられない自分を卑下し、重荷にならないようにと、誰かを愛することを諦めて生きていた樹。片やそんな樹と再会し、なんとかその力になりたいと一生懸命になるうちに、ついつい無理をしてしまい、それがかえって相手を追い込んでしまうつぐみ。お互いがお互いを想いやるが故に、時としてその行動でお互いを傷つけ合ってしまう。樹とつぐみならではの、もどかしくて切ない恋模様に、観ていて胸がいっぱいになります。

 決して綺麗事だけでは片づけられない、障がいを持った人間を取り巻く厳しい環境と、それを愛する人と共にどう乗り越えていくのか、感動だけではなく現実的に深く考えさせられるところもありますね。芦名星さん演じる長沢が告げる、
「彼と付き合うには、覚悟が必要よ。」
という言葉に、全てが表れているように感じます。どことなく、「抱きしめたい -真実の物語-」や「泣き虫ピエロの結婚式」といった作品の雰囲気を思い出しました。

 「人は独りじゃ生きられない。」
そんなヒロインの言葉にもあるように、お互いに寄り添い合って生きてこそ初めて知る、真実の愛の物語です。是非劇場でご覧になってみてください。


【ワンチャン・ポイント】
※須賀健太さん・・・本作では、ヒロインを温かく見守り続ける是枝洋貴役。最近の映画では「ALWAYS 三丁目の夕日」での古行淳之介や、「青鬼」「劇場版 媚空 ビクウ」での少年役、「シマウマ」「ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS」「獣道」での狂気に満ちた役どころや、「ちょっとまて野球部!」での主演等が有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>