響 -HIBIKI- | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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信念を貫くとはこういうこと。痛快すぎるヒロインの勇姿。

2018年9月14日公開
監督:月川翔
出演:平手友梨奈
北川景子
アヤカ・ウィルソン 他

【賛否両論チェック】
賛:世間擦れしていないヒロインが、相手が誰であれ決して迎合することなく、己の信念を貫いていく姿が、観ていて非常に痛快。
否:主人公のキャラクターは、人によっては好みが分かれるところ。ストーリーもかなり強引で、突拍子もない印象を受けてしまう。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・ほんの少しだけあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・なし


 コミックの実写映画化です。日本の文芸界にすい星のごとく現れた、型破りな少女を描きます。主演は平手友梨奈さん。

 小論社が主催している文芸大賞である「木蓮新人賞」。ある日のこと、小論社に1通の応募原稿が送られてきますが、今回の募集はインターネットからのみだったため、募集要項を満たしていないとして、封を開けられることなく破棄されることになります。しかし破棄用の箱に入れられていたその原稿を、偶然拾い上げた人物がいました。それが、文芸界を盛り上げようと躍起になっている若手編集者・花井ふみ(北川景子)でした。

 ところ変わって、とある高校。幼馴染みで同級生の椿涼太郎(板垣瑞生)と登校してきた高校1年生・鮎喰響(平手友梨奈)は、登校途中でもずっと本を読んでいるくらい、小説好きでした。そんな2人は、早速文芸部に入部しようと部室へとやって来ますが、あいにくそこは不良達の溜まり場になっていました。それでも響は臆することなく、
「入部希望よ。」
と声をかけますが、リーダー格の塩崎隆也(笠松将)に胸ぐらを掴まれ、
「消えろ。殺すぞ。」
とすごまれてしまうのでした。すると響は何を思ったか、隆也の小指を掴むと、思いきり折ってしまいます。場は騒然となりますが、響は涼しい顔で、
「私は『殺す』って言われたから、殺されないようにしただけ。」
と言い放つのでした。

 一方その頃小論社のふみは、あの郵送されてきた原稿に衝撃を覚えていました。「お伽の庭」というタイトルが付けられたその作品の作者は、なんと響。文芸界を変える逸材だと直感したふみは、先輩にも手伝ってもらいながら、わざわざ自分でデータに打ち換え、正式に応募させることにします。しかしあいにく連絡先が書いていなかったため、彼女は響からの連絡が来るのを待つことにするのでした。

 文芸部の部室には、翌日から不良達は来なくなり、部長の祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)が響と涼太郎を出迎えます。挨拶もそこそこに、凛夏は2人に
「本棚が2つに分かれているのはどうしてか?」
という問題を出します。涼太郎は考えますが、響は即座に、
「右が面白い本の棚、左がゴミ。」
と答えるのでした。しかしその後1冊の本に対して、右と左のどちらの棚に置くか、響と凛夏の間で意見が分かれてしまいます。すると響は何を思ったか、右の本棚をわざと倒すと、
「倒してしまったので、私が片づけます。」
と、実力行使に出るのでした。凛夏は呆気にとられながらも、響にもう1つお願いをします。それは部の存続に必要な部員数を確保するために、部員をもう1人増やすことでした。

 そこで響が向かったのは、なんと自分が指を折った隆也のところ。腹の虫が収まらない隆也は、響を屋上へと連れてくると、
「ここから飛んだら入部してやる。」
と提案します。しかし響はためらうこともなく屋上の端に立ち、
「あなたの指は私が折ったのよ。その落とし前ならあなたが押すんでしょ?」
と振り返ります。そんな響の度胸を目の当たりにした隆也は、とうとう降参しますが、その直後に響は風にあおられて転落してしまうのでした。しかし幸いにも、運良く植え込みに落ちたため、響は無事。彼女はその後、木蓮新人賞に応募した際の自分にミスに気がつき、公衆電話からふみに連絡をとるのでしたが・・・。

 社会を生きていく中で、常に妥協と忖度がつきまとう大人の世界。それ自体が悪い訳ではありませんが、半ばそうすることが当たり前になっていたところへ現れた、既成概念を正面からぶち壊していく天才・響。

 確固たる意見と信念を持ち、疑問は相手が誰であれ口にする。そして許せないと思ったことは、時には暴力に訴えてでも正そうとする。勿論賛否はあるはずのそんな響の言動に、観ていて不思議と爽快感を覚えてしまうのも、また事実です。
「文句があるなら私にどうぞ。」
は、スゴく印象に残るセリフでした。

 ストーリーはかなり強引に進むので、やや味気ない感もしてしまいますが、響の歯に衣着せぬ言葉の数々や、普通ならば絶対出来ないような痛快な行動の数々にスカッと出来る、そんな作品です。


【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ストレス発散したい>