クワイエット・プレイス | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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斬新な世界観。極限のサバイバルで紡がれる、家族の深い愛情。

2018年9月28日公開
監督:ジョン・クラシンスキー
出演:エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー 他

【賛否両論チェック】
賛:斬新な設定の中、必死に生き延びようとする家族の、普遍的な愛情物語が感動を誘う。静かなだけに、恐怖も倍増。
否:急に驚かせるシーンが多いので、苦手な人には不向き。世界観的にもかなり静かなので、好き嫌いが分かれそう。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・あり
アクションシーン・・・少しだけあり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがかなりあり


 音に反応する“何か”によって荒廃した世界を舞台に、生き延びようとする一家の姿を描きます。主演はエミリー・ブラント。

 西暦2020年、“何か”によって人類が襲撃されてから、89日目を迎えたある日のこと。人気(ひとけ)が全くなくなった山あいの小さな町の雑貨屋で、その一家は長男・マーカス(ノア・ジュプ)のために、喘息の薬を調達していました。一家は何故か音を立てないように裸足で歩き、会話は全て手話。その途中で、まだ幼い次男のボーがオモチャの飛行機を欲しがりますが、父・リー(ジョン・クラシンスキー)はそっと飛行機の電池を抜くと、元あった場所へと戻すのでした。すると、残念そうなボーを見た長女・リーガン(ミリセント・シモンズ)が、リーの目を盗んで、飛行機をこっそりボーに渡します。ところがその直後、リーガンも気がつかないうちに、ボーはリーが抜いた電池をこっそりポケットへとしまってしまうのでした。

 その後一家は、裸足のまま森の中を静かに進んでいきます。1番後ろを歩いているボーは、相変わらず飛行機のオモチャに夢中。そして小さな橋へと差しかかった時、ボーが飛行機に電池を入れて、大きな音を鳴らしてしまいます。母・エブリン(エミリー・ブラント)は驚き、リーが慌てて駆け寄ろうとしますが、その直後、ボーは音に反応する“何か”に襲われ、帰らぬ人になってしまうのでした。

 時は流れ、472日目。一家はまだ森で暮らしており、決して音を立てないように生活を続けていましたが、、リーガンはボーに飛行機を渡して死なせてしまったという罪悪感を捨てきれず、塞ぎがちになっていました。エブリンやリーも、ボーのことを忘れることはありませんでしたが、一方でエヴリンは、新しい命を授かっているのでした。そんなある日のこと、外へ出ることに恐怖を隠せないマーカスに対して、リーは自分達がいなくなった後も生きていけるようにと、川へ魚を捕りに連れていきます。その途中で、リーはマーカスを川の滝壺へと連れていくと、大声で叫んでみるように促します。驚くマーカスでしたが、実際に滝の周りでは滝の音が大きいため、声を出しても“何か”に聞かれる心配はありませんでした。その後2人は、川辺で家族のことを話します。そこでマーカスはリーに、
「お姉ちゃんを愛してる?ちゃんと伝えた方がいい。」
と告げるのでした。しかしこの時既に、家族との距離を感じてしまっていたリーガンは、エヴリンの目を盗んで、家を飛び出してしまっていたのでした・・・。

 まずは何といっても、その世界観が非常に斬新です。音に反応する「何か」によって人類が滅亡の危機に瀕しているので、主人公の一家は決して音を立てないように、ひっそりと静かに生活しています。そんな中でのサバイバルなので、物語の大半はセリフも手話で物静かに進んでいきます。その辺り、なんとなく好みは分かれそうというか、もっと迫力のある映画を期待して観た人には、少し残念かも知れません。

 そうした極限状態で生きる一家を通して描かれるのは、普遍的な家族の愛の姿です。どんなにお互いに傷つき、表面上は距離が出来てしまっていても、大切な部分ではいつも繋がっている。そして本当に大変な事態が起きた時は、お互いに信頼し合って共に生き延びようとする。そんな一組の家族の姿に、胸が熱くなります。

 全編が静かなだけに、急に驚かされた時の恐怖もひとしおですので、ホラー映画やパニック映画が苦手な人には向きませんが、気になった方は是非ご覧になってみて下さい。


【ワンチャン・ポイント】
※ノア・ジュプ・・・本作では、怖がりな長男・マーカス役。最近の映画では、「サバービコン 仮面を被った街」でのマット・デイモンの息子役や、「ワンダー 君は太陽」での主人公の少年の親友となる同級生役等で出演されています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>