女は二度決断する | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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タイトルの真の意味に感嘆。ヒロインの孤独な苦悩と葛藤。
 
2018年4月14日公開
監督:ファティ・アキン
出演:ダイアン・クルーガー
デニス・モシット 他
 
【賛否両論チェック】
賛:最愛の家族を奪われた主人公の、失意・絶望・怒りといった感情が赤裸々に描かれ、そのやり場のない哀しみが胸を打つ。衝撃的なラストにも目を奪われる。
否:ストーリーは終始淡々と進むので、興味を惹かれないと眠くなってしまうこと必至。
 
ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・少しだけあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・基本的にはなし
 
 
 ドイツ映画です。最愛の家族を殺された母親の、苦悩と決断を描きます。
 
 物語の舞台は、ドイツ・ハンブルグ。2016年10月20日のその日、主人公のカティヤ・シェケルジ(ダイアン・クルーガー)は、まだ幼い息子・ロッコ(ラファエル・サンタナ)を連れ、夫・ヌーリ(ヌーマン・アチャル)の仕事場を訪れます。カティヤはロッコをヌーリに預けると、身重の親友・ビルギット(サミア・シャンクラン)の息抜きに付き合うために出かけていくのでした。車に乗る直前、路上に真新しい自転車を停めている女性を見かけ、
「カギをかけないと盗まれるよ!」
と声をかけますが、女性は
「すぐ戻るから!」
と、そのまま走り去ってしまいます。その後カティヤはビルギットと合流し、2人で岩盤浴を満喫するのでした。
 
 ところがその夜、ロッコを迎えに戻ってきたカティヤは、ヌーリの仕事場周辺の路上が騒然としていることに気がつきます。胸騒ぎを覚え、車を置いて駆けつけたカティヤの目に飛び込んできたのは、黒焦げになって変わり果てた仕事場の姿でした。カティヤは取り乱したまま、警官達に付き添われ、ケガ人が運ばれた病院へ。しかしそこで告げられたのは、
「男性と子供の遺体が見つかった。」
という、無情の宣告でした。その後のDNA鑑定の結果、遺体はヌーリとロッコと断定され、カティヤは失意のどん底へと突き落とされてしまうのでした。
 
 警察はカティヤの証言を基に、「自転車を停めた女」の似顔絵を作成し行方を追いますが、一方でカティヤは、夫と親交が深かった弁護士・ダニーロ(デニス・モシット)の下を訪問し、
「犯人はネオナチよ。」
と話します。精神的にも不安定な彼女に対し、ダニーロは依頼人にもらったという少量の大麻を渡し、落ち着かせようとするのでした。カティヤはその後、自宅でその大麻を使うようになりますが、タイミング悪く警察の家宅捜索が入り、大麻が見つかってしまいます。警部のレーツ(ヘニング・ペカー)は、カティヤを任意同行すると、
「微量だから不起訴処分になる。捜査に協力してほしい。」
と告げるのでした。仕方なくカティヤは、ネオナチの話をレーツにもしますが、捜査は一向に進展しません。カティヤは日を追うごとに塞ぎ込むようになり、とうとう自宅の浴室で手首を切ってしまいます。しかし、カティヤが死のうとしていたまさにその時、ダニーロから
「犯人が捕まった。」
との連絡が入るのでしたが・・・。
 
 理不尽な事件で最愛の夫と息子を奪われ、しかも捕まった犯人が法廷で否認を続け、次第に形勢が不利になっていってしまうという不条理。主人公の動揺と葛藤そして苦悩を、ダイアン・クルーガーが迫真の演技で表現していく様に、思わず圧倒されてしまいます。
 
 ただ展開そのものは、ストーリーを淡々となぞっていく雰囲気で進むので、観ていて退屈してしまうかも知れません。特段突拍子もないことが起こるわけでもないので、眠くなってしまう可能性もあります。
 
 しかし、そんな物語の最大の見せ場は、その衝撃のラスト。そこに含まれたタイトルの本当の意味に、思わずうなってしまいます。あまり言うとネタバレになってしまいますので、詳しくは是非実際にご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D