ブレス しあわせの呼吸 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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感動を呼ぶ家族の愛。勇気と元気をくれる命の物語。

2018年9月7日公開
監督:アンディ・サーキス
出演:アンドリュー・ガーフィールド
クレア・フォイ 他

【賛否両論チェック】
賛:重病に倒れながらも、前代未聞だった自宅療養を通して、やがて人生を謳歌していく主人公の姿に、生きていくことがいかに幸せなことかを改めて考えさせられる。妻を始め、彼を支えた周囲の人々の無償の愛にも、思わず感動させられる。
否:実話の映画化なので、どうしても物語が淡々と進んでいく感は否めない。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・ほんの少しだけあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし


 アンディ・サーキス長編初監督作品です。ポリオに感染し余命宣告を受けながらも、家族の愛に支えられて生きた主人公を描いた実話です。主演はアンドリュー・ガーフィールド。

 始まりは1958年のイギリスでした。主人公のロビン・カベンディッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)は、友人達とプレーしていたクリケットの会場で、遠くから試合を眺めている資産家の娘、ダイアナ(クレア・フォイ)を見かけます。一目で彼女に恋をしたロビン。ダイアナの方もロビンとすぐに意気投合し、その後2人はめでたく結婚することになるのでした。

 当時茶葉の仲買人をしていたロビンは、翌年に出張でケニアのナイロビへと出かけることになりますが、ダイアナも
「夫の仕事を知りたい。」
と、ロビンに帯同してナイロビへと向かいます。茶葉の買い付けにも同席したダイアナは、ロビンの同僚・コリンや医師のドン(ベン・ロイド=ヒューズ)達と共に、遠出をしたりすることもありました。そんなある夜、焚き火を囲んで語り合っていた時、2人はドンから、コメ島で起きたマウマウ団の反乱時の囚人の話を聞きます。当時は60人の囚人が収容されていましたが、その中のリーダーが部下達に対し、
「死ぬことを許可する。」
と命じた翌朝、60人の囚人全員が自ら命を絶っていたとのこと。しかしその話を聞いたダイアナは、
「私は生きるわ。」
と答えます。数日後、そんなダイアナを連れて車を走らせていたロビンは、彼女から懐妊したという報告を聞き、喜びを隠せずにいるのでした。

 ところが翌日、ロビンは滞在しているイギリス大使館でコリンとテニスをしていましたが、どうも体調が優れません。そして彼はとうとう、夜中に倒れてしまうのでした。診断の結果、ロビンはポリオに感染しており、全身が麻痺してしまっていました。自発呼吸もすることが出来ず、呼吸器に頼るしかなくなってしまいます。心配するダイアナに告げられたのは、余命数ヶ月という衝撃的な診断結果でした。

 友人達の協力もあり、ロビンはなんとか本国に帰ることが出来ますが、当時は重度の患者は入院するしかなかったため、ロビンは同じような症状を持つ患者達とベッドを並べ、ただただ生き永らえるだけの生活になってしまいます。彼は次第にふさぎ込むようになってしまい、
「もう死なせてくれ。」
と呟くようになってしまうのでした。無事に生まれていた息子・ジョナサンをダイアナが連れていっても、ロビンは顔を向けようともしません。そんなロビンに対し、向き合う覚悟を決めたダイアナがどうしたいか聞くと、ロビンは
「ここを出たい。」
と答えます。そこでダイアナは、保守的な院長の反対を押し切ってロビンを退院させ、当時前例がなかった自宅療養をさせることにするのでしたが・・・。。

 余命数ヶ月と宣告されながらも、前例がなかった自宅療養に挑戦することで、次第に生きる気力を取り戻し、人生を輝かせていくロビンの姿が、観ていて感動を誘います。抑うつ状態の時こそあれど、常に笑顔とユーモアを忘れない彼の人柄にも、思わず心が温められます。
「病院で生きるか、外に出て死ぬか。」
という選択を迫られた時、
「今すぐ出よう。」
と笑顔で即答したシーンなんかに、彼の人となりというか、ある種の強さも感じました。

 また、そんなロビンが病気を理由に諦めることなく、周りの様々な人々の支えを受けながら、外出から海外旅行に至るまで、前例のないことを次々にやり遂げていく姿も、また勇気をもらえます。それはまるで、何事にも前向きに挑戦していく姿勢を、彼が教えてくれているようですね。

 そしてもう1つ忘れてはならないのは、ロビンを献身的に支え続けた妻・ダイアナの存在です。無償の愛を体現する彼女にも、「家族」という存在の大きさを改めて痛感させられます。
「あなたの命は私の命。」
という言葉に、全てが表れていると思います。

 月並みですが、観終わった後に生きていく元気をもらえるような、そんな作品です。是非劇場でご覧下さいませ。


【ワンチャン・ポイント】
※アンディ・サーキス・・・本作の監督。主にモーションキャプチャーを使うような役柄で有名な方で、何といっても「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」シリーズでのゴラム役や、「猿の惑星」シリーズでのシーザー役、「スター・ウォーズ」シリーズでのファースト・オーダーの最高指導者・スノーク役等が有名なところです。他にもあの「ブラックパンサー」では、武器商人役で出演されていますね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>