あのコの、トリコ。 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

ツッコまなければ胸キュン(笑)。一風変わった恋愛サクセスストーリー!!

2018年10月5日公開
監督:宮脇亮
出演:吉沢亮・新木優子・杉野遥亮 他

【賛否両論チェック】
賛:最初は頼りなかった頼が、片想いの相手との運命の再会を経て、次第に大きく成長していく姿が微笑ましい。雫との恋模様にも、観ていて胸キュンさせられる。
否:展開は何から何まで都合良く進みすぎるので、思わず興ざめしてしまいそう。感情移入するのも、なかなか難しいか。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし


 少女コミックの実写映画化です。モデルになった幼馴染みと再会した主人公が、自らも芸能界で生きながら織り成す恋愛ドラマです。主演は吉沢亮さん。

 芸能コースがあることで知られる、堀切学園高校へと編入してきた、冴えない高校生・鈴木頼(吉沢亮)。しかし如何せん声が小さくてオドオドしている彼は、編入手続きに来た初日から、バスを降りるのには失敗するわ、職員室の受付では声が小さくて何度も聞き返されるわで、散々でした。そんな彼が学校の中庭を歩いていると、走ってきた1人の少女が追い抜きざま、頼に気がついて驚きます。彼女はかつての頼の幼馴染み・立花雫(新木優子)。久しぶりに再会した彼女は、現在は中高生に大人気のモデルになっていました。天真爛漫な雫は頼との再会を喜ぶと、半ば強引にアドレスを交換して、待たせていた友人達と去っていくのでした。

 遡ること9年前。まだ幼かった頼と雫は、もう1人の幼馴染み・東條昴も含めた3人で、一緒に子役のオーディションを受ける仲でした。しかしそんな3人の中でも、声が小さい頼はいつも不合格ばかり。それでもある日、雫の夢がスターになることだと知った頼は、彼女の笑顔を見たい一心で、自分もスターになるという約束をします。そんな約束をしたその日、昴と公園のジャングルジムで遊んでいた雫は、手を滑らせて転落してしまいますが、間一髪で駆け寄り彼女を受け止めたのは、他ならぬ頼でした。その日以来、頼はずっと雫に、淡い恋心を抱いていました。

 そんなこんなで、堀切学園へと編入した頼でしたが、ある日突然、知らない番号から電話がかかってきます。電話の主は、雫が所属する芸能プロダクション「奥井企画」の社長である奥井(古坂大魔王)。早速事務所へと呼び出された頼は、雫が自らの付き人に頼を推していることを聞かされ、困惑します。しかも頼は、とっくに役者になるという夢を忘れていたにも関わらず、雫は勝手に頼が役者志望であると伝えていたのでした。困り果てる頼でしたが、奥井にせかされるがままに、雫が待つ現場へと向かうことになりますが、慌てて事務所を出ようとした時、頼は1人の男性とぶつかってしまいます。その人物こそが、後々彼の人生を大きく変えることになる監督・近藤啓(岸谷五朗)だったのですが、この時はまだ知る由もありませんでした。

 こうして頼が雫の付き人を始めてからしばらく経ったある時、雫に有名な下着メーカーのCMの仕事が舞い込みます。しかも相手役は、同じくモデルとして人気を博していた昴(杉野遥亮)。頼は複雑な想いで当日を迎えますが、その日の現場は何故かピリピリムードが漂っていました。それもそのはず、撮影の直前になって、下着での撮影に踏ん切りがつけられずにいた雫が控え室から出て来ず、昴が所属する大手事務所の社長・時田(高島礼子)がカンカンに怒っていたからでした。そのことを知った頼は、なんとか雫を勇気づけようと、その場にあったアライグマの着ぐるみの頭をつけ、雫の控え室へと突入、泣いていた雫を励まします。そんな頼の姿に、思わず笑ってしまった雫。元気を取り戻してスタジオへと入りますが、時既に遅し。時田と昴は次の現場へと行ってしまい、スタジオではバラし作業が始められていました。プロデューサーの酒井(水上剣星)は呆れ顔で、
「クビだ!!」
と雫を追い返そうとしますが、なんとか雫の役に立ちたい頼は、
「契約違反です!!不当解雇ですよこれは!!」
と食い下がります。そんな頼の姿を見て、『彼を代役にして撮ってみよう』と言い出す人物がいました。それが他ならぬ、あの近藤監督だったのでした・・・。

 幼い頃にスターになると誓い合った幼馴染みとの、運命の再会。最初は雫の成功にただただ圧倒されるばかりだった内気な頼が、雫の窮地を救ったことから、少しずつ人間として、そして俳優としても成長していく姿に、観ていて心が温かくなります。そんな頼に次第に心動かされていく雫の様子も、また微笑ましいです。歯がゆいまでに絶妙な距離間の2人が、芸能活動を通じて一歩また一歩と近くなっていく様がステキです。

 そんな2人を取り巻く人間模様も、一筋縄では行きません。雫への自分の気持ちを隠すことなく、正面から頼に勝負を挑む昴や、頼の才能を見出だし、成功へと導いていく監督・近藤、そして軌道に乗り始めた頼の前途に現れる共演者キラー・山田華。頼と雫の恋模様に様々な影響を与える彼らの存在も、どこか人間味があって印象に残ります。

 ただ難点をいうと、もの凄く簡単に劇的な再会をしちゃったり、なんとなくオーディションに受かっちゃったり、トントン拍子に新人賞まで行っちゃったり等々、ストーリーはこれでもかというくらいご都合主義なので、現実味は全くありません。なので感情移入するのは、難しいかも知れません。

 どちらかというと若い方のデートムービーとして、割と気軽な感じで観たい作品といえそうです。


【ワンチャン・ポイント】
※事務所のポスター・・・劇中、古坂大魔王さん演じる奥井のプロダクションに入ることになった頼ですが、そんな奥井企画に飾ってあるポスターには、なんと「ピコ次郎」なる人物が写っています(笑)。是非チェックしてみて下さい。


オススメジャンル&オススメ度・・・<デートで観たい>