キスできる餃子 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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個性的なタイトルの真意。ご当地純愛ラブコメディ!!
 
2018年6月22日公開
監督:秦建日子
出演:足立梨花・田村侑久・佐野ひなこ 他
 
【賛否両論チェック】
賛:それぞれの心に傷を抱えた2人が、運命の出逢いをきっかけに、少しずつお互いが変わっていく姿は、意外と恋愛映画の王道で魅力的。クスッと笑える小ネタや、脇を固める個性豊かなキャラクター達、そしてやっぱり餃子そのものもステキ(笑)。
否:ストーリーはメチャメチャ荒唐無稽なので、現実味はなし。展開もかなりご都合主義的。
 
ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし
 
 
 宇都宮を舞台に、シングルマザーとプロゴルファーの不思議な恋模様を描いたラブコメディです。主演は足立梨花さん。
 
 物語の主人公は、東京のシングルマザー・藤田陽子(足立梨花)。その日陽子は、愛娘の美咲(古川凛)を近所の駄菓子屋に預け、離婚調停中の元夫が立てた弁護士に会いに来ていました。ところがいざ待ち合わせ場所の喫茶店へと着いてみると、そこにはなぜか元夫(勇翔)も同席。提示された慰謝料の金額に納得がいかない陽子は、悪びれもしない元夫の挑発に乗せられ、ついつい殴ってしまいます。ところがその様子は、弁護士の部下によってきっちりと録画されており、陽子はそれをネタに慰謝料のさらなる減額を持ちかけられることに。呆れ果てた陽子は、
「もういい、要らない。」
と慰謝料そのものを断り、出て行ってしまうのでした。悪いことは続くもので、その後陽子は勤め先のスーパーマーケットからも、人件費削減を理由に暇を出されてしまいます。万事休すとなってしまった陽子は、美咲を連れて、仕方なく実家のある宇都宮へと帰ることにするのでした。
 
 駅で陽子達を出迎えてくれたのは、旧友の倉橋真里(佐野ひなこ)と本田優太(中島広稀)の2人。優太の車に乗せてもらい、父・信介(浅野和之)が営む実家の餃子屋「餃子のふじた」へと帰ってきた陽子でしたが、実は「餃子のふじた」は信介の体調不良が祟り、数年前に閉店してしまっているのでした。ところがそんな信介と陽子は、再会するなりいきなりの大ゲンカ。それもそのはず、かつて陽子は信介の忠告も聞かず、元夫と駆け落ち同然に上京してしまったため、それ以来2人の間には大きな溝が出来てしまっているのでした。それでもなんとか美咲を養っていくために、陽子は信介にこれまでのことを謝罪し、餃子屋を継がせてほしいと頼み込みます。最初は渋っていた信介でしたが、最終的には「全部自分の責任でやること」を条件に、これを承諾。かくして陽子は、餃子屋として新たなスタートを切ることになるのでした。
 
 そうは言っても、幼い頃からずっと信介の仕事ぶりを間近で見てきた陽子。内心余裕だと思ってはいたものの、いざ再開してみると、客足は全く伸びません。優太達が連れてきた宇都宮餃子会事務局長の鈴木(大石吾朗)からも、マップに載せてもらえるような良い評価はもらえず、陽子の餃子づくりは早速暗礁に乗り上げてしまいます。それでも負けん気の強い陽子は、素材や焼き方を微妙に変えながら挑戦を続け、徹夜で練習を続けるのでした。こうして迎えた翌日の明け方、店の外に出て大きく伸びをしていた陽子は、ふと新聞配達に来たイケメン好青年にときめいてしまいます。しかしこれまで、イケメンに恋をして失敗し続けてきた彼女は、なんとかその気持ちを忘れようとするのでした。一方、新聞配達だったはずの青年はというと、何故か自転車のまま高級ホテルへと戻ってくると、自転車を預け、ホテルへと入っていきます。実は彼の正体は、最近スランプに陥ってしまい、
「肘を故障している。」
と嘘をついて療養していたプロゴルファー・岩原亮(田村侑久)だったのでしたが・・・。
 
 まずクスリと笑ってしまうのが、何といってもこのタイトルですね(笑)。でも最後まで観ていると、このタイトルが案外深いというか、イイところを突いていることにも気づかされます。
 
 片や出戻りシングルマザーとして、ずっと見てきた父の技を必死に追い求めながら、やがて自分らしい餃子作りに気がついていくヒロイン。そして片や、心根の優しい人間でありながら、守るものの大きさゆえに自分を見失い、逃げてしまったプロゴルファー。そんな一風変わった2人の運命が交錯し、惹かれたりケンカしたりしながら、次第にお互いの本当に大切なものを見つけていく姿は、思いのほか恋愛映画の王道を行くようでステキです。
 
 ただお話そのものは、言ってしまうと割とハチャメチャなのが、たまに傷。スランプのプロゴルファーがたまたま新聞配達を手伝って、たまたま徹夜していたヒロインと出逢って恋が始まる辺りは、お約束とは分かっていても、さすがにツッコみたくなってしまうところですね(笑)。
 
 とはいうものの、足立梨花さんの奮闘ぶりはまさに必見です。美味しそうな餃子の数々も併せて、是非チェックしてみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※勇翔さん・・・本作では、ヒロイン・陽子の元夫役。「BOYS AND MEN」の方で、最近の映画ではBOYS AND MEN総出演の「サムライロック」や「復讐したい」、山奥の旅館でのヴァンパイアとの死闘を描いた「ヴァンパイア ナイト」、深川麻衣さんと山下健二郎さん主演の「パンとバスと2度目のハツコイ」等にも出演していらっしゃいます。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<デートで観たい>