あの頃、君を追いかけた | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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眩しすぎる青春。伝えられない想いの果てに待つ、2人の未来とは。

2018年10月5日公開
監督:長谷川康夫
出演:山田裕貴・齋藤飛鳥・松本穂香 他

【賛否両論チェック】
賛:お互いの想いを伝えきれずにいた2人が辿る運命が、とても切ない。観ている方がニヤけてしまうような眩しすぎる青春も味わい深い。
否:主人公達の言動はどこか日本っぽさがなく、他のアジア圏の映画を観ているよう。ストーリーも非常に単調で、退屈してしまうかも。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・ほんの少しだけあり
怖シーン・・・基本的にはなし


 台湾映画のリメイクです。落ちこぼれの高校生と、彼のお目付け役になった優等生のヒロインとの、切ない恋模様を描きます。主演は山田裕貴さんと乃木坂46の齋藤飛鳥さん。

 物語の始まりは、2008年でした。片田舎に住む豆腐屋の息子・水島浩介(山田裕貴)が通う高校は、地元でも校則が厳しいことで有名でした。天然パーマの浩介は、担任から「地毛証明書」を出すように言われていましたが、その朝も証明書を持って来ず、校門で担任から大目玉を食らってしまいます。そんな彼のクラスメイトで幼馴染みの小松原詩子(松本穂香)も、スカートの丈が短すぎると言われて色仕掛けをしようとし、こちらも大目玉。そんな詩子の脚を見せられ、2人の悪友でもある秋山寿音(中田圭祐)はドキドキしてしまい、これまた悪友の杉村一樹(遊佐亮介)に笑われる始末でした。結局浩介はその日、罰として教室の後ろの壁を向いて授業を受けることになってしまいますが、世界史の授業の際、見かねた教師から席替えを命じられ、学校一の優等生である早瀬真愛(齋藤飛鳥)の前の席に座らされることになります。それからというもの、真愛の前の席が浩介の指定席になるのでした。

 浩介と詩子には、寿音と一樹の他にも、実家が中華屋を営む大野陽平(佐久本宝)と、運動の天才・町田健人(國島直希)という悪友がいましたが、真愛はそんな男性陣からの羨望の眼差しを一身に背負う憧れの的でした。そんなある日のこと、真愛は珍しく英語の教科書を忘れてきてしまいますが、厳しい担任の手前、言い出すことが出来ません。するとその様子に気づいた浩介は、スッと自分の教科書を渡すと、
「教科書忘れました!!」
と身代わりになるのでした。結局彼は、また後ろの壁を向いて授業を受けることになってしまいますが、すっかり慣れている浩介はどこ吹く風。そんな彼に心動かされた真愛は、数学が苦手な浩介のために、オリジナルの数学のテストを作って、
「明日までにやって来て。」
と手渡します。浩介は当然のように閉口しますが、真愛が引用した“アリストテレスさん”の「自分に勝った者を勇者と呼ぶ」という言葉に感化され、その夜必死でテストを解くのでした。

 テストの結果は、真愛いわく
「酷すぎる。」
とのこと。その後もテストは毎日続き、浩介と真愛は早朝や夕方も教室で一緒に勉強するようになっていきます。その後2人は、坊主頭とポニーテールを賭けて中間試験で勝負しますが、結果は真愛の勝利。近所の理髪店ですぐに坊主にする浩介でしたが、すると真愛も翌日ポニーテールに髪型を変えており、浩介達は思わず見とれてしまいます。一方の真愛の方はというと、相変わらずの優等生ぶりでしたが、そんな彼女の浩介に対する心境の変化を、既に親友となっていた詩子は気づいているのでした。ところがある日のこと、学校から大金が消えるという事件が発生し、事件当時学校にいた浩介や健人は容疑をかけられてしまいます。2人は勿論、詩子や寿音、一樹や陽平も激しく反発しますが、そこへ
「間違っていると思います!!」
と加勢したのは、他ならぬ真愛だったのでした・・・。

 日常のくだらないことが面白くて、自分の好きなものに熱中出来る、青春という唯一の特権。そのど真ん中にあった主人公達の儚い日々が、淡々と紡がれていくのが印象的です。相手のことが好きだから故に、素直になることが出来ない。そんな甘酸っぱさがふんだんに盛り込まれています。

 ただその主人公達の言動の1つ1つが、悪くいうと鼻につくというか、どこか実際の青春とは解離しているというか、良くも悪くも日本っぽくない感じがします。その辺は原作の雰囲気がそっくりそのまま残っているからかも知れません。

 ただラストは本当に切ないです。不器用で自分の想いを伝えられずにいた浩介と、そんな彼の想いを期待し続ける真愛。2人が辿り着く結末には、思わずグッと来ます。

 賛否は両極端に分かれそうな作品ですが、気になった方は是非。


【ワンチャン・ポイント】
※松本穂香さん・・・本作では、主人公の幼馴染み・詩子役。最近の映画では、小松菜奈さんと大泉洋が主演した「恋は雨上がりのように」にアルバイト役で出演されているほか、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」では、篠原涼子さん演じるヒロインの娘役で出演していらっしゃいますね、

※佐久本宝さん・・・本作では、主人公の悪友の1人・陽平役。最近の映画では、何といっても「怒り」での、広瀬すずさん演じる少女と親しくなる沖縄の少年役が有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>