ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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「英雄と、その英雄。」折れた心を繋いだ、多様な愛。

 

2018年5月11日公開
監督:デビッド・ゴードン・グリーン
出演:ジェイク・ギレンホール
タチアナ・マズラニー 他

 

【賛否両論チェック】
賛:事件がきっかけで次第にすさんでしまう主人公が、様々な人々の愛によって、再び前向きに生きていくまでの姿に、絆の尊さを実感させられるよう。
否:メインは主人公の再生なので、事件そのものはあまり語られない。主人公の言動も、やや好き嫌いが分かれるところか。

 

ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・傷口や汚物のシーンがあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・基本的にはなし

 

 

 2013年に起きたボストンマラソンテロ事件で、両脚を失った青年の挫折と再生を描いた実話です。主演はジェイク・ギレンホール。

 

 主人公は、ボストンの食肉工場で働くジェフ・ボーマン(ジェイク・ギレンホール)。2013年4月14日の夕方、ジェフは頼まれた残業を、同僚を拝み倒して免れると、昔からの悪友達と馴染みのバーへ向かいます。彼のお目当ては、既に何度も交際と別れを繰り返している元カノのエリン(タチアナ・マズラニー)。姉のジル(ミシェル・フォルツィエリ)と共にやって来ている彼女の姿を見つけると、ジェフは早速声をかけます。聞くところによると、エリンは翌日に迫ったボストンマラソンのための寄付を、このバーで募ろうとしているそうで、募金箱も持参していました。するとジェフは、彼女の代わりに大声を張り上げ、バーにいた客1人1人から、それぞれ2ドルずつ徴収することに成功。その後エリンに、
「明日観に来て。」
と言われたジェフは、ゴール地点で待つことにするのでした。

 

 翌日ジェフは、エリンを応援する大きなポスターを作り、ゴール地点へと急いでいました。なんとか彼女がゴールする前に到着したジェフでしたが、人混みをかき分けるように向かってくる男にぶつかり、閉口します。一方のエリンはもうゴールの目前まで迫っていましたが、次の瞬間、彼女は前方で2度の爆発が起こるのを目撃、現場は戦場と化してしまうのでした。

 

 一報を聞き、ジェフの母・パティ(ミランダ・リチャードソン)を始め、彼の親族が病院へと駆けつける中、医師からは
「一命は取り止めたものの、両脚の損傷が激しく、膝上から切断せざるを得ない。」
という、残酷な説明がなされてしまうのでした。その後、奇跡的に目を覚ましたジェフは、筆談で
「爆弾犯を見た。」
と証言、早速FBIによる聞き取りが行われます。その甲斐もあり、1人の犯人は射殺され、もう1人もほどなくして逮捕、事件は解決を見るのでした。ジェフはエリンの献身的な看病もあり、6週間後には退院。ところがそんなジェフを待っていたのは、予想以上の世間からの注目と、日常生活における想像を絶する困難の連続でした・・・。

 

 突然不条理なテロ事件に巻き込まれ、望まない悲劇の英雄となってしまった主人公・ジェフ。本作ではそんな彼が、心身共に疲弊して、次第に人生に投げやりになっていく哀しい姿や、その失意のどん底から様々な人の愛によって、再び運命に立ち向かっていけるようになるまでの姿を、如実に描き出していきます。決して綺麗事だけでは済まされないテロ被害者の本当の姿が、そこにはあるような気がします。

 

 そして、ジェフを取り巻く様々な「愛」も見逃せないところです。ジェフのことを常に案じてきた恋人のエリンや、息子を愛するがゆえに他人を傷つけてしまう母・パティ、さらには事件の現場でジェフを助けた英雄・カルロス等、本当に沢山の人の愛情によって1つの命が支えられているということを、改めて痛感させられます。

 

 テロ事件そのものを描いた作品ではないので、その辺りの緊迫感はあまり期待しない方が良いと思いますが、1人の人間の挫折と再生の物語を、是非ご覧になってみて下さい。

 

 

【ワンチャン・ポイント】
※ボストンマラソンテロ事件を描いた映画・・・本作は、テロ事件の被害者が主人公となった映画ですが、同様にボストンマラソンテロ事件を描いた映画としては、事件解決までの警察の捜査に焦点を当てた「パトリオット・デイ」がありますね。主演はマーク・ウォールバーグです。

 

オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>